黄昏(前略:北斗星よ永遠に)

カテゴリー:⑬番線:臨時寝台特急北斗星 2015年8月23日 09:25

本日の哲×鉄トップページにご注目いただきたい。

乗務日誌の更新情報には、「2015年8月23日、13番線、臨時寝台特急北斗星、9:25着」の表示がある。
これは、本日同刻の上野駅13番線到着をもって営業運転を終了した「北斗星」への、万感の想いを込めた記録の一助だ。

1958年、日本初のブルートレイン「あさかぜ」誕生から、わずか57年弱という短い歴史に幕を降ろしたことを無念に思う。

今後は、想い出の中を走り続ける「北斗星」として、哲×鉄ブログ本線「乗務日誌」において、臨時寝台特急として走らせ続けたい。

以下、第3話となった「黄昏」を続けたい。

(ただいま停車中)


 

ゆずの宿(哲×鉄車掌区慰安旅行)

カテゴリー:⑥番線:温泉方面 2015年8月17日 05:15

車を香美市から北川村へ向け走り始めた。

北川村と聞いて高知のどこにあるのか、わからない方も多いだろう。
ざっくりと地図上の位置で言えば、高知県東端の室戸岬の左斜め上辺り。

阪神ファンの方なら、安芸市の右斜め下辺り…と言えばわかりやすいだろうか。
安芸市は1965年から、阪神タイガースのキャンプ地として知られている。

その北川村では、車掌長のお目当てが2つあった。

1つ目は、「北川村モネの庭マルモッタン」を訪ねること。
2つ目は、「北川村温泉ゆずの宿」に泊まること。

モネの庭と言えば、本家はフランスのパリ郊外にあるジベルニー村にある「モネの家と庭」だ。
ここは、印象派絵画の巨匠"クロード・モネ"が晩年を過ごした家がそのまま残り、モネが丹精込めて手入れした庭が今も大切に継承され、モネが見た景色を味わうことができる。

そんなモネの庭が、世界にもう1つ、高知県にある。
それが「北川村モネの庭マルモッタン」だ。

門外不出の「モネの庭」の名称が、なぜ、高知県の一村に贈られることになったのか…

当初は、工業団地の誘致をするはずだったが、挫折し失敗に終わったそうだ。
そこで考えを180度転換。モネの庭造成に向け、本家ジベルニー村との交流を図ったことがきっかけだったという。

一方、「ゆずの宿」は、元々は隣の馬路(うまじ)村にある馬路温泉に泊まる予定だったが、付近を色々調べていた際に、グッと心を惹きつけられるロケーションにあることを知り、宿泊先を変更した。

そのロケーションについては後述するが、もう1つここに今夏泊まりたかったのは、8月末で一旦営業を終え、約1年かけて建て替えると知ったのも大きな理由となった。

香美市から北川村へは、約2時間とナビが所要時間を計算してくれた。
とても親切だが、なんと面白味のない便利さだろう…

普段、仕事で使ったり、わかりづらい住宅街や商業地域のようなピンポイントな目的地に辿り着くのには大変ありがたいツールだが、旅行に来てまで、時間的な拘束を指図されているようで、不愉快に思えた。

目的地への大雑把な道順は頭の中に入っている。
あとは、偶然の出会いや意外性を求めたく、ナビの案内をキャンセルした。

ナビは切っても、ダッシュボードのモニターに地図は表示される。
縮尺を思い切り広域にしたら、南東に向かっている室戸岬を目指して北上している体裁になった。

地図は「北が上」にあるのが、車掌長の常識だが、この地図を見てオーストラリアで見た世界地図を想い出した。
それは、南北が逆さまになった地図で、観光用に売られているものだが、これはこれで常識の世界観から抜け出られるような新鮮な面白さがあった。

モネの庭には、昼前に到着。
入園窓口の男性が、午後になると睡蓮が閉じてしまうので、先ず「水の庭」へと教えてくれた。

ほぼ南中となった太陽は、容赦なく頭上から照らし、全身の汗腺から汗が噴き出す感覚…
水の庭へは坂道が続いたが、木陰は随分と涼しく感じられた。

いざ、水の庭に到着すると、可憐な睡蓮を確認できた。
花が閉じつつある睡蓮もあったが、モネが夢見たという「青い睡蓮」を見ることができたのは良かった。

青い睡蓮は、モネがジベルニー村で咲かせたいと願いつつ、咲かせることができなかった花…
ジベルニー村は夏が涼しく、青い睡蓮は熱帯性のため、咲かせることができなかったそうだ。
北川村では、開園初年の夏から咲かせることができたという。

