JTB時刻表を集める「哲」のサイト 哲×鉄

時刻表と旅をする。近くに、遠くに。過去へ、未来へ。

1965年3月号

JTB時刻表1965.3

通巻第469号
表紙:京都で一番高い塔と新幹線 【撮影:波多野健一氏】
   京都の塔の中で一番高いのがこの東寺の塔。今までの東海道線からでは見えかくれしていた塔も、高
   架の新幹線ができてからは、この眺めもいっそう素晴らしくなり、いかにも京都らしい雰囲気を楽しむこ
   とができる。(本文から抜粋)
頁数:680
価格:150円
参考:国鉄初乗区間2等10円、1等20円。
    東京~新大阪(超特急ひかり号):5030円(1等)、2480円(2等) ※所要時間:4時間
    東京~新大阪(特急こだま号):4590円(1等)、2280円(2等)   ※所用時間:5時間
    東京~大阪:3030円(急行座席指定1等)、1580円(急行座席指定2等) ※所要時間:7時間30分前後
    東京~伊丹(航空機):6000円(ジェット便は、運賃に特別料金+1000円)
当時の出来事(昭和40年3月):愛知県犬山市に博物館明治村が開村

読みどころ:春のダイヤ改正

国鉄関連~気動車や電車の車両が大量に落成~

①3/1~関西・紀勢線に初の特急誕生
 名古屋~天王寺間(関西・紀勢線経由)に、気動車特急”くろしお”1往復
 名古屋~東和歌山間(関西・阪和線経由)に、気動車準急”あすか”1往復
②3/25~上越線に電車特急”とき”が1往復増加
③新しくできた駅
 山野線(2/11~)郡山八幡駅(山野~薩摩大口間)
④改称される駅
 紀勢本線:紀伊湯浅→湯浅、白浜口→白浜、紀伊椿→椿
 阪和線:金岡→堺市

国鉄駅名早わかり(46~53頁)

 

新幹線のページ(54~61頁)

☆新幹線運賃・料金表
☆新幹線の営業案内
☆新幹線時刻表(含む九州方面接続列車)、新幹線の座席案内
☆新幹線主要駅案内図(東京・名古屋・京都・新大阪)

航空関連(時刻表掲載の航空会社と主な営業路線)

①日本航空:東京~札幌、大阪、福岡、沖縄を結ぶ幹線
 (深夜割引便)オーロラ号:東京0100発~札幌0310着/0400発~東京0600着、片道9,100円。
 (同上)ムーンライト号下り:東京0140発~伊丹0300着/0330発~福岡0500着
     ムーンライト号上り:福岡0100発~伊丹0225着/0250発~東京0405着
     ムーンライト号運賃:東京~大阪・大阪~福岡、各片道4,200円。東京~福岡8,400円。
②全日本空輸:東京を中心に全国の地方空港を結ぶ路線(大島、八丈島を含む)
③中日本航空:定期航空運送部門を全日本空輸へ譲渡。(※1965年2月)
④関汽エアーラインズ(ヘリコプター):大分~別府~阿蘇~熊本(※1964年8月から運航中止)
⑤日本国内航空
①JDA(日本国内航空)、3月1日幹線空路にジェット機就航。(札幌~東京~福岡)
 (旧北日本航空路線):道内路線、札幌~八戸~東京、札幌~函館~秋田、東京~盛岡
 (旧日東航空路線):大阪~徳島・高知・新居浜・別府、同~白浜・串本・志摩・名古屋(運休中)
 (旧富士航空路線):佐渡~新潟(運休中)、東京~大分・鹿児島、鹿児島~種子島
⑥東亜航空:広島~松山・高知・大分・米子・防府・北九州、鹿児島離島路線など

会社線(私鉄・バス・船舶・その他)

長距離急行バス案内(一部抜粋)※距離、運賃、所要時間は最終目的地までのもの
①東京~会津若松(東北急行バス)1010円、7時間35分。同~山形1220円(冬季運休)。
②新橋~日立(常盤急行バス)400円、3時間47分(最速便)
③東京~渋川・伊香保(東武)350円、4時間25分
④東京~前橋・水上・谷川岳(東武)470円、6時間10分
⑤東京~横浜・小田原・箱根町(箱根登山鉄道)350円、4時間30分
 同上区間(国際自動車)350円、4時間30分
⑥東京~横浜・江の島・小涌園(藤田観光バス)450円、3時間30分 急行デラックスバス
⑦東京~江の島(京浜急行バス)180円、2時間00分
⑧渋谷~軽井沢・長野(東急)230.0㎞、700円、7時間 ※善光寺号・信濃路号⑨上野~湯田中・丸池(長野電鉄) 935円(冬季950円)※下り:奥信濃号・志賀高原号、上り:武蔵野号・千代田号
⑨西武新宿~軽井沢・鬼押し出し(西武)176.2㎞ 600円、5時間20分 ※第1・2あさま号
⑩名古屋~新大阪・神戸(国鉄・名神高速線)650円、名古屋~新大阪:2時間10分(最速便)
⑪別府~九重~阿蘇~熊本~三角(九州国際観光バス) 780円(含急行料金50円)、5時間25分
ほか

