JTB時刻表を集める「哲」のサイト 哲×鉄

時刻表と旅をする。近くに、遠くに。過去へ、未来へ。

1975年3月号

JTB時刻表1975.3

通巻第589号
表紙の写真
ひかりラインを結ぶ新幹線
ゼンザブロニカF2、ニッコール90mm、絞りf16、1/125秒、エクタクロームEX使用(金子一巳)

頁数:608(今号より増ページ・企画一新)
価格:400円(今号より価格改定)

参考:国鉄初乗区間30円
    東京~新大阪:5,010円(普通車)※今号より「ひかり」・「こだま」ともに同額となる。
    東京~岡山:6,210円(普通車)
    東京~博多:8,710円(普通車)

    東京~伊丹:9,800円(ジェット運賃) 
    東京~岡山:13,400円(YS11使用便)※1日1往復 
    東京~福岡:19,500円(ジェット運賃)
            ※使用機種   B1/B2:JETボーイング727(定員129・178名)
          B3:JETボーイング737(定員115名)
          D:ダグラスDC8(定員130名)
          DC:JETダグラス8-61(定員234名)
           O :オリンピア(YS-11)定員60名
          B-747SR:ジャンボ(定員490名)
          TR:L-1011トライスター(定員306名)

当時の出来事(昭和50年3月):集団就職列車の運行終了
 

読みどころ

国鉄関連 今月のお知らせ(みどりのページ) ※四角や丸内の数字は参照頁

3月10日実施の全国ダイヤ改正のあらまし1⃣~4⃣
新幹線の博多開業を機会に、湖西線および電化された総武・成田・鹿島の各線の全面使用開始を含め、3月10日から全国的にダイヤが改正されます。(中略)
今回の改正で、岡山~博多間に新幹線電車の運転が始まるとともに、関連線区の輸送体系の改善、主要線区の特急網の整備・拡充、電車化、スピードアップなどが進められるほか、大都市圏および地方中核都市を中心とした通勤・通学列車の増発、編成強化などを含む広範囲な輸送改善が行われます。進められます。今回の改正で全国の旅客列車本数は、次表のようになります。
(表は省略)

■ゴールデンウィークの特別措置5⃣

■ダイヤ改正の移り替りご案内6⃣

■移り替り列車の運転時刻⑦~⑮

■春の臨時列車(改正前)ご案内⑯

■春の臨時列車(改正前)ご案内⑰~㉓

■記念きっぷ発売のお知らせ㉔

国鉄営業案内 今号より掲載様式が変更

【青色ページ】
指定席・寝台の席番ご案内…473
列車の編成ご案内…474~482
主要駅の構内図…483~487
記念きっぷのご案内…みどりの24ページ

【赤色ページ】
運賃・料金・営業制度のご案内(営業案内の詳細目次は489ページをご覧ください)
プッシュホンによる指定券の電話予約…509
新幹線と宿泊…510
周遊券のご案内…511~517
旅行センターのある駅…517
特急列車索引…518
線名索引…519

 

航空関連

①日本航空(JAL)、全日空(ANA)、東亜国内航空(TDA)、日本近距離航空(NKA)、南西航空(SWAL)の国内路線を掲載。
②集合時刻:出発時刻の20分前(沖縄発便は30分前)迄。
③運航機種:B727、B737、B747-SR、DC-8、DC-8-61、DC-9、L-1011(トライスター機)、YS-11が幹線の主力。
④山陽新幹線博多開業前で、大阪~広島、同~宇部間にも航空路線があったことが面白い。

会社線(私鉄・バス・船舶・その他)


 

巻頭特集(グラビア)

新幹線 東京~博多間 完成
九州にとっては、特に待望久しかった新幹線が、関門海峡を突き抜け、3月10日、筑紫路にお目見得する。これで、政治・経済・文化の各分野にわたって密接な繋りを持つ太平洋ベルト地帯が、1本の太いパイプでガッチリ結ばれたわけで、沿線各都市相互間の交流は、飛躍的に利部性が増すものと、大きい期待が寄せられている。
写真:①大宰府天満宮

九州のエル特急
エル特急というのは、運転本数が多く、発時刻が一定していて、しかもいつでも乗れる自由席がある特急のこと。九州では新幹線の博多開業時から、日豊本線に「にちりん」8往復、鹿児島本線に「有明」10往復のエル特急が誕生した。
写真:①雲仙

夏休みには 遊びにおいで
新幹線の博多開業で、今まで2日かかった所は1日に、まる1日の旅なら半日ですむようになりました。東京~博多なら、朝9時に出れば午後4時には着いてしまいます。家事用務に、同窓会に、新幹線は切っても切れない足になりました。
写真:①唐津城

いよいよ3月10日 ひかりライン-新幹線で東京~博多間が結ばれます。
新幹線博多開業で本州と九州がグンと近くなります。新幹線をビジネスや暮らしの道具として、あるいは都市間の情報のパイプとしてぞんぶんにお役立てください。

