「駅弁細見」に心から感謝 

カテゴリー:③番線:時間旅行、時刻表方面 2011年10月23日 21:16

旅の楽しみの1つに「食べること」がある。
郷土料理はもちろん、最近ではB級グルメなど、わざわざ足を運んで食べに行きたいものも多い。

車掌長は特に、旅の途中でお目当てとする「駅弁」が楽しみである。
ユニークな発想で誕生した新しいものから、老舗の由緒あるものまで、バラエティに富んだ駅弁が全国にある。

そんな駅弁を毎月紹介していたJTB時刻表のグラビア企画「駅弁細見」が、2011年10月号を最後に消えてしまった。
今日11月号を買って所定の頁を開いても、もはやあの駅弁の香りすら漂うようなインパクトのある写真や、丁寧な取材に裏付けられた作り手の想いが伝わる調理法や、興味深い具材の紹介文が見られなくなったのは残念な限りだ。

思い振り返ればこの企画の初回が1987年4月号。
ちょうど国鉄からJRへと民営化した号が「駅弁細見」のスタートだった。
それは忘れもしない和歌山駅の「小鯛雀寿し」。
当時の車掌長にとって駅弁は贅沢な高嶺の花であったから、これだけは食べたいというものを事前に調べて味わったものだ。
だから、時刻表で駅弁の紹介が始まったことはとても嬉しかったことを覚えている。

あれから24年余、第290号までの長期連載であった。
率直に言うと、まだまだ続いてほしい素晴らしい企画であり、JTB時刻表にしかできない文化的、かつ将来はわが国の駅弁における貴重な史料的価値にもなり得る内容だと思っていた。

できれば少し間が空いても、この持ち味「続・駅弁細見」の復活を、一愛読者として願いたい。

何はともあれ、この素敵な企画を長年携わって下さった塩入志津子様に心から感謝と労いを申し上げます。
本当にどうもありがとうございました。
 

コメント(2件)

たくちゃんさんからのコメント(2011年10月25日 05:15投稿)

初めて食べた駅弁(ではないのかというご指摘もありますが)は「崎陽軒のシュウマイ」だったと記憶しています。
小学生に上がる前から、当時横浜に住んでいた叔母が、帰省のたびに買ってきてくれていたのを思い出します。
最近では、真空パックになったものが売られており、
よく行くスーパーの催事で売っていたのを買って食べましたが、
ちょっといただけない代物でした。
物好きな方は、一度どうぞ。

車掌長さんからのコメント(2011年10月25日 21:18投稿)

たくちゃん様
毎度「哲×鉄 ブログ本線」ご乗車ありがとうございます。

崎陽軒が駅弁デビューとは華々しいことです。
冷めても美味しい弁当を追求したというエピソードが有名ですが、手元にある1956年(昭31年)の時刻表を見ると、既に東海道本線の頁の下欄に特殊弁当の1つとして売価100円として掲載されています。ちなみにこの当時の時刻表も同じく100円でした。

また、シウマイ弁当には入っていませんが、シウマイ単品を買うと、「ひょうちゃん」の名で親しまれている醤油差しが付いており、ほのぼのとした気持ちにさせてくれてます。

たくちゃんさんのように、叔母様とシウマイという、その人の記憶の海からふと掬われ、いまこの時になって浮上する想い出という「時間旅行」ができることは素敵なことですネ。

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