他の色の睡蓮と違うのは、花の咲く位置が高いこと。
茎が真っ直ぐ伸びた先に、凛として咲く一輪の青い睡蓮は、エーデルワイスを連想する。

エーデルワイスは「気高き白」という意味で、オーストリアの国花である。
高山植物なので街中には存在せず、危険な崖下などに自生するそうだ。

そんな花を愛の証明として、命懸けで採取し女性に捧げるというエピソードもあり、オーストリアではプロポーズに贈る花として男性の人気アイテムでもあるとのこと。

青い睡蓮は平地の水辺に咲くが、その凛とした姿に不思議な気高さを感じるのは共通だ。

猛暑の中、その気高き青い花は一服の清涼感を与えてくれたが、さすがに車掌見習も暑さに嫌気がさしたか不機嫌になり、涼を求めてレストランへ向かった。

食後、同じ敷地にあるパビリオンという施設で、「魚梁瀬森林鉄道ジオラマ展」が開催されていることを知り、立ち寄った。
館内は冷房が効いて、木製の森林鉄道を模したレイアウトがあり、車掌見習がすぐに遊び始めた。

館内にはこの地域で昭和30年代まで活躍した森林鉄道を紹介。
パネル展示や貴重なビデオを上映しており、車掌長もそれらに食いついてしまった。
なぜなら、この森林鉄道こそが、北川村で泊る大きな理由だったからだ。

一通りの展示を見たところで、パビリオンを後にした。
いよいよ、ゆずの宿に向かうが、途中で工事の為、30分ほどの時間通行止めに出くわした。
こればかりは仕方ない。聞くところによると、昨年の台風被害の復旧とのこと。

さて、これ以降の話は、温泉達人会が毎秋発行する会報9号をご覧いただきたい。
車掌長も毎年拙稿しているが、今年は「ゆずの宿」を紹介している。
子連れで楽しむ温泉の紹介も、これで3年目となる。

発行及び販売時期、購入可能書店については、追って哲×鉄でご案内したい。
 

アンパンマン三昧(哲×鉄車掌区慰安旅行)

カテゴリー:⑤番線:feel the season方面 2015年8月14日 15:19

16時過ぎ、ピースフルセレネに到着。

玄関の自動ドアが開くや否や、車掌見習はフロントに駆け寄った。
そこには、自分よりも大きなアンパンマンのぬいぐるみが座っていたからだ。

フロントでチェックインする際、龍馬パスポートを提示したら、予約した宿泊料金から更に10%引きとなった。
しかも、支払の一部は高知家プレミアム旅行券の宿泊券2枚(5,000円×2名分)を充当。
かなりお得に宿泊できたことになる。

今日は朝から、車掌見習にとってサプライズの連続だが、フィナーレは「アンパンマンルーム」!
部屋に入ると、ベッドのヘッドボードから寝具、カーペットに至るまで、アンパンマンと仲間たちがお出迎えしてくれた。

車掌見習はそれら1つ1つを見て楽しみながら、ニコニコしてくれた。
その満面の笑みで車掌長の疲れも吹き飛び、時間をかけて準備した手配も報われる想いがした。

そういえば、神戸のアンパンマンミュージアムとタイアップして、ホテルオークラ神戸にもアンパンマンルームがあるが、こちらは元スィートルームがベースになっており、居住空間に優れているだけでなくミュージアムの続きのようなインテリアも話題を呼んでいるそうだが、哲×鉄車掌区には敷居が高い値段であった。

車掌長と専務車掌は、ここでプシュッ!と乾杯。

汗もひき、喉も潤ったところで、夕食前にホテル周辺を三人で散歩した。
嬉しいことにホテル前には、アンパンマンの遊具が揃う公園があり、恰好の遊び場となった。

夏の高知は6時近くでも陽がまだまだ高いが、里山は都市部と違って、風が涼しく感じられた。

明朝訪れるアンパンマンミュージアムも、散歩のついでに下見を済ませた。
夕食の時間まで、フロントで時間を潰していたら、アンパンマングッズが沢山売られていた。

もともと、ここで何か車掌見習に買ってあげようと思っていたが、東京でも買えるものは避けたかった。
車掌見習が何を手にし選ぶか、興味津々で眺めていたら、今日乗ったアンパンマン列車のダイキャストモデルを持ち始めた。

