面白い恋人

カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2011年11月29日 06:09

北海道のお土産と言えば「白い恋人」を思い浮かべる人も多いだろう。
パッケージの山容はスイスアルプスを連想させるが、北海道の秀峰「利尻山」だ。

一方、伊丹空港や関西のJR主要駅には「面白い恋人」というお土産がある。
中のお菓子は全く違うが、パッケージは「ノリ」で面白おかしく似せており、利尻山に代わり大阪城と二人の男女が描かれている。
車掌長も以前、関西へ出張で行った方のおみやげでこのお菓子に出会い、その「ノリ」が単純に面白かった。
しかし、この「ノリ」がいま販売差し止めを求められ訴訟になっているという。
売れすぎて単なる「ノリ」では済まされなくなったのだろう。

(余談だが車掌長は、松田聖子さんの「真冬の恋人たち」という曲が好きだ。)

ところで、今でこそお土産は全国各地に数え切れないほどの種類と、「ご当地限定」と称し風味やパッケージを少し細工した程度のものが人気を博している。

一昔前は各地に古くからの名産品や銘菓があり、流通事情もあったが現地でしか買えないから、旅行や出張の「お土産」として喜ばれた。
特に子どもの頃、京都の生八橋や、先述の「白い恋人」、岩手の「かもめの玉子」、仙台の「萩の月」は大好きだった。(逆に鎌倉の「鳩サブレー」や博多の「ひよこまんじゅう」は食べるのがかわいそうで苦手だった。)
どれも、滅多に食べられないからこそ「有り難味(ありがたみ)」も味わいながら楽しんだものだ。

しかし、今はどうだろう…
販路拡大による百貨店やスーパーでの取り扱いに加え、ネット等の通信販売で、どこでも食べられ、手にできるものが多い。
節操がなさすぎないだろうか…
誰でも美味しいものを日常的に食べたいと思ったり、現地へ買いに行けないという理由もあるだろうが、そこに「旅情」や「有り難味」は薄れたように思う。


 

哲×鉄 ブログ本線車内放送①

カテゴリー:⑪番線:哲×鉄 車内放送 2011年11月27日 21:05

皆様、毎度「哲×鉄 ブログ本線」ご乗車ありがとうございます。

本日より、哲×鉄トップページ乗車口から「車掌長の乗務日誌」にお乗りいただくと、鉄道唱歌がお出迎えするようになりました。

鉄道唱歌のチャイムは、鉄分が濃くなくても皆さんなんとなくご存知だろうと思います。
今でこそJRの特急に乗って車内放送が始まる際に、色々なメロディが奏でられますが、ほんの一昔前は特急・急行に乗ると決まってこの「鉄道唱歌」が皆さんをお出迎えしていました。

他にバリエーションこそありませんでしたが、このチャイムを聴くと、優等列車に乗った悦びがじわりと湧くものでした。
そして何よりも、旅に出たという高揚感がありました。

そんなワクワク感をこのホームページでも再現したく、本日より乗車時のメロディを運用開始いたします。
(なお、必要でない方はお手数をおかけいたしますが、音が鳴らないよう設定をお願いいたします。)

つきましてはこの場を借りて、日頃からこのサイト運営に関し車掌長の要望をデザインしたり、技術的にバックアップし、アドバイスをしてくれる友人夫婦に心からお礼申し上げます。
いつも本当にありがとうございます。

さて、便乗のようなご案内となりますが、この哲×鉄ホームページはただ今試運転中です。
現状は親しいごく一部の皆さんや、偶然このサイトを見つけて下さった方々のみが知るサイトです。
ただいま、JTB時刻表アーカイブ本線の全線開通(所有分の全表紙掲載)を目指して気ままに励んでおりますが、この全線開通後により多くの方々に知っていただくためのイメージを描いているところです。
なお、HP冒頭にも掲げておりますが、完成にはまだまだかなりの歳月を要します。

このサイトは単に車掌長が所有する時刻表を披露するだけでなく、時刻表や鉄道、温泉、季節の移ろい等の入口から、いま暮らしている世の中を見つめ、少しでもより良い「生き方」や豊かな「心持ち」でいられる方法を探す願いを込めて綴っています。

そして、純粋に素晴らしいと思うことや途方も無く残念に感じること、ふと疑問を抱くことやほんのりと期待を寄せる事柄を「時間旅行」という軸で捉え、車掌長の人生の備忘録として残してゆきたいと思います。