【巻頭特集】

国立公園めぐり① ~瀬戸内海へ~

(以下本文より一部抜粋)
或る旅情 乱れとぶ紙テープ、華やかな船出。でも、知らずに瞳がうるんで、熱いものがこみあげてきたっけ…
瀬戸内海国立公園の範囲は広い。兵庫の六甲山、鷲羽山、干潮の鳴門、小豆島、四国の屋島、金毘羅、中国は宮島、別府の高崎山まで入る。
「ああ」と仕事の手を休めて吐息をつく。
「こんな喧騒な都会から離れてどこか遠いところへ行ってみたい」と…
船旅の魅力は、毎日の生活環境から解放されるところにある。ここには陸地のもろもろの煩わしい感情はない。
二人だけの世界をずっと保ち続けることもできる。

小豆島、笠岡群島高見島、大島は写真付で紹介。
大島::国鉄大島航路で15分、小松港に着く。大島は屋代島と呼ぶのが正式で、国鉄バスも走っている。写真は大島音頭を踊っている地元民。

国鉄写真ニュース

3月25日から上野~新潟間に電車特急1往復増発。
上野~新潟間の特急は2往復となり、4時間45分!
東京からも、新潟からも特急で次のように日帰りできることを紹介
東京、新潟での折り返し滞在時間は僅かだが、当時は画期的だったことだろう。
上野7:50発→新潟12:35着、新潟15:15発→上野20:00着
新潟8:30発→上野13:15着、上野16:45発→新潟21:30着

付録ページ

①スキー・スケート臨時列車(付録1~6)
②春の臨時列車(同7~11)
③今月のガイド(グラビア頁と関連):小豆島、淡路島の地図
 淡路島にも鉄道が走っていたことがわかる(淡路交通:洲本~福良、所要47分、100円)※1966年廃止
④3月の行事
⑤今月の人:ダイヤの神様「田頭守さん」
⑥愛称名ものがたり その9:九州急行「くさせんり」
⑦クイズコーナー

ホームで買える名産と弁当~その8回 鹿児島本線・長崎・佐世保線の巻~

資料(見開き2頁):上記3路線沿線のイラスト入り沿線図で名産品と駅弁を料金も紹介
門司:鯛ずし150円
小倉:鶴乃子50円、亀ノ甲せんべい100円
博多:丹前帯800円、腰帯500円、伊達巻300円から
熊本:清正公せんべい30円、朝鮮あめ100円
八代:球磨焼酎85円
川内:文旦ようかん50円
鹿児島:琉球泡盛100円、さつま漬100円
長崎:カステラ100円、べっこう細工150円
佐世保:九十九里せんべい100円
ほか

哲×鉄が選んだ「広告シリーズ」

ビュッフェ №20

☆ビュッフェ~こんな意見・あんな意見~
▶藤沢市在住、12歳の少年読者から投稿。
お小遣いの関係で毎月買う訳にはいかないが、ダイヤ改正時は買っているという。時刻表というのは便利で楽しい本であり、こんな本が150円で買えるのだから世の中もずいぶんと便利になったとのこと。

☆季節停車~新鉄道唱歌~
▶「第1白馬」及び東海道新幹線の運賃・料金計算についての質問に対し、編集部から回答。
☆編集後記(本文抜粋・原文のまま)
▶待望久しい南紀特急は、春の行楽シーズンの話題をさらいそうです。去る34年に東西の紀勢線が結ばれて以来、黒潮洗う南紀海岸を快走する特急の出現を夢みていたわけです。
▶その「くろしお」と時を同じくしてデビューしたのが、「あすか」。名古屋から古都・奈良を通って東和歌山を結ぶ。春の大和路の旅は、また「くろしお」とは別のオモムキがあるはずです。いずれも名古屋で新幹線と接続をとって、南紀・大和路の観光が、より速く、より便利になったダイヤ改正がもたらしら産物です。
▶3月1日の改正では、このほかディーゼル準急・電車準急の新設、これに伴う時刻表改正が各線に行われています。急行列車の車両増結などは、特に目に見えない輸送改善の一環でしょう。
▶かたや、関東・東北地区では、3月25日から上越特急「第2とき」の増発、3月20日からの釜石・山田線循環準急「そとやま」「五葉」それに「リアス」の新設。これまた春のダイヤ改正の話題の一つです。ひと足遅れて下旬20日から、関連線区に時刻改正が行われます。改正分を収録する4月号は、早めに発行の予定です。(佐藤常治)

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【読者ページ】