JTB時刻表を集める「哲」のサイト 哲×鉄

時刻表と旅をする。近くに、遠くに。過去へ、未来へ。

1964年4月号

JTB時刻表1964.4

通巻第458号
表紙:特急「つばさ」の食堂車ウェイトレス【撮影:松下正夫氏】
今月は少し趣向を変えてみようと、特急の食堂車の窓にピントを合わせてみた。表紙は4月号、なにか陽
春のやわらかいムードを出そうと、特にウェイトレスにご登場を願った。もちろん花とカーテンもひと役買って
くれた。(本文から抜粋)
頁数:680
価格:150円
参考:国鉄初乗区間2等10円、1等20円。
東京~大阪:3930円(特別急行1等)、1980円(特別急行2等)
東京~伊丹(航空機):6000円
当時の出来事(昭和39年4月):4/1日本人の海外観光渡航自由化、観光目的でのパスポート発行が可能に。但し年1回、所持金500USドルまで。

読みどころ:

国鉄関連(今月のお知らせ)~3/20全国ダイヤ改正~

(本文抜粋)
国鉄では、新たに電車や気動車が大量に落成したのを機会に、3月20日から東北・奥羽・山陽・山陰・九州線などを中心に、ダイヤ改正を実施して輸送の改善が行われます。
改正の主な点
①山陰・山陽・九州内各線関係
●京都~松江間運転の気動車特急"まつかぜ"を博多まで延長
●広島~別府・長崎運転の急行"出島・べっぷ"を呉~長崎間"出島"と広島~別府間"べっぷ"にそれぞれ分割して運転
●熊本発豊肥線経由博多行の上り急行"ひかり"を延長して三角発に改める

②東北・奥羽・磐越西線関係
●上野~仙台間客車急行"吾妻"、"第1松島"を電車におき替え。
●上野~山形・会津若松間に急行の新設
●客車準急"しのぶ1号"を電車におき替えて急行に格上げ

③身延・飯田線関係
●富士~甲府間2往復の電車準急"富士川1号・2号"を新設
●豊橋~辰野間に電車準急"伊那2号"を新設

④北海道内関係
●小樽~滝川・上芦別間に気動車準急2往復新設。下り"そらち1号・2号"、上り"そらち2号・3号"とする。
以上のように、各線とも列車の新設運転に伴い、列車愛称名が大幅に改称されますからご注意ください。

新しくできる駅
東北本線:東大宮(大宮~蓮田間)※3/20から
大阪環状線:新今宮(大正~天王寺間) ※3/22から
中央本線:新守山(大曾根~勝川間) ※4/1から
北陸本線:小舞子(仮)は4月1日から正式に駅に昇格

春の臨時列車
陽春の旅行シーズンを迎え、各線区に便利な臨時列車が運転されますので、とじ込み付録といたしましたからご利用ください。

航空関連(時刻表掲載の航空会社と主な営業路線)

4/15、北日本航空、日東航空、富士航空が合併し、新たに「日本国内航空」を設立。
今号から1頁増。

①日本国内航空
(旧北日本航空路線):道内路線(利尻~稚内は冬期運休中)、札幌~八戸~東京、札幌~函館~秋田
(旧日東航空路線):大阪~徳島・高知・新居浜・別府・白浜・串本・志摩・名古屋
(旧富士航空路線):佐渡~新潟、東京~大分・鹿児島、鹿児島~種子島
②東亜航空:広島~松山・高知・大分・米子・防府・北九州、鹿児島離島路線など
③全日本空輸:東京を中心に全国の地方空港を結ぶ路線(大島、八丈島を含む)
④日本航空:東京~札幌、大阪、福岡、沖縄を結ぶ幹線
⑤関汽エアーラインズ(ヘリコプター)
⑥中日本航空:名古屋・大阪~金沢・富山 ※大阪~名古屋50分、1,900円

会社線(私鉄・バス・船舶・その他)

