JTB時刻表を集める「哲」のサイト 哲×鉄

時刻表と旅をする。近くに、遠くに。過去へ、未来へ。

1963年11月号

JTB時刻表1963.11

通巻第453号
表紙:濃いブルーに白い線(みずほ)【撮影:藤原進氏】
   色彩豊かになった国鉄車両の中でも、きわだってスマートなのがこの「あさかぜ」である。
   紺碧の秋空のもと、山野を縫うフルスピードのブルーの流れは、限りない旅へのあこがれをかきたてる。
頁数:680
価格:150円
参考:国鉄初乗区間2等10円、1等20円。
    東京~大阪:3930円(特別急行1等)、1980円(特別急行2等)
    東京~伊丹(航空機):6000円
当時の出来事(昭和38年11月):11/1ニセ札防止の為、新千円札(伊藤博文の肖像)発行。

読みどころ:

国鉄関連(今月の話題)~国鉄バス・会社線ダイヤ改正~

(以下本文抜粋)
去る10月1日から、国鉄線ダイヤが全国にわたって改正されましたが、これらに接続を図るため、今月号では、国鉄バス・会社線等の各線に、大改正が行われました。

☆新らしくできた線と駅
阿仁合線(10/15~)…阿仁合-荒瀬-萱草-笑内-岩野目-比立内※阿仁合から比立内まで5駅新設延長
指宿枕崎線(10/31~)…西頴娃-御領-石垣-水成川-頴娃大川-松ヶ浦-薩摩塩屋-白沢-薩摩板敷-枕崎※西頴娃から枕崎まで9駅新設延長
これに伴い、阿仁合線、奥羽本線、指宿枕崎線等に時刻改正が行われた。

☆改称された駅
中央本線…大井→恵那(えな)、根室本線…止若→幕別(まくべつ)

☆10月1日から特急券・寝台券・座席指定券等の発売日が1週間前と3週間前発売とに変更。

時刻表見やすく、使いやすく前10月号から56頁増を断行、次のような編集の改善を実施

①優等列車が一覧できる「特急・急行・準急列車早わかり表」新設
②目的駅がすぐ引き出せるよう九都市からの「国鉄主要駅への掲載頁案内」を新設
③遠距離旅行者の便をはかり、「主な幹線連絡表」の充実
④索引の便をはかって、詳細な「線名別目次」の掲載
⑤索引地図に周遊指定地を図示して、接続社線を引きやすく
⑥乗り換え利用者の多い支線区(例えば伊東線・日光線等)の連絡時刻を、それに関連する本線中に挿入したり、使用に便利なよう特に幹線区において、表の区切りを変えるなど、編成替えを行った。
⑦好評を得ている「次の掲載頁」欄を幹線区に増設。
⑧東京・上野駅の「入線時刻」(始発駅において列車がホームに入ってくる時刻)の掲載や列車の編成表の中に、車掌の定位置を表示。
⑨座席指定列車やビュッフェ、1等寝台個室等わかりやすい各種記号の新設
⑩主要駅間運賃表、主な駅の案内図、寝台車の見取り図、観光地コース案内等、その他ご利用者本位の編集に務めた。
▶今号から、主な列車愛称名の由来を該当線区で欄外に説明を付した。

航空関連(時刻表掲載の航空会社と主な営業路線)

①北日本航空:道内路線、札幌~八戸~東京、札幌~函館~秋田
②全日本空輸:東京~大島、八丈島(※先月号まで藤田航空が運航していたが、墜落事故を起こした)
③日東航空:大阪~徳島・高知・新居浜・別府・白浜・串本・志摩・名古屋
④富士航空:佐渡~新潟(冬季運休中)、東京~大分・鹿児島、鹿児島~種子島
⑤東亜国内航空:広島~松山・高知・大分・米子・防府・北九州、鹿児島離島路線など
⑥全日本空輸:東京を中心に全国の地方空港を結ぶ路線
⑦日本航空:東京~札幌、大阪、福岡、沖縄を結ぶ幹線
⑧関汽エアーラインズ:大分~別府・阿蘇・熊本 ※ヘリコプターで運航
⑨中日本航空:名古屋・大阪~金沢・富山 ※大阪~名古屋50分、1,900円
 

