東北新幹線開業30周年

カテゴリー:①番線:鉄道(JR・私鉄)方面 2012年6月23日 04:26

 本日、東北新幹線が開業30周年を迎えた。

1982年6月23日、大宮~盛岡間が暫定開業。
上野~大宮間は185系車両による「新幹線リレー号」が走っていた。

当時、車掌長は中学3年。
その時購入した記念切符が手元にある。
大宮駅から新白河駅までの各駅付近を、航空写真で俯瞰したデザインだ。

これは国鉄の東京北鉄道管理局が発売したものだが、今と比較するととても面白い。

大宮駅西口は、今は商業施設が林立しているが、当時は駅前まで住宅が見受けられる。
小山、宇都宮両駅も東口が再開発され、今とは全く違う。
那須塩原、新白河両駅にいたっては、駅前が新しい駐車場と田んぼしかない、という長閑(のどか)さだ。

さて、いよいよ手元にある開業時のJTB時刻表(通巻第676号)を開いてみよう。
開業当時の列車は速達版が「やまびこ」、各駅停車版が「あおば」であった。
車両は東海道新幹線0系をベースに耐寒耐雪設備を施し、出力もパワーアップした200系だ。
(この車両もそろそろ引退が近いだろう)

そして特筆すべきは、本数の少なさ。
上下合わせた全ての列車が、時刻表見開きの右側1ページに収まっている!
しかも、仙台以北については、定期列車は1日4本。
これは、ローカル線の「秘境駅」にも引けを取らない運転間隔(本数)である。

一方、ダイヤはどうか。
上野6:33発「新幹線リレー1号」で大宮から「やまびこ11号」へ乗り継ぎ、仙台9:14着、盛岡10:32着。
開業前の在来線特急「やまびこ」と比較すると、上野6:33発、仙台10:48着、盛岡13:01着。
大宮乗継の不便さはあっても、やはり「新幹線」は速かったといえる。

あれから時は流れ30年…

今や上野6:28発の「はやて11号」に乗れば、仙台8:11着、盛岡8:58着、新青森10:01着。
最高速度も大幅に引き上げられ、車両も逐次高性能化され進化を続けている。

移動時間が短くなったことは、きっと多くの人が喜び支持することは間違いない。
特に仕事や急用の場合は「急ぐ」ことが目的だから、新幹線は有用だ。

だが、その時間短縮によって生まれた時間で、人々は何を享受し、何を失ったのかここで一考する価値はあるだろう。

「移動時間」とは、普段過ごす土地や時間から旅先までの「日常」を離れる期待感や高揚感の醸造、或いは現地で見た風景や過ごした人との時間を消化する(整理する)ための貴重な「時間」だと車掌長は考える。

つまり、移動時間が短いということは、意識が日常の続きのまま旅先に着いたり、消化不良のまま日常生活に戻ってしまっていないだろうか?
せっかくの旅の「印象」や「余韻」という、生涯の「想い出」として形成される時間が足りないのではないか…と思ってしまう。
だから、旅から帰って単に「疲れた」という想い出しか残らないような気がしてしまう。

本来「旅」とは、行く前の自分と帰ってからの自分がどこか違うし、元気になるものだと思う。
そこを理解して「新幹線」や「航空機」を使わないと、せっかくの旅の効能が半減するだろう…

車掌長は今日貴重な存在となった夜行(寝台)列車の旅や、在来線特急、鈍行の旅をぜひオススメしたい。(今は急行列車というものが、ほぼ消滅したのが残念でならない…)

きっと、自分が所有する「自分の時間」が、どのようなものかを考える機会になるだろう。

東北新幹線開業30周年を迎え、祝意とともに、そんなことを考えた朝だ。

 

コメント(2件)

希望者挙手さんからのコメント(2012年6月25日 00:20投稿)

「青春18きっぷ」も発売から30年を迎えましたね。
しかし、その販売数は減少傾向にあるようです。

最近は特定の目的地を観光することだけが旅であるかのように、経済効率優先の移動手段が持て囃されているように思えてなりません。

私も車掌長同様、移動時間は旅の重要な要素だと思っています。
日頃の仕事や経済活動などに縛られた生活から抜け出したくて旅に出たはずが、まるで出張のような移動手段ばかりでは、日常生活を引きずったままの旅になってしまうのではないでしょうか。

徐々に日常生活から切り離されていく自分を実感し、旅を通じて変わってゆく自分とゆっくり向き合える「青春18きっぷ」の旅で、「自分の時間」を考えてみるのもいいかなと思いました。

車掌長さんからのコメント(2012年6月25日 05:12投稿)

希望者挙手 様

毎度ご乗車ありがとうございます。

希望者挙手さんに全く同感です。
最近の旅は提供する旅行会社も親切すぎて、本来一番楽しい部分であるはずの「プランニング」や「気まま」な部分をお客さんから奪い取っています。