①長距離急行バス案内(一部抜粋)※距離、運賃、所要時間は最終目的地までのもの
渋谷~軽井沢・長野(東急)230.0㎞、700円、7時間 ※善光寺号・信濃路号
上野~湯田中・丸池(長野電鉄) 935円(冬季950円)※下り:奥信濃号・志賀高原号、上り:武蔵野号・千代田号
西武新宿~軽井沢・鬼押し出し(西武)176.2㎞ 600円、5時間20分 ※第1・2あさま号
東京~横浜・小田原・箱根町(箱根登山)350円、4時間30分
東京~会津若松(東北急行バス)800円、7時間35分
東京~前橋・水上・谷川岳(東武)470円、6時間10分
東京~渋川・伊香保(東武)350円、4時間25分

【巻頭特集】

今月の窓~青い目の日本旅行~

(本文抜粋)
四月は、桜の日本に憧れて世界各国からたくさんの観光客が日本を訪れる。とくに今年はオリンピックの年。そこで今月は、外人が旅行するコースを追いながら、外人観光客の一面をご紹介します。

資料(見開き2頁):「外国人の日本旅行」として、訪日外国人の旅行の嗜好や特長を説明。
▶日本は外国人でうずまりそう
オリンピックイヤーであるため、年間で55万人の外人客が訪日すると想像。
▶「日本は初めて」が圧倒的
訪日外国人のほとんどが、日本は初めての人々。日本と言えば昔は桜と芸者とフジヤマさえ見れば満足して帰ったが、現在は近代化された工業都市や、開発されてゆく観光地にも大変な関心を示しているという。
▶どんな方法で見学しているか
外国人のための日本旅行コースを、JTBが主催しており、ほとんどの外国人がこちらを利用している。
▶話題のサンライズ・ツアー
今春3月21日から国鉄を交通公社が協力して運行を開始した新しいコース。
行先は日光・富士箱根・伊勢志摩・京都・奈良・瀬戸内海・九州などの一般観光地はもちろん、日本の産業水準の高さをPRする工場見学、学校や家庭訪問、旅館宿泊、舞妓を囲んでの豪華なスキヤキパーティーと、外国人にうける旅程を組んでいるのが特徴。
費用は、10日間のコースの場合148USドル(邦貨にして53,000円ほど)。
写真紹介:鎌倉大仏、羽田空港、横浜港、東京タワー、日光東照宮、トランジスタ工場、奈良、京都ほか

国鉄写真ニュース

東海道新幹線 今秋10月開通~開業準備も急ピッチ~
(本文抜粋)
昭和34年4月20日、新丹奈トンネル東口で起工式をあげた東海道新幹線の建設工事は、いよいよ本年10月の開業を目途にピッチを上げています。
東海道線の営業キロは、国鉄全体の約3%に過ぎませんが、輸送量は全体の25%にも相当します。東海道線は現在手一杯の輸送を行っているため、今後のいちじるしい輸送需要の増加に対応するゆとりがなく、日本経済発展のあい路になっています。従って、一日も早い新幹線の完成が強く望まれているわけです。

特急・急行・準急列車早わかり

特急列車は24本。うち特急寝台列車は「さくら」「みずほ」「あさかぜ」「はやぶさ」の4本。

哲×鉄が選んだ「広告シリーズ」

ビュッフェ №9

☆ビュッフェ
静岡県榛原町の中学生読者から投稿。"国鉄小僧"と呼ばれるほど、東京発の全特急愛称と時刻を暗記ほか。
☆季節停車~「均一周遊券」について~
☆編集後記(本文抜粋・原文のまま)
▶この度の<春のダイヤ改正>のビッグニュースは、山陰特急"まつかぜ"の博多までの延長運転でしょう。これは山陰線全区間を通る初めての特急出現で、山陰地区と北九州地区との距離が一段とせばめられたわけです。山陰周遊のついでに少々足を伸ばせば、北九州観光も、という至便さはダイヤ改正のもたらした最大のサービスとして歓迎されるに違いありません。
▶陽春4月の訪れは、にわかに旅行者が多くなるのが毎年の例です。そして混雑の緩和と旅行の便宜をはかるため、各地に運転される臨時列車をとじ込み付録にしました。せいぜいご利用願えれば幸いです。
▶特に今月号は陽春にふさわしい表紙を作りたいといろいろ考えてみました。特急"つばさ"のウェイトレス進藤栄子嬢に多忙な勤務の余暇をご協力いただいたものです。温厚な人柄がやわらかいムードを作り上げるのに、充分役を買ってくださったと感謝しております。(佐藤)

国鉄の営業案内

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