祝・全日空 B-787初営業フライト

カテゴリー:②番線:航空、船舶、バス方面 2011年10月27日 05:32

昨日、全日空が世界に先駆け、ボーイング社の最新鋭中型機「787」で、成田~香港にチャーター便を飛ばした。
B-787は、胴体などに炭素繊維複合材を使用することで軽量化に成功し、燃費効果が従来の同クラスの機種よりも2割向上し、航続距離も3~5割延ばせるという。
これは今まで大型機では採算が取れなかったような欧米の中都市へダイレクトに結ぶ可能性を示唆している。

乗り心地も快適なようである。
気圧や湿度を地上の状態に近づける機能や、エンジン音が静かとのこと。
何よりも新素材導入により機体強度が高まった結果、窓が従来よりも縦の長さが広がった。
これは機内に開放感を生み出し、実際に延びた長さ以上の心理的な快適さを得ることだろう。

この新素材導入や機体製造の各所には、日本の技術が大いに貢献している。
久々に乗り物に関する明るいニュースだと思う。
 

「駅弁細見」に心から感謝 

カテゴリー:③番線:時間旅行、時刻表方面 2011年10月23日 21:16

旅の楽しみの1つに「食べること」がある。
郷土料理はもちろん、最近ではB級グルメなど、わざわざ足を運んで食べに行きたいものも多い。

車掌長は特に、旅の途中でお目当てとする「駅弁」が楽しみである。
ユニークな発想で誕生した新しいものから、老舗の由緒あるものまで、バラエティに富んだ駅弁が全国にある。

そんな駅弁を毎月紹介していたJTB時刻表のグラビア企画「駅弁細見」が、2011年10月号を最後に消えてしまった。
今日11月号を買って所定の頁を開いても、もはやあの駅弁の香りすら漂うようなインパクトのある写真や、丁寧な取材に裏付けられた作り手の想いが伝わる調理法や、興味深い具材の紹介文が見られなくなったのは残念な限りだ。

思い振り返ればこの企画の初回が1987年4月号。
ちょうど国鉄からJRへと民営化した号が「駅弁細見」のスタートだった。
それは忘れもしない和歌山駅の「小鯛雀寿し」。
当時の車掌長にとって駅弁は贅沢な高嶺の花であったから、これだけは食べたいというものを事前に調べて味わったものだ。
だから、時刻表で駅弁の紹介が始まったことはとても嬉しかったことを覚えている。

あれから24年余、第290号までの長期連載であった。
率直に言うと、まだまだ続いてほしい素晴らしい企画であり、JTB時刻表にしかできない文化的、かつ将来はわが国の駅弁における貴重な史料的価値にもなり得る内容だと思っていた。

できれば少し間が空いても、この持ち味「続・駅弁細見」の復活を、一愛読者として願いたい。

何はともあれ、この素敵な企画を長年携わって下さった塩入志津子様に心から感謝と労いを申し上げます。
本当にどうもありがとうございました。
 

コメント(2件)

たくちゃんさんからのコメント(2011年10月25日 05:15投稿)

初めて食べた駅弁(ではないのかというご指摘もありますが)は「崎陽軒のシュウマイ」だったと記憶しています。
小学生に上がる前から、当時横浜に住んでいた叔母が、帰省のたびに買ってきてくれていたのを思い出します。
最近では、真空パックになったものが売られており、
よく行くスーパーの催事で売っていたのを買って食べましたが、
ちょっといただけない代物でした。
物好きな方は、一度どうぞ。

車掌長さんからのコメント(2011年10月25日 21:18投稿)

たくちゃん様
毎度「哲×鉄 ブログ本線」ご乗車ありがとうございます。

崎陽軒が駅弁デビューとは華々しいことです。
冷めても美味しい弁当を追求したというエピソードが有名ですが、手元にある1956年(昭31年)の時刻表を見ると、既に東海道本線の頁の下欄に特殊弁当の1つとして売価100円として掲載されています。ちなみにこの当時の時刻表も同じく100円でした。

また、シウマイ弁当には入っていませんが、シウマイ単品を買うと、「ひょうちゃん」の名で親しまれている醤油差しが付いており、ほのぼのとした気持ちにさせてくれてます。

たくちゃんさんのように、叔母様とシウマイという、その人の記憶の海からふと掬われ、いまこの時になって浮上する想い出という「時間旅行」ができることは素敵なことですネ。

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300系新幹線 来春引退

カテゴリー:①番線:鉄道(JR・私鉄)方面 2011年10月21日 05:48

今日の朝刊に「鉄仮面」来春、20歳で引退との記事があった。
鉄仮面とは300系車両の顔立ちを形容したものだが、6代目スカイラインのラジエーターグリルレスの「鉄仮面」にも雰囲気が似ていると思う。

この車両のデビューには、色々な想い出がある。
まずは「のぞみ301号」。初めて「のぞみ号」が運転された1992年3月、東京を朝一番に出るこの列車は新横浜停車後、次は終点の新大阪という列車だった。
今では考えられない光景だが、名古屋と京都を通過する唯一の列車だった。

乗り心地はあまり良くなかったが、とにかく速さの実感は直球的だった。
従来の「ひかり」の220㎞/hよりも更に50㎞/h上乗せしたスピードは、それまでの景色の流れとは明らかに違う印象を受けたことをよく覚えている。