子供向けとはいえ、なかなか精巧にできていて、これなら車掌長も一発OK!
2,000円近かったが、高知家プレミアム観光券を500円×4枚使い、全額分を賄えた。
う~ん…これは気が大きくなってしまいそうだ…と、今後は気を引き締めることにした。

夕食後、車掌見習をサッサと寝かしつけ、専務車掌と2次会。
車掌長も朝早くから動きっぱなしで、ビールとチューハイを飲んだら沈んでしまった。

翌朝、5時前に目が覚めた。
旅行中も先ず新聞とコーヒーを嗜みたい習慣は乱さず、ホテルを出て徒歩5分ほどのコンビニへ向かった。

日の出前だが、外は十分に明るく、空気も少しヒンヤリして何とも清々しく、思わず両手を広げ深呼吸…里山独特な朝の匂いも、久々に嗅覚をくすぐられた。

新聞と缶コーヒーを買い、部屋に戻って窓側に座り、外の明るさだけで新聞を読み始めた。

やがて、6時前になって車掌見習が起き出した。
よく眠れたらしく上機嫌で、カーペットのアンパンマンたちにもお辞儀をして挨拶をしていた。

朝食前に車掌見習と二人で、昨夕遊んだ公園へ向かった。
遊具はまだ朝露に濡れていたが、車掌見習はお構いない様子であった。
陽も山々の上から顔を出し始め、今日も暑くなりそうな予感…

朝食後、アンパンマンミュージアムの9時開館に合わせ、チェックアウト。
徒歩30秒ほどで到着し、今日一番目の来館者となった。

これだけでピースフルセレネに泊まった価値があることを実感した。
しかも、宿泊者には入館券も特典としてサービスされた。

入館後、まず地下1階に降りて「アンパンマンワールド」でひたすら遊んだ。

誰もいない空間で、車掌見習は思う存分遊んだ。
パン工場でパンを焼くマネをしたり、アンパンマンの話す声を電話で聞いたり…

また、アンパンマンたちが暮らす街を再現したジオラマを見ては、お気に入りのキャラクターを見つけては興奮していた。
車掌見習は、アンパンマンが大好きだが、他にはドキンちゃんとホラーマン、長ねぎマンも大好きのようだ。

やがて、某旅行会社の観光バスが到着したようで、団体が押し寄せてきた。
車掌見習はまだ遊びたがっていたが、最上階4Fのやなせたかしギャラリーへ向かった。

フロアに入ると、大きな額縁に入ったタブロー画が、壁いっぱいに幾つも掲げられていて圧巻…
車掌見習の背丈の3~4倍はあろうか…
車掌見習は言葉にならない声を張り上げ、大好きなドキンちゃんに駆け寄った。

この光景を目にして車掌長は、おおげさかもしれないが、パリのルーブル美術館を訪れた時のことを思い出した。

それまで学校の美術室や本でしかみたことのなかった絵が、実物はこんなに大きかったのか…と。
そして、実物から伝わる作者の息吹というか、森に入って感じる畏敬の念に近いものに、我身が襲われた時のことを思い出した。

車掌見習にも、記憶の潜在でも、無意識でも、背丈以上の大好きなキャラクターたちから、何か特別なものを享受されたなら幸いだ。

1階に降りると、次々と来館者が押し寄せ、受付周りはごった返していた。

車掌長自身としてはもう少し、「やなせたかしさんの世界観」に触れられるような作品や展示物(資料)を見たかったが、それはまた次回のお楽しみとしよう。

おそらく、次回車掌見習と来館した際は、今日見せてくれた純粋無垢に喜ぶ姿は、もう目にできないかもしれない…
そう思えば、今夏まさにマイアンパンマンブームが「旬」の時に訪れて正解だったと、つくづく思った。

これで昨日からのアンパンマン三昧は、一通り終了。
車掌見習には満足してもらえたようで、まず「子どもの部」は成功裡に終えることができた。

これからは、高知観光「大人の部」にステージを移す。

館外に一歩踏み出ると、猛暑の熱い空気が身に纏(まと)わりついた。

とても熱い日差しだったが、やなせたかしさん作詞の「手のひらを太陽に」を思い出し、日差しを遮るように手を太陽に翳(かざ)してみた。

♪まっかに流れる ぼくの血潮(ちしお)と、歌ってみた…

気のせいだろうか、不思議なパワーをもらった気分になった。

それにしても、2015夏は記憶に残る酷暑だ。
 

龍馬旅券を受領(哲×鉄車掌区慰安旅行)

カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2015年8月11日 06:20

高知駅到着後、駅前にある高知観光情報発信館「とさてらす」に向かった。

目的は6月に購入した「高知家プレミアム旅行券」を、「観光券」に引き換えること。
この旅行券は、国が地方創生の目玉として、国の予算で各自治体を訪れる観光客の呼び込みと、実際に宿泊、観光、飲食してもらう消費活動を金銭的に助成するもの。

具体的に高知県の場合は、10,000円分の旅行券(宿泊5,000円分、観光5,000円分)を、半額の5,000円で買えるから、ズバ抜けておトクだ。

今回の哲×鉄車掌区慰安旅行に当てはめると、高知県内で大人2名が3泊するので、このプレミアム旅行券を1人3枚、計6枚購入し、総額30,000円をコンビニで事前購入した。

この旅行券は前述の通り、宿泊券と観光券が5,000円ずつセットされ1枚という構成なので、6枚購入すると、支払った額は30,000円だが、高知県で使える金額は60,000円という、錬金術のような手品のようなプレミアム分を享受できる。

「とさてらす」でいざ観光券を受け取ると、500円券が10枚で1冊になっており、支払金額に応じて1枚1枚切り取って現金同様に使用できる体裁であった。

なんとも、アナログ式だが、それが今回6冊(500円券60枚)ともなると、とても使い甲斐のある有難さを実感…
高知らしい「豪快さ」を味わった。

とかく軽薄な今の世の中、1枚のICカードで使用金額だけが差し引かれたり、リライト式のチャチなカードが書き換えられるような味気なさは皆無であった。

ところで、この「とさてらす」では、「龍馬パスポート」なるものの申請を勧められた。
高知県内を観光する際、「とにかくおトクです!」という言葉に魅せられ、二つ返事で申請をお願いした。

書類記入から発行まで10分ほどかかったが、手にした「龍馬旅券」は日本国パスポートを模した形式で、作りもなかなかしっかりしていた。

また、表紙の次の頁には、こんな文言が書かれてあった。
"本龍馬旅券所持人を、高知家で支障なく旅行させ、かつ、同人に旅行先での特典を与えられるよう、関係機関に要請します"…とあり、県知事である尾崎正直氏の署名がなされてあった。

本来の日本国旅券において、外務大臣が邦人の保護扶助を関係所官に要請した文言を、高知県知事がこんなにもユニークに、県内での観光を盛り上げることに一役買って出るのは、とても素晴らしいと思った。
(余談だが、尾崎知事は車掌長と同学年であることも知り、一方的に親近感を抱いてしまった)

さらに説明を聞くと、最初は青色で、県内で宿泊・飲食・観光・交通機関等を利用すると、各施設独自のスタンプを押してもらえ、その押印数によって、「龍馬パスポート」も色が変わる切替発行がなされ、グレードアップしてゆくとのこと…

車掌長は、「これはヤバい…」と直感した。
なぜなら、このシステムは収集心をくすぐられ、かつグレードアップするごとに、特典が増えたり、最終的には「殿堂入り」なる最終到達点まで用意されていた。

今回の旅行でいきなり「殿堂入り」は不可能だが、気楽にやってみたようと心を落ち着かせた。

冷房の効いた「とさてらす」を出ると、炎天下の猛暑。
街頭の温度計が37℃を表示していた。

車掌見習は焼けたアスファルトからの距離が短いので、もっと高温に感じたのか、抱っこをせがんだ。そして、駅から市電1駅分を歩いたレンタカー営業所で車を借りた。

ここから一路、やなせたかしさんの出身地である香美市(かみし)のアンパンマン・ミュージアムを目指した。
今晩はそこに隣接する「ピースフルセレネ」というホテルで宿泊だ。

 

アンパンマン列車初乗車(哲×鉄車掌区慰安旅行)

