小田急HiSE引退

カテゴリー:①番線:鉄道(JR・私鉄)方面 2012年2月18日 07:52

春は別れの季節という。
今春は鉄道の世界にも、名列車や名車両の引退が目白押しで、名残惜しさが募る。

JRの列車では「日本海」「きたぐに」、車両では初代のぞみ「300系」やJR東海あさぎり号の「371系」など。
私鉄では小田急の動きが顕著で、特急用のHiSE(10000形)やRSE(20000形)、通勤用5000形と3種も運用から絶滅する。

中でも、HiSE(10000形)は小田急ロマンスカーシリーズの完成形だと車掌長は思っている。
外観のデザインで好きなのは、「ロマンスカーと言えば展望席!」という絶大なる人気を博した3100形だが、どの席に座っても楽しい車窓を提供してくれたのは10000形だ。

高床のハイデッカー車両は視点を高くして眺めを良好にしたが、乗降口のステップが車椅子を利用する方には支障があった。
今後は長野電鉄に譲渡された「ゆけむり号」で再会できる。

余談だが、ロマンスカーの自動回転座席は子どもの頃の楽しみだった。
JR新宿駅の中央線緩行(総武線)下りホームでは、小田急の屋内の行き止まりホームに到着したロマンスカーを、グリーン車のマークのような窓から見ることができる。
そして、折り返しのため座席が一列おきに自動で整然と回転する光景が大好きだった。
そんな時、目の前に総武線の黄色い電車が入線すると、とてもショックを受けた想い出がある。

最近の車両は小田急に限らず「乗る楽しみ」や「一味違う」と思わせるものが少なくなった気がする。
省エネや加速の良さに貢献する軽量化は時代の流れだが、どれも均一の質感でほどほどに快適だが、心が満たされるようなワクワク感は乏しい。

何でも実用性、効率性だけの画一的な価値観は、鉄道にとどまらず、世の中もモノトーンな気分にさせる。
春は別れの季節と書いたが、そんな世の中とも気持ちとしては別れ、新たな希望を感じられる世の中になってほしいと願う。

多様性のある、カラフルな花が咲き誇るような、一人一人が輝ける世の中を望みたい。

 

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