JTB時刻表を集める「哲」のサイト 哲×鉄

時刻表と旅をする。近くに、遠くに。過去へ、未来へ。

1964年10月号

JTB時刻表1964.10

通巻第464号
全国ダイヤ大改正号
☆新幹線開業
☆各線電化
☆特急増発
表紙:夢の超特急の横顔 【撮影:山本明氏】
    東京~大阪を4時間で突っ走る夢の超特急の横顔、このダイナミックな前頭部!これこそ日本の科学と技
    術の粋をつくし21世紀を開く自信に満ちた表情です。(本文から抜粋)
頁数:680
価格:150円
参考:国鉄初乗区間2等10円、1等20円。
    東京~新大阪(超特急ひかり号):5030円(1等)、2480円(2等) ※所要時間:4時間
    東京~新大阪(特急こだま号):4590円(1等)、2280円(2等)   ※所用時間:5時間

    東京~大阪:3030円(急行座席指定1等)、1580円(急行座席指定2等) ※所要時間:7時間30分前後
    東京~伊丹(航空機):6000円
当時の出来事(昭和39年10月):10/3日本武道館開館。10/10アジア初となる東京オリンピック開催。
 

読みどころ:

国鉄関連(今月のお知らせ)


10/1から全国ダイヤ改正が行われます
(以下本文抜粋)
待望の東海道新幹線の営業開始、山陽線は下関までの全線電化、北陸線富山まで、中央線は上諏訪までの電化完成を機会に、全国ダイヤ改正が10月1日から行われます。
東京と大阪とを4時間または5時間で結ぶ超特急"ひかり"特急"こだま"の快適なスピードは、商用にもレジャーにも、日帰り旅行が楽しめるようになりました。
東海道・山陽・九州線、北陸・東北・奥羽線、北海道線関係にはそれぞれ特急列車の増発運転が行われるほか、各線区にわたって普通急行、準急列車の新設、運転区間の延長等が行われます。このため皆さまのご旅行は、より一層便利になりました。
新設される超特急・特急のうち、主なものは次のとおりです。
☆東海道新幹線
 ▶運転本数:東京-新大阪間直通、超特急"ひかり"13往復、特急"こだま"13往復、他に区間特急4往復※新幹線時刻表は41頁をご覧ください。
☆東海道・山陽・九州
 ▶東京-大分間、新大阪から下関、博多、熊本、大分間にそれぞれ1往復新設
☆東北・奥羽・北海道線
 ▶上野-青森間、上野-山形間、函館-網走・釧路間にそれぞれ1往復新設
☆東海道・北陸線(12月から運転予定)
 ▶大阪-富山間、名古屋-富山間(米原経由)にそれぞれ1往復新設
☆新しくできた線・駅
 9/21から能登線(松波から蛸島まで9駅新設):松波-恋路(臨時乗降場)-鵜島-南黒丸-能登鵜飼-上戸-珠洲飯田-珠洲-正院-蛸島
☆10/1から総武本線:飯倉駅(横芝-八日市場間)
     予讃本線:串駅(下灘-嘉多灘間)、市坪駅(松山-北伊予間)
     土讃本線:波川駅(伊野-日下間)、円行寺口駅(入明-旭間)
     牟岐線:西原駅(羽ノ浦-阿波中島間)

新幹線のページ(41~48頁)

☆新幹線運賃・料金表
☆新幹線時刻表(含む九州方面接続列車)、新幹線の座席案内
☆新幹線主要駅案内図(東京・名古屋・京都・新大阪)
☆新幹線の営業案内

航空関連(時刻表掲載の航空会社と主な営業路線)