現在の最新N700系は乗り心地は静かだが、最大の欠点は窓が小さすぎることだ。
顔を真横にしないと景色を楽しめないような感覚で、長時間眺めていると首が痛くなる。
ほとんどの乗客はパソコンの画面を見ているか、眠っているかであまり関係ない話かもしれないが…
意外にも喫煙ブースの窓は大きめでこの車両で一番眺めが良く、煙草を吸わない者には羨ましい空間だ。

車窓は鉄道旅行において大きな醍醐味だ。
0系や100系の窓は2列分の席に1枚の大きなガラスをはめ込み、ワイドで最高の眺めだった。
食堂車や2階建てグリーン車からの眺めも優雅で、さすが世界に誇れる新幹線だと思っていた。
300系に乗車できる日も残り少なくなるが、まだまだ窓の大きさには大らかさが残っている車両である。

新幹線は飛行機ではない。
特に東海道新幹線は、各地の新幹線よりも車窓の楽しみに溢れている。
飛び石等のリスクも考慮の上、現在の大きさになったのだろうが、この小窓は「負」の何かを連想させる…
そう、閉塞感だ。
無意識に視野が狭まれる、足元しか見られないような切迫感満載の現代人の余裕の無さを感じさせる。

せめて鉄道に乗って移動する「happy time」を得た時は、心の窓は大きく開き、日本や世界を広い目で見て楽しみたいものだ。
きっと仕事や私生活での新しいヒントが見つかるだろう。

最後に300系に感謝の意を表したい。
沢山の想い出をありがとう。


 

停車時間、それは「自由な時間」

カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2011年10月16日 19:22

時刻表と出逢って37年。
毎月毎月、何をそれほど飽きずに読む箇所があるのかと質問を受ける。

答えとしての読む箇所は「無限です」。
現実として、読む箇所は有限で1152ページの範囲だが、そこに想像力を加えると「無限」になる。

ところで車掌長は、時刻表で停車時間の長い列車を探すのが大好きだ。
昔に比べれば停車時間の長い列車は激減した。
しかしながら、よく探すとまだまだ存在することに安堵の想いがよぎる。

一例を紹介すると、北海道の稚内から名寄まで4326Dという列車(ディーゼルカー)が走っている。
途中、音威子府(おといねっぷ)という駅で1時間13分もの停車時間がある。
(運行上はこの駅で4328Dという列車番号に変わるが、実質は同じ列車)
この時間、あなただったらどう過ごすだろうか?

一方、新幹線や特急列車をはじめ都市近郊を走る列車の停車時間は1~2分が普通だ。

そこで気づくことが一つ。
日常の生活も、あまりに分刻みだったり、休む間もなく体や精神を酷使し過ぎていないだろうか?
人間は機械やロボットではない…
一時の無理や頑張りは可能だが、そもそも人間は慢性的な無理ができるように創られていない。
日々の生活の中にも、ホッと一息つける停車時間、つまり安息な時間が必要なのではないだろうか?
それがたとえ一日の中で30分でも良い。
煩わしいことや嫌なことから、ひととき解放される自分自身の停車時間。
これを確保することはとても大切であり、自身のバランスを保つのに有用だと経験上思う。

停車時間、それは「自由な時間」。


 

コメント(2件)

tacさんからのコメント(2011年10月18日 05:55投稿)

宗谷本線というと、ちょっと前まで走っていた「利尻」は、なくなっちゃいましたね。時代の流れといえば、それまでですが…。
僕らが北海道を訪れたのは、2006年でしたが、この年はまだ臨時列車として走っていたんですね。見ておけばよかったと、ちょっと後悔です。
1時間13分の停車時間を「時間の無駄」と感じるか、はたまた「旅のおまけ」と感じるかは人それぞれですが、後者になる余裕を持ちたいものですね。
北海道行きたいなぁ~。

車掌長さんからのコメント(2011年10月19日 05:19投稿)

tac様
このたびは「哲×鉄・ブログ本線」ご乗車ありがとうございました。
「利尻」懐かしい名列車ですね。
北の最果てを目指す夜行急行として、とても旅情がありました。稚内到着前に名峰「利尻富士」を見て感銘を受けた旅人も多かったこでしょう。
tac様が訪れた当時は、気動車と客車寝台の混合編成というユニークな運行でした。(列車番号だけを見ると気動車を意味する「D」が末尾に付いていますが、寝台車にディーゼル車とはどんな寝心地か?と一瞬楽しい妄想が湧くところです。)

日常、2~3分ごとに来る列車に乗り遅れまいと駆け込み乗車する光景を見かけますが、何がその人をそのように駆り立てるのでしょうか?
北海道の大地を大らかに走る列車に乗りたくなりますネ。

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二つの記念日

カテゴリー:①番線:鉄道(JR・私鉄)方面 2011年10月14日 05:02

明治5年(1872)の今日、新橋~横浜を日本初の鉄道が開業した。
元々この日は「鉄道記念日」であったが、JRになってからいつの間にか「鉄道の日」と称されるようになった。

一方、あまり知られていないが10月5日は「時刻表記念日」である。
明治27年(1894)のこの日、日本初の本格的な時刻表「汽車汽船旅行案内」が出版された。

どちらも車掌長にとっては自分の楽しみの起源のような非常にありがたい日だ。
両日にささやかながら祝意を表し、モーニングコーヒーで乾杯!