どうぞ、ご乗車の皆さんもそんな独り言にお付き合いいただいたり、ご自身の過去や懐かしい出来事をこの時間旅行を通して、共感した乗車列車(話)があれば気軽にコメントをお寄せください。
現在7系統の列車を運行させております。

なお、車掌長は早朝の列車に乗務することが多いです。
日中や夜間にご乗車の際は、なかなかお会いできないかもしれませんが、翌朝に引継ぎを受けますので、それからのお返事となること、ご了承願います。

美しきパノラマカー

カテゴリー:①番線:鉄道(JR・私鉄)方面 2011年11月24日 05:54

昨日、新宿の書店で気になる背表紙を見つけ手に取った。
「美しきパノラマカー 不朽の名車7000系と知多半島の四季の風景」という写真集だ。
表紙をみた瞬間に、ぐいぐいと惹きこまれる何かを感じ、数頁の写真を見ただけで衝動買いした。

名車7000系とは、名古屋鉄道を走っていた編成の前後に展望席のある、通称「パノラマカー」として親しまれた車両だ。
鮮やかな赤一色の車体と、走行中に奏でるミュージックホンは、存在感がありどこを走ってもいても絵になる列車だった。

車掌長も学生時代に下宿の最寄り駅から、通学や名古屋市内への通勤にもよく利用した。
下車駅の階段が遠くなっても、最前部か最後部まで歩き、あの特別席である4席が空いていることを祈りながら列車の入線を待ったものだ。

この本の著者は、奇遇にも同じ大学・学部(しかもⅡ部)で卒業年も近めの方だった。
値段は3,300円と同じような体裁の写真集の相場と比較すれば高めだが、自費出版であることを知った。
1000部限定で完売しても増刷はしないらしく、名古屋中心部の書店と名鉄沿線の一部の本屋、あとはネット販売対応とのこと。

大好きな名車の姿を存分に堪能し、目を閉じれば知多半島の緑の匂いや田んぼのカエルの鳴き声が聞こえてきそうな風景を思い出した。

素敵な時間旅行ができたことを、著者に心から感謝したい。
ありがとうございました。

コメント(4件)

温泉おやじさんからのコメント(2011年11月24日 10:14投稿)

車掌長様

自宅が名古屋本線のすぐ側という事もあり、幼少の頃からスカーレット色の車体から聞こえるミュージックホンは日常の光景でした。2009年8月30日を最後に7000系は完全引退してしまい、最近の車両も慣れ親しんだスカーレット一色ではなくなってしまったのが寂しいです。

このコメントを書きながら学生の頃、まだ現役だった850系(ナマズという愛称らしいですが…)のビロードが貼られた木製の椅子や歩くとギシギシと鳴る床、機械油の臭いなどの懐かしい記憶がよみがえってきました。

私は鉄っちゃんではありませんが、小学生の頃は鉄道模型にはまって、鉄道模型趣味という月刊誌を読みあさりながら下手くそなりにレイアウトを作成し、D51やC61などを走らせては喜んでいましたが、基本的に根暗なのかも知れませんね(笑)

車掌長さんからのコメント(2011年11月24日 21:27投稿)

温泉おやじ様
毎度「哲×鉄 ブログ本線」ご乗車ありがとうございます。
そうです!7000系と言えば「スカーレット・レッド」ですよネ。鮮やかな赤というよりは、少し黄色味がかかったようなくすんだ感じの赤。緋(ひ)色とも言うそうです。
また何よりも、コメントのお話を伺い、温泉おやじさんも「鉄分」が十分濃いなぁ…と実感。

名鉄850系は私にとっては、史料的な写真でしか見た記憶がありません。
ですので、実際に乗車したとの話は羨ましい限りです。

車掌長が子どもの頃は、東京近郊でも床が木の車両はまだまだ走っていた記憶があります。
祖父母が神奈川県の津久井にいたので、八王子から横浜線に乗り換えると、クモハ73型というこげ茶色の旧型国電が走っていたことを懐かしく思い出します。

どれもけっして綺麗な車両ではありませんでしたが、全力でモーターを回して加速する奮闘ぶりや、何とも言えぬ「温もり」があったのは間違いありません。

ところで温泉おやじさんにお聞きしたいことがあります。
島根や鳥取のオススメの日本酒は何かありますでしょうか?
またのご乗車の際にご教示いただければ嬉しいです。

温泉おやじさんからのコメント(2011年11月26日 11:46投稿)

