時刻表記念日

カテゴリー:③番線:時間旅行、時刻表方面 2012年10月 5日 04:01

時刻表を手にした瞬間、誰もが時のページをめくる旅人になれる。
指先1つで、日本中の旅を手中に楽しめる自由人になれる。

車掌長は、「仮想」と「空想」は違うと考える。
仮想は「仮に想定」することにより、具体的な事物を目にしたり形にでき、他者と認識の共有ができる。
一方、空想は「無心に想像」し、自分自身の中でいかようにも膨らみ、閃(ひらめ)き、移ろいでゆく…

この空想を紡ぎだす時刻表は、日常のストレスからひとときの離脱を援助してくれる。

そして、もし少しの好奇心があったなら…
あとはお金を工面し、時間を捻出して、当てのない旅に出てみよう!
パッと任意に開いたページの列車に乗ったり、知らない駅で降りてみるのもよい。
そこにはきっと、何か新しい発見や別の自分との出会いがあるだろう…

今日は時刻表記念日だ。

1894年10月5日、日本で最初となる月刊時刻表が刊行されたことに因む。
この時刻表は「汽車汽船旅行案内」と言い、福沢諭吉がイギリスの時刻表をお手本に編纂させ、手塚猛昌(てづかたけまさ)が発行したとのことだ。
手塚猛昌は後に「時刻表の父」と呼ばれ、出身地の山口県萩市の須佐駅前に顕彰碑があるという。

時刻表が誕生して118年…
デジタル化の波がどんなに押し寄せても、この紙の触感を味わえる時刻表が、いつまでも発行され続けることを心から願う。

スマートフォンやタブレット端末のような画面タッチでは、誌面から指先に感じる空想のイマジネーションが萎えてしまう。