前々号から掲載順番が大手航空会社からとなった。
①日本航空:東京~札幌、大阪、福岡、沖縄を結ぶ幹線
②全日本空輸:東京を中心に全国の地方空港を結ぶ路線(大島、八丈島を含む)
③中日本航空:名古屋・大阪~金沢・富山 ※大阪~名古屋50分、1,900円
④関汽エアーラインズ(ヘリコプター):大分~別府~阿蘇~熊本
⑤日本国内航空
 (旧北日本航空路線):道内路線(利尻~稚内は冬期運休中)、札幌~八戸~東京、札幌~函館~秋田
 (旧日東航空路線):大阪~徳島・高知・新居浜・別府・白浜・串本・志摩・名古屋
 (旧富士航空路線):佐渡~新潟、東京~大分・鹿児島、鹿児島~種子島
⑥東亜航空:広島~松山・高知・大分・米子・防府・北九州、鹿児島離島路線など
 

会社線(私鉄・バス・船舶・その他)

長距離急行バス案内(一部抜粋)※距離、運賃、所要時間は最終目的地までのもの
前々号から見開き2頁となり、とても見やすくなった。掲載順も変更となった。
①東京~会津若松(東北急行バス)800円、7時間35分。同~山形930円、10時間。
②新橋~日立(常盤急行バス)400円、4時間15分
③東京~渋川・伊香保(東武)350円、4時間25分
④東京~前橋・水上・谷川岳(東武)470円、6時間10分
⑤東京~横浜・小田原・箱根町(箱根登山鉄道)350円、4時間30分
 同上区間(国際自動車)350円、4時間30分
⑥東京~横浜・江の島・小涌園(藤田観光バス)450円、3時間30分
⑦東京~江の島(京浜急行バス)180円、2時間00分
⑧渋谷~軽井沢・長野(東急)230.0㎞、700円、7時間 ※善光寺号・信濃路号⑨上野~湯田中・丸池(長野電鉄) 935円(冬季950円)※下り:奥信濃号・志賀高原号、上り:武蔵野号・千代田号
⑨西武新宿~軽井沢・鬼押し出し(西武)176.2㎞ 600円、5時間20分 ※第1・2あさま号
ほか
 

【巻頭特集】

いよいよ世界一登場~夢の超特急のすべて~

(本文抜粋)
"弾丸列車"の夢から現実の超特急まで、その道のりは予想外に短かかった。その間、用地買収などいろいろな難関があったけれども、フランスの超特急がもつ世界記録、時速160キロを着工4年目にして軽く破った。そしていま東京と大阪を4時間で結ぶ超特急はもはや夢ではなく、現実化され、翼のないジェット機として新しく世界の歴史を刻みはじめた。(写真:東京駅新幹線ホームのゼロキロポスト)

汽笛一声新橋を…そんな歌がまだ終わらないうちに、超特急は、もう都心のビル街を通り抜け、多摩川の鉄橋をあっという間に渡って新横浜。沿線で見送る人の顔かたちなんかとても判別できない。
(写真:有楽町付近の新幹線と高速道路)

時速200キロ、とにかくすごい列車が走り出したものだ。景色はめまぐるしく映り変わり、30分そこそこで早やくも、みかん畑をかすめている。ただこの辺は、トンネルや鉄橋が多いので、じっくり太平洋を眺めているひまがないのが、残念。(写真:早川~根府川間のみかん畑を走る新幹線)

翼のないジェット機(写真:見開きで疾走する新幹線実験車両)

東京からいで湯の都、熱海まで1時間、伊豆の温泉郷もずいぶん近くなったものだ。もちろん通勤通学も可能。(写真:熱海の温泉街を見下ろす新幹線)

名古屋から岐阜羽島、米原と、野や川や山を真一文字につっ走った新幹線が急に趣きを変えるとそこは日本のふるさと京都である(写真:京都市街を走る新幹線)

新幹線で使った鉄材は、東京タワーの百個分、セメント袋を並べると地球を半周する。まさしく大工事だった。しかし国鉄の長い歴史のなかで積み重ねられてきた努力が、いまはじめて報われる時が来たのでる。(写真:富士川鉄橋を渡る新幹線)

ブルーとアイボリーホワイトのツートンカラーが、静かに終着駅の新大阪に着いた。じっと見守る関係者の陽焼けした顔、顔、その胸の奥で、どんな感動が波打っているのだろうか。


