JTB時刻表を集める「哲」のサイト 哲×鉄

時刻表と旅をする。近くに、遠くに。過去へ、未来へ。

1964年7月号

JTB時刻表1964.7

通巻第461号
表紙:ウグイス色の電車(池袋電車区)【撮影:山本明氏】
    お客さんにはまだなじみがうすいウグイス色の電車。すでに中央線や大阪環状線に走っている通勤電車と同じ型である。
    ゆくゆくは中央線はレンガ色、総武線はカナリア色、山手線はウグイス色と識別の色分けをするらしい。都心もビルの林立でカラフルになり、国電も都会にマッチしなければならない時代になって来たようだ。池袋電車くで撮影。(本文から抜粋)
頁数:680
価格:150円
参考:国鉄初乗区間2等10円、1等20円。
    東京~大阪:3930円(特別急行1等)、1980円(特別急行2等)
    東京~伊丹(航空機):6000円
当時の出来事(昭和39年7月):外務省がパスポート発給業務を都道府県に移管(7/1)。名神高速道路、尼崎~栗東間開通(7/15)

読みどころ:

国鉄関連~今月のお知らせ~

①便利な夏の臨時列車ご案内(6~9月)
 東北・高崎・常磐線列車の大宮、赤羽、日暮里打ち切り、下り列車始発駅の変更
 上野駅の混雑緩和をはかるため、8月11日~13日に限り、上り上野着が19時以降となる東北本線、高崎線列車は大宮または赤羽発着、常磐線は日暮里発着となります。また、19時以降上野発の東北本線・高崎線の近距離列車は大宮始発となり、注意を呼び掛け。
②特急・急行・準急列車一覧表(特急は全国で24列車しかない)
③新駅開業:若狭有田、小浜線(上中~大鳥羽間)
④見やすくなったバス・私鉄線
 今月号から①全国の周遊指定地の完全収録、②全面的新組みによる新活字の使用、③新記号の採用等で一段と見やすく、使いやすくなった。
440頁から国鉄線からバス・私鉄のページになるが、「ぽいんと」「こよみ」欄が新設。また、私鉄ページに出てくる記号の説明を付されている。
※今号はバス・私鉄ページの刷新に伴い、境目に写真入り2色刷りの上質紙が挟み込まれている。
 なお、この頁の裏面は、ホテル三愛(のちの札幌パークホテル)の7/10開業広告。総工費45億円、36レーンボウリング場等の記載あり。
(本文抜粋)
この時刻表には…
☆旅行者に必要なバス・私鉄の時刻が完全に収録されています。
☆北海道から九州まで全国の周遊指定地が100%掲載されました。
☆内容改善で時刻表が一段と見やすくわかりやすくなりました。

お楽しみページ

①オールスターメンバー早くも決まる?!
 夢の球宴、プロ野球オールスター戦に出場できる栄えある選手がファン投票でシノギをけずる最中、時刻表がセ・パ両チームのベストメンバーを選出。そして、その出場選手・監督名の所属する線名をクイズとしている。
②時刻表パズル
③読者投稿の「列車名あそび」

航空関連(時刻表掲載の航空会社と主な営業路線)

今号から掲載順番が大手航空会社からとなった。
①日本航空:東京~札幌、大阪、福岡、沖縄を結ぶ幹線
②全日本空輸:東京を中心に全国の地方空港を結ぶ路線(大島、八丈島を含む)
③中日本航空:名古屋・大阪~金沢・富山 ※大阪~名古屋50分、1,900円
④関汽エアーラインズ(ヘリコプター):大分~別府~阿蘇~熊本
⑤日本国内航空
 (旧北日本航空路線):道内路線(利尻~稚内は冬期運休中)、札幌~八戸~東京、札幌~函館~秋田
 (旧日東航空路線):大阪~徳島・高知・新居浜・別府・白浜・串本・志摩・名古屋
 (旧富士航空路線):佐渡~新潟、東京~大分・鹿児島、鹿児島~種子島
⑥東亜航空:広島~松山・高知・大分・米子・防府・北九州、鹿児島離島路線など
 

会社線(私鉄・バス・船舶・その他)

