1996年1月、テレビ東京の人気番組「テレビチャンピオン」出場決定の連絡をいただいた。
1枚の葉書による一般公募から数回の審査(選考)を経ての本選出場に、最初は信じ難い心境であった。
当時、車掌長は28才で某専門学校のトラベル学科の教師をしていた。
温泉歴こそ8才から数え約20年あったが、入湯数は約350湯と少ない方であった。
ロケは1月下旬に行われ、新宿駅西口のスバルビル前に集合だった。
ロケバスに乗り込んだ選手は4名。
今は「温泉ソムリエ」として一躍有名人となった郡司勇チャンピオンに対し、中学校の音楽教師をしている女性、トラック運転手の男性と車掌長が挑戦者として臨む形であった。(ちなみに車掌長が最年少)
行先は群馬の四万(しま)温泉であった。
その日は宿泊のみ。
出場者4名とも和気藹々(あいあい)と食事をしながらも、お互いの知識やレベルを観察している空気が漂った。
車掌長は最年少かつ入湯数も最も少なかったので、気楽に非日常なTV関係者の動きや雰囲気を楽しんだ。
中でも競技進行役の中村有志さんのトークは、みんなを和ませ場を明るくしてくれた。
11:00競技開始。
第1ラウンドは四万温泉街を舞台に、出題の解答を求め正解の旅館まで走る内容だった。
出題は下記のとおり。
①このお土産を売っている旅館はどこ?
②この料理(お粥)を出す旅館はどこ?
③この女将さんのいる旅館はどこ?
④このスリッパを使っている旅館はどこ?
車掌長は②の問題だけわからなかったが、何とか2軒目で正解に辿り着いた。
他の3問の正解はわかったが、旅館の位置も見当がつくため、そこまでの距離に閉口した。
なぜなら、走る格好が浴衣に下駄なのだから…
(なお、女性のみハンディとして自転車が与えられた)
結果は3位で第2ラウンドへ進出。
ゴールである「河原の湯」に3位で入った瞬間はとても嬉しかった。
結局、走った距離はのべ約10㎞であった。
ロケが終わり四万温泉を後にしたのは23時頃…
そこから次の競技会場である尻焼温泉へと向かった。
積雪のため、近道が通れず宿に着いたのは午前1時を回っていた。
(ただいま停車中)