残念ながらウチでは山陰の地酒は取り扱いがなく(愛知では中国地方だとやはり広島県の日本酒が人気がありますので…。)、
私の乏しい知識でのお話ですが、島根県だと「王禄酒造(王禄)」http://www.ouroku.com/、「李白酒造(李白)」http://www.rihaku.co.jp/が有名処で人気があるようです。
鳥取県は、「山根酒造(日置桜)」http://www.hiokizakura.jp/や 「大谷酒造(鷹勇)」http://www.takaisami.co.jp/などでしょうか。
あまりお役に立てない情報で申し訳ないです。

車掌長さんからのコメント(2011年11月27日 06:09投稿)

温泉おやじ様

お忙しいところ、お酒のご紹介をしていただきありがとうございました。
四酒造をHPで拝見しました。
中でも「王禄」にとても好奇心が湧きました。

無濾過、生酒、瓶詰、全量冷蔵、限定生産、特約店のみの販売、酒造見学と試飲を一切しない…etc

お酒はいつもラベルの名前は見ても、ただ「呑む」ばかりでしたが、創った人の想いやこだわり、その土地の背景を知ることで、更に味わいが広がる気持ちになりました。
先日の納会で、温泉おやじさんが持参されたお酒がとても美味しく、そのように考えるようになりました。

冬、山陰に行ってみる計画を立てています。
中学の時に夜行急行で乗った木次線の三段スイッチバックや、周辺の温泉を楽しみながら、王禄に出会ってみたいと思います。

「お酒は生き物として扱っていただけますよう…」との王禄酒造の願いに賛同し、保冷剤と保冷袋も鞄に入れて。
普段鞄に入れない物を準備するのも、何か新鮮な気持ちになります。

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雑誌「旅」休刊

カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2011年11月22日 06:21

新潮社の旅行雑誌「旅」が2012年1月発売の3月号で休刊になることを知った。

「旅」は元々日本交通公社から発刊されていた。
その歴史を紐解けば1924年(大正13年)4月に、JTBの前身である日本旅行文化協会から創刊された「日本最古の旅行雑誌」である。
車掌長愛読書「JTB時刻表」は1925年4月号が創刊であるから、「旅」の方が少し先輩だ。

「旅」は子どもの頃、まだ鉄道向けの情報や雑誌が今ほど溢れていなかったので、よく読んだ想い出の本だ。
毎月著名人の紀行文やエッセイが掲載され、いま思うととても贅沢な読み応えのある内容だった。
特に日本を代表する鉄道紀行作家、宮脇俊三氏の文章は、いまだ乗らぬ国鉄路線や見ぬ風景にワクワクさせられ、ぐいぐいと誌面に惹き込まれたことを覚えている。

また、鉄道とはジャンルが異なるが、オートバイで日本や世界を駆け回った賀曽利隆氏の紀行文も楽しかった。ちょうど車掌長が学生時代に彼が50ccバイクで日本一周をした単行本に出会い、そのロマンに魅了されたものだった。この本に出会い、鉄道旅行にはない「自由」な旅のスタイルにも好奇心が湧いたものだった。

話は戻るが「旅」の休刊を心から残念に思う。
新潮社に移行し、内容を女性向けにしたり、隔月刊になってからは次第に車掌長もあまり手にしなくなったが、歴史ある「旅雑誌」が無くなるのは寂しい限りだ。
素晴らしい内容の伝統がありながら「売れる」ために、流行に迎合したり便乗するような一過性の内容では、単月の読者は増えても、本来の持ち味を楽しんでいた長年の読者には不甲斐ない感じがしてしまう。

目先の売れるものだけが入れ替わり並ぶ書店の目利きや、それを求める消費者と煽るマスコミ等の媒体。
世の中なんでも「売れる」ことだけが絶対視され、「売れない」ものは悪のごとく隅に追いやられやがてお払い箱となる。
これでは日本は経済大国になれても、文化大国にはなれないだろう。
人が築き上げた歴史や文化、後世に伝承したい事柄の蓄積を、ためらいなく金銭的価値の天秤にかけて一蹴してしまう。
この忌まわしい傾向はやがて人の心もお金で買われ、それと引き換えに大切な「何か」を失うかもしれない。