カテゴリー:①番線:鉄道(JR・私鉄)方面 2015年8月 4日 05:11

今夏の哲×鉄車掌区慰安旅行の行先は四国・高知。

慰安旅行の手配開始は、例年3月頃。
概ね半年前に立案するが、当初は山口県萩市で行われる花火大会を軸に考えていた。

それは、車掌見習に「初花火」を見せてあげたかったからだ。
実際、花火を真正面で見られる宿も早々に予約していた。

しかしながら、GW前後に急遽、行先を高知に変更した。
それは、車掌見習のマイブームが、「アンパンマン」であったからだ。

花火は翌年以降でもどこかで見るチャンスはあるが、アンパンマン大好きの「旬」は来夏も続いているとは限らない…○○レンジャーとかに興味が変わっているかもしれない…

専務車掌と相談の上、旅のテーマは「アンパンマン」に変更&決定した。

せっかく取った花火特等席の宿をキャンセルするのも惜しかったので、母が毎年行っている旧友との旅行を企画し、譲ることにした。

行先を高知にした理由は2つ。
1つ目は、アンパンマン列車の「アンパンマンシート」乗車。
2つ目は、アンパンマンミュージアムと隣接ホテルの「アンパンマンルーム」宿泊。

そして、これら旅の「目玉」は旅程初日にセットして、車掌見習の「旅心醸造」を画策した。
何事も、初めが肝心…

初日でいきなり飽きられたり、つまづくと、2日目以降に影響を及ぼしたり、ひいては来夏の旅行にも影を落とすことになりかねない…と判断した。

7月30日(木)、羽田空港から岡山空港まで飛行機で移動。
飛行機も大好きな車掌見習は、空港で沢山の飛行機を目の当たりにしてハイテンション。

いよいよ"哲×鉄車掌区慰安旅行2015"が始まった。

ANA651便は、最後尾の2人掛を事前指定。
車掌見習と飛行機に乗る際は、ここが定席となった。

岡山空港には定刻の8:40着、ここからは9時発のリムジンバスで岡山駅へと向かった。
今朝は起床が早かったので、車中で専務車掌と車掌見習はZZZ…

岡山駅には9:30に着いた。
アンパンマン列車乗車までは時間があったので、コインロッカーに荷物を預ける。
さて、どこに行こうか…?と思案し、駅前から出ている市電に乗って市内散策でも…と考えた。

だが、駅前広場に出てその考えは崩壊した。
とにかく暑くて暑くて…犬猿を連れた銅像の桃太郎さんもシンドそうに目に映った。

代わりに目に飛び込んだのは、アーケード街。
ここを通ることにし、アテもなく歩き始めた。

アーケードが終わり、小川を渡ると、左手に「岡ビル百貨店」という、昭和の雰囲気をヒシヒシと感じさせる建物を発見。迷わず、そちらへ進路を変更した。

まだ時間が早かったせいか、あまり店が開いておらず、外観を眺めてレトロさを味わった。
すると、近くに野田屋町公園があり、気の利いた木陰もあったので、そこで車掌見習をしばし遊ばせた。

駅に戻り、アンパンマン列車の待つ6番線へ向かった。
お目当ての特急南風7号は、既に入線していた。

車掌見習は列車を見つけるや、車体側面の大きなアンパンマンと目が合い、なんだか照れくさそうな表情をしつつも、次第にジャンプしたり喜びの舞い!?をし始めた。

前方1号車で記念撮影をしていたら、隣のホームにはアンパンマントロッコが入線!
車掌見習はすぐさまそちらへ駆け寄り、車体に描かれたアンパンマンやドキンちゃんにハイタッチをした。

こんなに喜んでもらえるなら、この瞬間だけで行先を高知にした目的が報われた想いであった。

乗車前にだいぶホームで楽しんでしまったが、これからがアンパンマン列車の醍醐味「アンパンマンシート」だ。
車内に入ると、1つ1つのシートにアンパンマンが描かれお出迎え!

車掌見習は頬ずりして座ったり、立ったりを繰り返し、自分の席以外でも同じようなことをしていた。

このアンパンマンシートは限られた席数で、1号車半分のスペースに16席しかない。
この16席の指定席は人気も高く、今回は懇意にしている旅行会社さんに取っていただき大感謝だ。

11:05にアンパンマン列車は出発。
瀬戸大橋も軽快に走り抜け、ほどなく四国入りをした。

JR四国の特急には、一部の特急の部分区間ながらワゴンでの車内販売が健在だ。
コンビニの駅構内台頭で、乗車前に弁当や飲み物を買い済ませる人が増え、車内販売が続々姿を消しているが、旅に出てまで日常と同じ看板のコンビニで、代わり映えのしない商品を手にし口にするのは、旅情も随分と貧しくなったと感じてしまう…