写真で清水寺、金閣寺、銀閣寺、竜安寺石庭、大原寂光院を掲載。

ホームで買える名産と弁当~その3回 東北・常磐線の巻~

資料(見開き2頁):上野から青森までのイラスト入り沿線図で名産品と駅弁を料金も紹介
大宮:盆栽ずし150円
水戸:梅酒200円
盛岡:小岩井バター200円
青森:帆立かまめし150円
ほか

国鉄写真ニュース~開業近づく新幹線~

世界の技術者を驚かせた新幹線の安全性
(本文抜粋)
☆新幹線は、事故のもとになる踏み切りはなくすべて立体交差。それにたとえ線路に邪魔物が入っても、軽くふっとばすだけの鉄板が前頭のスカートについている。
☆信号は電子信号によって自動化されて、赤になれば列車は自然と停車するようになっている(ATC自動列車制御装置)
☆全部の列車の動きが画にかいたようにわかる装置があるので、衝突事故は100%避けられる。(CTC列車集中制御装置)
☆それでは、新幹線を動かしたり停まらせたりするのはみな機械かといえば、やはり運転士がいないとどうにもならない。どこでブレーキをかけたらよいかは機械がこっそり教えてくれるけれども、実際にブレーキをかけるのは人間の手であり能力でもある。
 

国鉄駅名早わかり

前号まで「特急・急行・準急列車早わかり」の掲載頁を一新し、国鉄線の全駅を五十音順に毎号掲載。掲載頁も付されている。

哲×鉄が選んだ「広告シリーズ」

ビュッフェ №15

☆ビュッフェ
東京都台東区の男性読者から投稿。(本文抜粋)
超特急"夢の試乗記"
いよいよ待望の「夢の超特急」の登場です。アイボリーホワイトとブルーのフレッシュな車体が、時速200キロという驚異のスピードで、その英姿をあらわしました。
この晴れ姿を、私たちは胸おどる思いで迎えるのです。まさに「陸のジェット機」、世界に冠たる偉業でしょう。いつか私は時速200キロの車窓にある自分を想像します。デラックスなムードをかもし出す車内。自分の脈はくと同じぐらいの間隔で流れ行く電柱。広々として横ゆれのない床を踏みしめてビュッフェへ。レールファンとしてこれ以上の満足があるでしょうか?猛暑のさ中、汗を流してダイヤ改正作業に専念されている皆さん、交通公社の時刻表ファンとして、より充実された10月号が」1日も早く出版されることを待ち望んでいます。
☆季節停車~連続乗車券について~
☆編集後記(本文抜粋・原文のまま)
▶東京-大阪間が4時間で行き来できる…。10年前、いやこの間まで夢としか考えられなかった話がついに実現です。正確な列車の運行は各国の驚異の的になっているが、またしも新幹線の完成で鉄道技術陣の勝利が世界に誇示できることに、私達編集者も、職業上のある種の共通性から、他人事に思えない誇りを持つものです。
▶従来でも"第1こだま"で行って、"第2こだま"で帰る大阪までの日帰り旅行はできたわけだが、"ひかり"の登場は往復では、なんと5時間の時間短縮となり、これでほんとうの日帰り旅行ができるようになりました。飛行機ならでは考えられなかったことです。
▶特集グラビア写真に時速200キロの偉容を「翼のないジェット機」と表現したゆえんも、この辺にあるわけです。新幹線開業と同時に山陽・九州・北陸・中央線等の電化、各線区に新たな特急の増発に伴うダイヤ改正は、時刻表編集面において、予想以上の苦労の連続でした。印刷インクの臭いも新しい大改正号を手にした今、真夏の苦闘も一つの想い出にすぎないものとなるから不思議です。胸中に去来するものは快適な旅行を楽しむ時刻表利用者のイメージだけです。(佐藤)

国鉄の営業案内

読者のページ (今回はお休み)