長距離急行バス案内(一部抜粋)※距離、運賃、所要時間は最終目的地までのもの
今号から見開き2頁となり、とても見やすくなった。掲載順も変更となった。
①東京~会津若松(東北急行バス)800円、7時間35分。同~山形930円、10時間。
②新橋~日立(常盤急行バス)400円、4時間15分
③東京~渋川・伊香保(東武)350円、4時間25分
④東京~前橋・水上・谷川岳(東武)470円、6時間10分
⑤東京~横浜・小田原・箱根町(箱根登山鉄道)350円、4時間30分
 同上区間(国際自動車)350円、4時間30分
⑥東京~横浜・江の島・小涌園(藤田観光バス)450円、3時間30分
⑦東京~江の島(京浜急行バス)180円、2時間00分
⑧渋谷~軽井沢・長野(東急)230.0㎞、700円、7時間 ※善光寺号・信濃路号⑨上野~湯田中・丸池(長野電鉄) 935円(冬季950円)※下り:奥信濃号・志賀高原号、上り:武蔵野号・千代田号
⑨西武新宿~軽井沢・鬼押し出し(西武)176.2㎞ 600円、5時間20分 ※第1・2あさま号
ほか
 

【巻頭特集】

2時間でわかる交通の知識~交通博物館(東京)・交通科学館(大阪)めぐり~

(以下本文抜粋)
交通博物館の正面玄関をはいると、三階までふきぬけの広い部屋がある。蒸気機関車の実物がでんとかまえ、上には、日本で最初に飛んだ飛行機アンリ・ファルマン機が天井からぶら下がっている。順路にしたがってひと通り歩くと、たちまち博識になれるようにできているのはさすが…

巻頭7頁を写真で紹介し、信号機展示室をご見学される皇太子殿下と浩宮さまの写真も掲載。

見開き2頁:交通科学館(大阪)めぐり、交通博物館(東京)めぐりと題し、両館の特長や行き方を紹介。
 

哲×鉄が選んだ「広告シリーズ」

 

国鉄の営業案内

 

国鉄写真ニュース~楽なご旅行に臨時列車を 旅なれた人は臨時列車で お盆の時期をさけ旅行いたします~

夏の臨時列車 9月30日までフル運転
(本文抜粋)
▶海、山へのご旅行や、お盆のご帰省には、比較的すいている臨時列車をご利用ください。臨時列車でもお盆の時期はたいへんこみますが、7月・9月は比較的楽にご旅行ができます。
▶今年新設された臨時列車としては、例えば東京中心では北海道旅行に「臨時八甲田」、東北観光には、「第2十和田」、「臨時陸中」、蔵王登山に「第2ざおう」、北アルプスに「第2上高地」、大阪から北陸方面には「ゆのはな」、「臨時立山」等があり、昨年に対する臨時列車の増加率は121%になっております。
※詳細は付録参照のほか、駅・案内所等へどうぞ
 

特急・急行・準急列車早わかり

特急列車は24本。うち特急寝台列車は「さくら」「みずほ」「あさかぜ」「はやぶさ」の4本。

 

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ビュッフェ №12

☆ビュッフェ
兵庫県朝来郡山東町の男性読者から投稿。時刻表を戦前から毎月愛読しているとのこと。5月号でアンケートがあったので進言したくペンを執った。昭和12年から毎月購読し、保存。国鉄福知山管理局のモニターや旅行専門委員もされている。交通公社時刻表の内容の充実、正確さはすばらしいとのこと。この御方は、北近畿鉄道友の会前会長の故藤尾忠雄氏。
☆季節停車~天王寺-熊野市間の運賃計算について質問~
旅客運賃は実際に乗車するキロ数によって計算するが、例外となる「特定区間」について説明。
☆編集後記(本文抜粋・原文のまま)
▶うっとおしい梅雨も明けて、ギラギラ輝く太陽のシーズンがやって来ると、海へ、山へと繰り出すのは例年のことです。そこで、きわめてすいている列車でお出かけ願おうと、サービスに準備されたのが、たくさんの夏の臨時列車です。特に今年からデビューする便利な急行・準急も各線にあって、楽に、たのしく旅をするには、まず臨時列車に限るというところです。
▶全国の周遊指定地の全面掲載と旅行に必要な時刻の完全収録とを主眼に、「バス・社線を見やすく」する研究を重ねて来ましたが、本号からこれを断行しました。
全頁にわたって新しく組み替えたり、分かりやすい記号の使用などで、北海道から九州に至るまで、特に観光地めぐりには一段と便利さが加わったものと、いささか自負している次第です。広くご高評をお待ちしております。(佐藤)