300系新幹線 来春引退

カテゴリー:①番線:鉄道(JR・私鉄)方面 2011年10月21日 05:48

今日の朝刊に「鉄仮面」来春、20歳で引退との記事があった。
鉄仮面とは300系車両の顔立ちを形容したものだが、6代目スカイラインのラジエーターグリルレスの「鉄仮面」にも雰囲気が似ていると思う。

この車両のデビューには、色々な想い出がある。
まずは「のぞみ301号」。初めて「のぞみ号」が運転された1992年3月、東京を朝一番に出るこの列車は新横浜停車後、次は終点の新大阪という列車だった。
今では考えられない光景だが、名古屋と京都を通過する唯一の列車だった。

乗り心地はあまり良くなかったが、とにかく速さの実感は直球的だった。
従来の「ひかり」の220㎞/hよりも更に50㎞/h上乗せしたスピードは、それまでの景色の流れとは明らかに違う印象を受けたことをよく覚えている。

現在の最新N700系は乗り心地は静かだが、最大の欠点は窓が小さすぎることだ。
顔を真横にしないと景色を楽しめないような感覚で、長時間眺めていると首が痛くなる。
ほとんどの乗客はパソコンの画面を見ているか、眠っているかであまり関係ない話かもしれないが…
意外にも喫煙ブースの窓は大きめでこの車両で一番眺めが良く、煙草を吸わない者には羨ましい空間だ。

車窓は鉄道旅行において大きな醍醐味だ。
0系や100系の窓は2列分の席に1枚の大きなガラスをはめ込み、ワイドで最高の眺めだった。
食堂車や2階建てグリーン車からの眺めも優雅で、さすが世界に誇れる新幹線だと思っていた。
300系に乗車できる日も残り少なくなるが、まだまだ窓の大きさには大らかさが残っている車両である。

新幹線は飛行機ではない。
特に東海道新幹線は、各地の新幹線よりも車窓の楽しみに溢れている。
飛び石等のリスクも考慮の上、現在の大きさになったのだろうが、この小窓は「負」の何かを連想させる…
そう、閉塞感だ。
無意識に視野が狭まれる、足元しか見られないような切迫感満載の現代人の余裕の無さを感じさせる。

せめて鉄道に乗って移動する「happy time」を得た時は、心の窓は大きく開き、日本や世界を広い目で見て楽しみたいものだ。
きっと仕事や私生活での新しいヒントが見つかるだろう。

最後に300系に感謝の意を表したい。
沢山の想い出をありがとう。


 

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