乗車した特急南風7号の場合、車内販売のワゴンが積み込まれるのは、11:47発の丸亀駅。
そして、12:05着の琴平駅でワゴンは降りてしまう。わずか22分間の営業だ。
車内販売が行われているのは嬉しいが、これでは全車両に回ることは困難であろう。

色々調べたら、ワゴンは1号車前半分のグリーン車から販売開始することがわかった。
アンパンマンシートは1号車後半分であるから、まずワゴンが来ないことはない。

あとは、今回お目当ての「アンパンマン弁当」と「げんき100倍アンパンマン弁当」が、買えるかどうか…
万一に備え、高松の販売業者に確認したら予約可能とのことで、1週間前に申し込んでおいた。

実際、ワゴンがアンパンマンシートに入ってくると、瞬く間に両弁当が眼の前で売れていき、自席は最後列の4列目だったので予約していなかったら、ヒヤヒヤであった。

両弁当を見て車掌見習は、パチパチと拍手をした。

食後、車掌見習は午睡…
寝息を立てる車掌見習を腕に抱えつつ、食べ残した弁当や他に買った駅弁を専務車掌と頬張った。

列車は山間部に入り、大歩危・小歩危の景勝地を走っていた。
切り立った急峻な渓谷をなぞるように走るので、ついつい車窓に目が釘づけになってしまう。

やがて、平野部に入り家屋の隙間が少なくなった。高架線になると高知駅も近い。
13:40、無事高知駅に到着した。
 

コメント(2件)

希望者挙手さんからのコメント(2015年8月 4日 22:46投稿)

ご無沙汰しております。

我家の娘たちが幼かった頃、キティちゃんホテルに宿泊したことを思い出しました。
ホテルの近くでクワガタムシを捕まえて喜んでいた娘は、今では虫が大嫌いですから(笑
子供心はどんどん変わっていきますね。

また、大分にあるサンリオの遊園地ハーモニーランドに飛行機で行った際は、ポケモンジェットを予約したにもかかわらず、急きょノーマル仕様に機材変更となり、がっかりした苦い思い出もありますね(笑

車掌見習くんが興奮している姿が目に浮かぶようです。
ぜひ、楽しい慰安旅行を!

車掌長さんからのコメント(2015年8月 7日 06:01投稿)

希望者挙手 様

毎度ご乗車ありがとうございます

8/4から関西方面へ出張があり、昨夜戻ってまいりました。
お返事が遅くなり申し訳ございませんでした。

キティちゃん、良いですね!
キティちゃんも40歳を超え(というと夢がありませんが…笑)、子どもから大人まで、世界中で愛されるキャラクターになりました。

たしかに、子どもの興味や関心の移ろいは早いですよネ。
その時期、その時期、好きであったり夢中になっていたものが、他のものに変わってしまうのは、ごく普通なのだと思います。

しかしながら、何歳になっても、つまり子どもであろうと、大人であろうとも、何か「好きなもの」を持っていることは大切だと感じます。

子どもであれば勉強、大人であれば仕事というものは、あまり面白いものではありませんが、それらの息抜きとして「好きなもの」が支えになったり、励みになることは多くの方々にそんな経験があろうかと思います。

大人は嫌でも仕事をしなければ、食べてゆけませんから切実ですが、子どもは嫌いな勉強から逃避したり放置しても、とりあえず家にいれば食べてはゆけるので、親の心配は関知せず…という困った事態が起こります。

願わくば、子どもが「好きなもの」やその発展、延長にある大人の「趣味」という居心地の良い世界が、現実の厳しい日本社会や日常生活を、さほど苦にせず生きてゆけるような「力」に転化してもらいたいものです。

但し、その居心地の良い世界だけに留まるのは、本末転倒です。

あくまで、車の両輪と同じで、バランスよく両立しなくてはなりません。

たとえ話としてふさわしいかわかりませんが、子どもが「好きなもの」や「遊び」という栄養を、どのように与えると、どのように消化され、排泄されるのかを観察することが、涵養なのではないだろうか…と最近思うのです。

やみくもに色々な栄養(含む玩具)を与えても、子どもがそれを消化する具合や速度、栄養としての取り込みが、結果として親の許容したり望む「成長」になっているのかどうか…

そして、その排泄物は、他人や社会へ迷惑をかけるようなものでなく、自然に帰化できたり、何か再利用できるような好循環をもたらすものかどうか…

最近はそんな風に、子育てを楽しんだり悩んだり、心配しつつも、客観的に観察している自分に気づきます。

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