会社線(私鉄・バス・船舶・その他)

①長距離急行バス案内(一部抜粋)※距離、運賃、所要時間は最終目的地までのもの
 渋谷~軽井沢・長野(東急)230.0㎞、700円、7時間 ※善光寺号・信濃路号
 上野~湯田中・丸池(長野電鉄) 935円(冬季950円)※下り:奥信濃号・志賀高原号、上り:武蔵野号・千代田号
 西武新宿~軽井沢・鬼押し出し(西武)176.2㎞ 600円、5時間20分 ※第1・2あさま号
 東京~横浜・小田原・箱根町(箱根登山)350円、4時間30分
 東京~会津若松(東北急行バス)800円、7時間35分
 東京~前橋・水上・谷川岳(東武)470円、6時間10分
 東京~渋川・伊香保(東武)350円、4時間25分

【巻頭特集】

常夏の楽園"ハワイ"は招く

(以下、本文抜粋)
ジェット機ならば6時間半、船ならば横浜を出てから8日目に、水平線上に散在する島々の影が見えてくる。これが、美しい海岸線、四季絶えることなく咲き乱れる熱帯の花々、レイ、フラダンスなどで知られたハワイ群島Hawaiian Islandsである。群島は8つのやや大きい島と多数の小島からなり、ハワイ島が最大で、マウイ島、オアフ島とつづく。
各島々は、群島の中心オアフ島、「火山の島」ハワイ島、「渓谷の島」マウイ島、「庭園の島」カウアイ島等、それぞれ異なった肌合いのもち、定期航空路で結ばれている。
※日本交通公社では、これらを盛り込んだモデルコース、ハワイ・ダイヤモンド・コース(8泊10日・398,000円)、ハワイ・アロハ・コース(6泊8日・375,000円)を用意しております。
海外旅行の自由化に備えて積立金をされる方は、日本交通公社と提携しております銀行・信用金庫・信用組合・証券会社等へお申込みください。

ガイド文:オアフ島、ハワイ島、カウアイ島、マウイ島の名所を説明している。
写真紹介:ワイキキビーチ、ホノルル市街、ダイヤモンドヘッド、ポリネシアンショーほか
 

国鉄写真ニュース~上野・盛岡間にディーゼル特急新設 12月から~

12月上旬から新しく上野・盛岡間に特急「つばさ」が誕生することになりました。これは、現在の上野・秋田間特急「つばさ」に福島まで併結して、福島から分割になるものです。これで特急は全部で60本(列車名では上下で48本)になります。また気動車特急の「まつかぜ」(京都・松江間)、「白鳥」(大阪・青森間)、「かもめ」(京都・長崎間)の編成を、いずれも10月1日から2等車1両増結して7両編成とし、輸送力を2割方増強します。

特急・急行・準急列車早わかり(今号から新設の一覧表)

特急列車は24本。うち特急寝台列車は「さくら」「みずほ」「あさかぜ」「はやぶさ」の4本。

哲×鉄が選んだ「広告シリーズ」

ビュッフェ №4

☆読者1名から、初めて時刻表を買って旅をしてすっかり時刻表愛読者になった旨の投稿。
☆編集後記(本文抜粋・原文のまま)
冷房のよくきいたオフィスで、半袖シャツを着て表紙"あさかぜ"のネガとにらめっこをしていたのがついこの間。早くもバス・私鉄線ダイヤ改正の11月号をお贈りする季節がまいりました。
▶特急・急行・準急列車に付けられた"愛称"は、優に500を超え、今では愛称名のない列車なんて考えられないくらいになっています。けれども、その名前が何から来ているのか、由来がお分かりにならない方のために、その主なものを該当線区で説明いたしました。今までのいろいろな記事欄同様、親しんで頂ければ幸いです。
▶10月号の表紙"こだま"は"とき"の誤りではないか?とのご注意を二、三お受けいたしました。"とき"は山岳線であるため、"こだま"系より勾配区間でも運転できるような構造になっていますが、事実、同者の外観は、"とき"には頭部に帯が一本入っているだけの違いで、車体は同型です。それで、"こだま"型の…としたため、ご忠告くださったものと思い、紙上を借りて、お礼かたがたご返事申し上げます。(佐藤)

 

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