停車時間、それは「自由な時間」

カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2011年10月16日 19:22

時刻表と出逢って37年。
毎月毎月、何をそれほど飽きずに読む箇所があるのかと質問を受ける。

答えとしての読む箇所は「無限です」。
現実として、読む箇所は有限で1152ページの範囲だが、そこに想像力を加えると「無限」になる。

ところで車掌長は、時刻表で停車時間の長い列車を探すのが大好きだ。
昔に比べれば停車時間の長い列車は激減した。
しかしながら、よく探すとまだまだ存在することに安堵の想いがよぎる。

一例を紹介すると、北海道の稚内から名寄まで4326Dという列車(ディーゼルカー)が走っている。
途中、音威子府(おといねっぷ)という駅で1時間13分もの停車時間がある。
(運行上はこの駅で4328Dという列車番号に変わるが、実質は同じ列車)
この時間、あなただったらどう過ごすだろうか?

一方、新幹線や特急列車をはじめ都市近郊を走る列車の停車時間は1~2分が普通だ。

そこで気づくことが一つ。
日常の生活も、あまりに分刻みだったり、休む間もなく体や精神を酷使し過ぎていないだろうか?
人間は機械やロボットではない…
一時の無理や頑張りは可能だが、そもそも人間は慢性的な無理ができるように創られていない。
日々の生活の中にも、ホッと一息つける停車時間、つまり安息な時間が必要なのではないだろうか?
それがたとえ一日の中で30分でも良い。
煩わしいことや嫌なことから、ひととき解放される自分自身の停車時間。
これを確保することはとても大切であり、自身のバランスを保つのに有用だと経験上思う。

停車時間、それは「自由な時間」。


 

コメント(2件)

tacさんからのコメント(2011年10月18日 05:55投稿)

宗谷本線というと、ちょっと前まで走っていた「利尻」は、なくなっちゃいましたね。時代の流れといえば、それまでですが…。
僕らが北海道を訪れたのは、2006年でしたが、この年はまだ臨時列車として走っていたんですね。見ておけばよかったと、ちょっと後悔です。
1時間13分の停車時間を「時間の無駄」と感じるか、はたまた「旅のおまけ」と感じるかは人それぞれですが、後者になる余裕を持ちたいものですね。
北海道行きたいなぁ~。

車掌長さんからのコメント(2011年10月19日 05:19投稿)

tac様
このたびは「哲×鉄・ブログ本線」ご乗車ありがとうございました。
「利尻」懐かしい名列車ですね。
北の最果てを目指す夜行急行として、とても旅情がありました。稚内到着前に名峰「利尻富士」を見て感銘を受けた旅人も多かったこでしょう。
tac様が訪れた当時は、気動車と客車寝台の混合編成というユニークな運行でした。(列車番号だけを見ると気動車を意味する「D」が末尾に付いていますが、寝台車にディーゼル車とはどんな寝心地か?と一瞬楽しい妄想が湧くところです。)

日常、2~3分ごとに来る列車に乗り遅れまいと駆け込み乗車する光景を見かけますが、何がその人をそのように駆り立てるのでしょうか?
北海道の大地を大らかに走る列車に乗りたくなりますネ。

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