JTB時刻表を集める「哲」のサイト 哲×鉄

時刻表と旅をする。近くに、遠くに。過去へ、未来へ。

1963年8月号

JTB時刻表1963.8

通巻第450号
表紙:東海道新幹線の試作車【撮影:松下正夫氏】
頁数:680
価格:150円
参考:国鉄初乗区間2等10円、1等20円。
    東京~大阪:3930円(特別急行1等)、1980円(特別急行2等)
    東京~伊丹(航空機):6000円
当時の出来事(昭和38年8月):8/27エースコックが「ワンタンメン」発売開始。

読みどころ:

国鉄関連(今月の話題)

①準急列車新設
 信越本線(横川~長野間)電化。7/15~準急「軽井沢1・2号」が長野まで延長運転。
 上野~中軽井沢間に1往復の準急電車「臨時軽井沢1・2号」が新設(上野~横川間はそれぞれ「軽井沢1・2号」に併結。
 鹿児島・日豊線経由で博多~大分間に準急気動車「きじま」が1往復新設。
②新しくできた駅:横黒線(現北上線)、平石(小松川~相野々間)、矢美津(相野々~横手間)
③夏の臨時列車

時刻表見やすく、使いやすく今月号から56頁増を断行、次のような編集の改善を実施

①優等列車が一覧できる「特急・急行・準急列車早わかり表」新設
②目的駅がすぐ引き出せるよう九都市からの「国鉄主要駅への掲載頁案内」を新設
③遠距離旅行者の便をはかり、「主な幹線連絡表」の充実
④索引の便をはかって、詳細な「線名別目次」の掲載
⑤索引地図に周遊指定地を図示して、接続社線を引きやすく
⑥乗り換え利用者の多い支線区(例えば伊東線・日光線等)の連絡時刻を、それに関連する本線中に挿入したり、使用に便利なよう特に幹線区において、表の区切りを変えるなど、編成替えを行った。
⑦好評を得ている「次の掲載頁」欄を幹線区に増設。
⑧東京・上野駅の「入線時刻」(始発駅において列車がホームに入ってくる時刻)の掲載や列車の編成表の中に、車掌の定位置を表示。
⑨座席指定列車やビュッフェ、1等寝台個室等わかりやすい各種記号の新設
⑩主要駅間運賃表、主な駅の案内図、寝台車の見取り図、観光地コース案内等、その他ご利用者本位の編集に務めた。

航空関連(時刻表掲載の航空会社と主な営業路線)

①北日本航空:道内路線、札幌~八戸~東京、札幌~函館~秋田
②藤田航空:東京~大島、八丈島(※8/17、八丈富士墜落事故発生)
③日東航空:大阪~徳島・高知・新居浜・別府・白浜・串本・志摩・名古屋
④富士航空:佐渡~新潟(冬季運休中)、東京~大分・鹿児島、鹿児島~種子島
⑤東亜国内航空:広島~松山・高知・大分・米子・防府・北九州、鹿児島離島路線など
⑥全日本空輸:東京を中心に全国の地方空港を結ぶ路線
⑦日本航空:東京~札幌、大阪、福岡、沖縄を結ぶ幹線

会社線(私鉄・バス・船舶・その他)

①長距離急行バス案内(一部抜粋)※距離、運賃、所要時間は最終目的地までのもの
 渋谷~軽井沢・長野(東急)230.0㎞、700円、7時間
 西武新宿~軽井沢・鬼押し出し(西武)176.2㎞ 600円、5時間20分
 東京~横浜・小田原・箱根町(箱根登山)350円、4時間30分
 東京~会津若松(東北急行バス)800円、7時間35分
 東京~前橋・水上・谷川岳(東武)470円、6時間10分
 東京~渋川・伊香保(東武)350円、4時間25分

【巻頭特集】

今月の窓~夏の信州へ~

(以下、本文抜粋)
若者は山の頂きへ、女性は高原の憩いの場所へ、家族づれは山の湯へ。こころのふるさとを信州に持つ人が多いのは何故だろう。雄大な山並の眺望、高原の牧場、湖畔での逍遥、日本一の温泉群など、信州はどんな憧れも満たしてくれるからだ。
写真紹介:美ヶ原、槍ヶ岳、上高地、志賀高原、中房温泉、善光寺

国鉄写真ニュース~踊りの四国路、秋には「四国観光号」も~

絵のような瀬戸の海を1時間…
快適なディーゼル急行が、高松から松山まで3時間、高知まで2時間半、徳島まで1時間半…
近年さかんになった高知の「よさこい祭り」や徳島の「阿波踊り」を紹介。

特急・急行・準急列車早わかり(今号から新設の一覧表)

特急列車は24本。うち特急寝台列車は「さくら」「みずほ」「あさかぜ」「はやぶさ」の4本。

哲×鉄が選んだ「広告シリーズ」

ビュッフェ(今号から新設の利用者・読者との交流欄)

増頁に伴い、編集室と読者双方の交流を図れるコーナーを新設
(以下、編集室佐藤氏の文章を抜粋)
時刻表を「見やすく・使いやすい」ものにと、ご利用者の立ち場からばかりでなく、私達の悲願として、いろいろ研究を重ねて来ましたが、機、熟して新構想による内容改善の増台号を、お贈りすることになりました。
限られた編集スタッフ、限られた時間では、毎月のような列車増発、めまぐるしく変わる時刻改正を追いかけて行くだけで精一杯です。その間寸暇を見つけて、新しいアイデアと56頁の増頁のもとに、新装となった増大号を完成させましたが、果たしてご利用者のご批判が何と出るか、ある種の期待と不安で一杯です。
改善をはかった内容については、先の新聞・ラジオ・テレビ等の放送で先刻ご承知の方も多いと思います。「今月の話題」(57頁)にも改善のあらましを述べましたので、今後ご利用の一助にして頂ければ幸いです。(佐藤)
*ビュッフェとは簡易食堂、軽食堂といった意味です。もっか東海道・山陽・北陸・東北線等に連結されて、お気軽に利用できるので大変好評です。
*ご利用者に心から愛される時刻表にするため、続けて研究を重ねておりますが、皆さまの「ビュッフェ」で、お気軽にご意見を伺わせていただきたいと思います。

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