その失った「何か」は、後になってどんなにお金を積んでも買い戻すことはできないだろう。



 

成田~札幌980円

カテゴリー:②番線:航空、船舶、バス方面 2011年11月18日 05:53

スカイマークエアラインズは成田~札幌(新千歳)に980円という運賃を設定している。

これはインターネットを見て申し込んだ人だけが買えるチケットだ。
もちろん、この運賃で乗れる座席数には限りがあり、日々発売瞬間に売り切れている。
しかし、当日乗る飛行機が980円だからと言って何か支障があるわけでなく、定価で乗った人と同じ座席であり、当然ながら同じ時間に着ける。

一方、新千歳に到着して札幌駅へ向かうJR北海道の運賃は1040円だ。

このアンバランスは、なんだか複雑な気持ちにさせられる。

現代人は一度味わった「安さ」をなかなか忘れられない…
むしろ、その味わった安さが新たな「値段のモノサシ」になって、他の商品やサービスの値段と単純に比較してしまう。もちろん、安く旅行ができること自体は喜ばしいことだ。

しかしながら、忘れてはならないのは、例えば地方の中小私鉄がマイカー普及で需要が減り、すごい勢いで廃止やその危機にさらされていることを…

概して地方の中小私鉄の運賃は割高である。
だが、車の運転ができないお年寄りや学生が、日々の「足」として利用している「生活路線」だ。
自分たちの大切な足を失わないよう、その社員や沿線の人々が存続を願って地道に努力している姿を目にし、エピソードを耳にする。

表面的な価格を単純に喜んでばかりいないで、その価格の「からくり」の裏で脅かされる圧倒的多くの交通事業者や、その利用者がいることを、日々JTB時刻表を眺めて察してしまう。

JTB時刻表にはJRに限らず私鉄、バス、船舶、ケーブルカーなど国内の約850の会社線の時刻や運賃・料金、宿泊機関が掲載されている。

毎月、その中から消えてゆく会社線も見受けられる。

ちなみに、さきほどの980円チケットだが、行けなくなった場合のキャンセル料の総額は4500円である…
正直にキャンセルした方が高いなら、その座席は主が現れずに冷たいまま札幌へ向かうこともあるのだろう。

 

コメント(2件)

たくちゃんさんからのコメント(2011年11月18日 14:36投稿)

ようやくといった感がある「格安エア」ですが、
ヨーロッパでは歴史は比較的長いようで
僕らがヨーロッパに行ったとき利用したのが
最大手の一角といわれる「easyJet」。
ロンドン→ワルシャワ(ポーランド)まで
空港使用料も合わせて大体一人6000円ぐらいでした。
最近よく紹介される「ライアンエア」は
確かに料金は安いのですが
荷物が大きかったり、重量制限があったり、
機内サービスは当然なし、座席のリクライニングもなし、
挙句の果てはチェックインのとき、
プラスチックのような半券を渡され
搭乗の際に回収して使いまわす、と
何でもありの会社のようです。
easyJetは比較的使いやすかったですよ。
数年前、東欧で最大手といわれていた会社が倒産したり
なかなか難しいようですが、
日本の格安エアもがんばって
「維持」していっていただきたいです。
(何せ、倒産の多い業界ですから…)

車掌長さんからのコメント(2011年11月19日 05:42投稿)

たくちゃん様
毎度「哲×鉄 ブログ本線」ご乗車ありがとうございます。
ロンドンからワルシャワに格安エアで飛んだ経験をお持ちとは、かなり旅慣れていますネ。
確かにLCC(ローコストキャリア)の歴史を見ると、日本はかなり遅いと言えます。
欧米で名を馳せたフラッグキャリアや大手エアラインが、高コストが災いして経営破綻したのと裏腹に、新興格安エアラインがじわじわとシャアを拡大し、日本にも茨城空港開港の際、中国のLCCが上海との路線を4000円で結んだのは記憶に新しいところです。
20数年前、車掌長が旅行会社でまだ芽生えたばかりの「格安航空券」の販売をしていた頃の値段に比べると驚愕のプライスです。
当時は「格安」とは言っても、ヨーロッパへ閑散期で10数万していました。
安さ追求の流れを変えることはなかなかできませんが、確実に言えることは価格競争が「安全のコスト」を忘れて離陸しないでほしいと願うことです。

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