〇「ひかり」号には、4つのタイプがあります
「ひかり」号には、岡山からさき、広島と小倉にとまる博多ゆきと、岡山からさき各駅にとまる博多ゆきの2つのタイプが新しく誕生します。このほか岡山ゆき、新大阪ゆきの2つのタイプがあり、ひかり号は3月10日から4つのタイプで運転いたします。
 

3/10ダイヤ改正を目前にした山陽本線

・山陽新幹線(岡山~博多)開業直前、大阪・岡山から新幹線に接続し山陽・九州方面を結ぶ特急「つばめ」「はと」「しお
  じ」「月光」や数々の昼行・夜行急行が、時刻表本文中の山陽本線の頁を彩った最後の号。
・東京発西鹿児島行きの急行「桜島・高千穂」も最後の勇姿を紙面上で走った。両急行は門司駅で鹿児島本線経由(桜島号)と日豊本線経由(高千穂号)に分かれ西鹿児島を目指すユニークな列車

読者ページ(608頁)※今号から掲載頁変更

◆クイズコーナー
◆あの汽車 この汽車 ~3月10日ダイヤ改正のかげに~
 

編集兼発行人

松田清
 

読みどころ PARTⅡ

時刻表

①増ページ・企画一新(新幹線博多開業を機会に内容充実。見やすく使いやすくするため編集方法を大幅改善。)
②索引地図:拡大図が増えて現在の見やすい路線地図の原型ができた。
③国鉄線:新幹線、エル特急、寝台特急を本文巻頭に集めた。線区の配列改善、列車名欄の増設、営業案内の組替え
  を実施。
④会社線:地域別に収録。掲載路線、駅名などの充実を図る。

国鉄関連

①3/10全国ダイヤ大改正のあらまし
  新幹線と接続する特急網の整備(エル特急化)、急行の廃止・縮小が特徴
【新設等】
☆寝台特急「いなば」(東京~米子)、「紀伊」(東京~紀伊勝浦) ※両列車は東京~名古屋間併結
☆寝台特急「北星」(上野~盛岡)、「北陸」(上野~金沢) ※それぞれ急行からの昇格
☆特急「有明」「にちりん」、エル特急化。
☆特急「加越」(米原~金沢・富山)
☆特急「しおさい」(東京~銚子)、「あやめ」(東京~鹿島神宮)
☆気動車特急「おき」(小郡~米子・鳥取)
☆気動車特急「やくも」、エル特急化。
【廃止等】
☆寝台特急「あさかぜ」1往復:東京~博多
☆急行「桜島・高千穂」:東京~西鹿児島(鹿児島本線・日豊本線経由)
☆急行「阿蘇」:名古屋~熊本
☆気動車急行「八ヶ岳」(新宿~中込) ※気動車急行「アルプス3号」の電車化による
  当時「あずさ」「アルプス」などほぼ電車化されていた中、新宿口では貴重な気動車運用だったがこの改正で絶滅。
  改正前「アルプス3号」は糸魚川行きで、「八ヶ岳」の他に「かわぐち4号」も併結していた。なお、この改正で他線から小
  海線へ直通する急行「すわ」「のべやま」もなくなった。
 改正後の「アルプス」「たてしな」「かいじ」には、まだビュッフェを営業する列車が多数残っていた。

航空関連

①方面別に路線を掲載し見やすくなった。
②東亜国内航空、経由便も少なからず見受けられる
  ・東京~高松~福岡、東京~大分~鹿児島、岡山~松山~宮崎、名古屋~福井~小松(機材:全てYS11)
  ・東京~三沢経由~千歳(機材:DC8-61)
③南紀白浜に東京、名古屋、大阪からの路線があったのも、当時のハネムーン需要が伺える。

会社線(私鉄・バス・船舶・その他)

①長距離フェリーのページを新設
②記念スタンプ設置駅一覧を新設

【おたのしみページ】

あの汽車 この汽車 ~3月10日ダイヤ改正のかげに~(壇上完爾氏)

新幹線の博多開業により陸上交通機関で九州が日帰り可能となった。
九州と言えば車中泊が一般的で「あさかぜ」「はやぶさ」「さくら」等はその看板列車であった。
今回の改正で「つばめ」「はと」が姿を消すが、この両列車は戦後国鉄のシンボルとして多くの人から親しまれた。「つばめ」は大阪鉄道管理局、「はと」は東京鉄道管理局が担当し良きライバル同士であったという。
昭和35年春に電車化されるまでは「つばめガール」や「はとガール」が乗務しサービス合戦を繰り広げたという。

スタッフあとがき

この号から時刻表編集に携わった各スタッフのコメントが載るようになった。
各スタッフの仕事上の苦労や日常のことなど、短い文章の中に時刻表を作る皆さんの素顔が表れるコーナーとなった。

※敬称略
藤田正二、沖田文男、石野哲、新井貞吉