長瀞の魅力

カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2012年2月 7日 20:22

高尾山がミシュラン・グリーンガイド・ジャポンの「三つ星」を獲得したのは周知のことだ。
以来、ミシュラン効果により万人が高尾山を登り、東京を忘れさせる自然の豊かさを誰もが再発見しただろう。
冷静に考えると、外国のガイド本に元来の魅力を教示していただき、皆がこぞって登るのも日本的で面白い。

ところで、埼玉県の長瀞にある宝登山神社が、昨年「一つ星」を獲得したことはあまり知られていない。
車掌長は高尾山も好きだが、長瀞が掲載されたことは頷(うなず)けるし、もっと脚光を浴びて良い魅力があるように感じている。

思いつくままにその魅力を列挙すると…
①秩父鉄道のSLでアプローチできる。
②奇岩を楽しみながら荒川の急流を舟で下る「ライン下り」や「ラフティング」のアクティビティ
③宝登山神社の色彩鮮やかな社殿と冬のロウバイ
④秩父まで足を延ばせば「農民ロケット」と呼ばれる独特な龍勢祭りや、秩父夜祭りのようなエネルギッシュさを楽しめること
⑤武甲山の麓の見事な芝桜
⑥秩父札所34ヶ所巡り(特に橋立観音は大好きだ)
⑦今はないが、子どもの頃は「SLホテル」があり何度か泊まった懐かしさ
  などなど

逆に、弱点は長瀞自身が日帰り圏に甘んじているのか、受け入れの核になるような宿泊施設が少ないこと。
また、いざ外国人が訪れた際のハード・ソフト両面のホスピタリティ度が鈍いことだと思う。

それにしても、ミシュランのグリーンガイドは、9つの独自の尺度で観光地の魅力と質を☆の数でランク付けしている点がユニークだ。
☆☆☆:「わざわざ旅行する価値がある」
☆☆:「寄り道する価値がある」
☆:「興味深い」

末筆ながら、秩父長瀞が広域なエリアで魅力を増し、外国の人にも多く愛される観光地となるよう願っている。
きっと、高尾山にはない落ち着いた雰囲気の里山の自然と、温かな人との触れ合いの良さが外国のお客さんにも伝わるだろう。

 

節分

カテゴリー:⑤番線:feel the season方面 2012年2月 3日 05:50

今日は節分。
立春、立夏、立秋、立冬の前日を、それぞれ「節分」という。

節分の思い出に「駄菓子屋もんじゃ」がある。
高校時代、足立区に住む友人が西新井大師での豆まきを案内してくれた。
大勢の人が集まり、社殿から力士や有名人が豆をまき、華やかな光景だったと記憶している。

その後、その友人がよく行ったという駄菓子屋に連れて行ってもらった。
某小学校の近くにあるその店は、外見は駄菓子屋とは思えない民家だった。

鉄板のついた小さな机が2つあり、近所の小学生が何かをヘラでこすりながら食べていた。
「もんじゃ」との最初の出会いだった。

子どもたちと相席し、100円でもんじゃとベビースターラーメンを頼んだ。
友人や子どもたちの食べ方を真似しながら味わった。
子どもが小さなヘラでこすって、塊になったもんじゃを分けてくれた。
美味しかった。
「ドリンク」と呼ばれる液体は、いわゆるチューチューアイスを凍らせないものだった。

この店に再訪したく、僅かな記憶を頼りに調べて所在はわかったが、2年ほど前に店を閉じたとのことだった。
車掌長にとっての「もんじゃ」は、月島のような高価なものでなく、この駄菓子屋だったが残念だ。

寒さが厳しい中、無理のない節電が叫ばれている。
節分も違う角度からとらえれば、「節約して分け合う」と言えないだろうか。
小さな卓を囲み、もんじゃを分けてくれた温もりがよみがえる。

相田みつをの言葉がふと思い浮かんだ。
「うばい合えば足りぬ わけ合えばあまる」

個人で何でも所有する時代から、皆で共有できる時代が必要なのだと思う。
モノに限らず、心も想い出も、共にできるつながりが、少しでも増えますように…