例えば完全に出来上がったバスツアーなどは、バスに乗っていれば何の不自由なく、見たいものや食べるものが経験でき便利なようですが、行程をこなす「運動会」のように忙しいです。

旅行会社も安価にどれだけのことを盛り込めるかを競い合い、一体何がその旅の「目的」なのか、不明瞭なものが多いです。

また、何かトラブルや不都合があれば旅行会社や添乗員に文句を言う、歪(ゆが)んだものになっています。
旅にトラブルは付き物…
それも自分で考えて解決することが、旅の醍醐味です。

旅行業界もお仕着せの商品内容から、客が自分で創造できる旅づくりの手伝いやアプローチ、啓蒙ができないと、「ネット完結型」「旅行会社不要論」の道へ誘われる恐れがあります。

しかしながら、それは日本人の国民性とも言えます。
休みは「与えられるもの」という感覚があるから、その楽しみ方も出来合えのものが便利だし、そもそも主体的に関わる「時間」
がないのだと思います。

余暇を「余った暇」と書きますが、車掌長は"Vacation"の「空っぽになる」という捉え方が大好きです。
休みは仕事や日常生活の溜まったストレスを、「空っぽにする」からまた頑張れるのだと考えます。

いまや「青春18きっぷ」で旅ができる自由な発想の人々は、「お金持ち」などという古い概念ではなく、「時間持ち」という新たな価値の持ち主だと思います。

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ポニョの港町

カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2012年6月22日 04:57

 今日の朝刊で良い知らせがあった。
鞆の浦(広島県)で長年膠着(こうちゃく)状態にあった、埋め立て・架橋計画が撤回となった。

鞆の浦は風光明媚な景勝地で、宮崎駿監督が映画「崖の上のポニョ」の構想を練ったことでも知られる。
いにしえの歌人たちも、その美しさを詠み今に残している。
また、「潮待ちの港」として坂本竜馬や多く旅人が滞在し、賑わった痕跡が今なお残されている。

特に、江戸時代の港湾施設であった「常夜燈」、「雁木」、「波止場」、「焚場」、「船番所」の全てが揃っているのは、全国でもこの鞆の浦だけだという。

車掌長もこの地を訪れたが、いつまでも残したい町の風情を実感した。

そんな美しい港町の住民を長年に渡って二分してきたのが、港湾の「埋め立て・架橋計画」だった。
確かに、入り組んだ町の細い道路では、車が離合するのも困難であったり、生活道路では人と車の接触の危険性もある。

だが、このたび広島県知事が、広島地裁の「原告住民の景観利益」を認めた工事差し止め判決を受け、中止の英断を下したのは素晴らしい。

もともと、埋め立てや架橋などせず、トンネルで市街地を迂回する代替案もあったようだが、一旦動きだした巨大プロジェクトは、鞆の浦に限らずどこでも、引き戻せないメンツや利害関係があるようだ。

だが、今後の日本は人口も物流も加速度的に減少するのが目に見えている。
新たな構造物を作るより、これまで40年近くかけて全国に散々作ってきた橋や道路、建物等が一斉に寿命を迎える対策が必要だ。(そんなお金がどこにあるのかも不明だが…)

今朝は雨模様だが、後世に残したい景観を損ねずに済んだ朗報を知り清々しい気分だ。

 

ななつ星in九州

カテゴリー:①番線:鉄道(JR・私鉄)方面 2012年6月20日 05:13

 先日、JR九州がクルーズトレイン「ななつ星in九州」の運行を発表した。

来年10月の話だが、既に車両の製造が進み、コース概要も明らかになった。
車両はJR九州で多くの車両デザインを手がけ定評のある、水戸岡鋭治氏によるもの。
「和」や「旧」を基調とし、そこから「洋」や「新」の良さを生むような、水戸岡氏のセンスが随所に光っている。

また、コースは1泊2日と3泊4日の2コースがあり、4日間コースのルートを見ると「肥薩線」を通ることがわかる。
肥薩線はループ線やスイッチバックがあり、「日本三大車窓」の1つに数えらえる素晴らしい路線だ。
ここを走ることは、ルート選定をした方に拍手を送りたい。

しかしながら、この列車の残念なところは、富裕層が対象というところだ。
3泊4日コースの場合、乗車するクラスによって1人38~55万円だという。
運賃・料金以外に食事、観光、1泊の旅館代を含んでいるそうだが、これにはガッカリさせられた。

2年ほど前、水戸岡氏が、「九州で寝台列車を走らせたい」という趣旨のコメントを何かの雑誌で見て、とても期待をしていただけに残念でならない。

水戸岡氏は、国鉄時代の古いディーゼル車や特急車両などを、走行路線の風土やテーマに合わせた車両デザインを施し、外観も内装も鉄道の魅力に新たな息吹を吹き込んでくれた御方だ。
そして、何よりも多くの子供にその列車に「乗る夢」と「感動」を与えてくれた。

だが、「ななつ星」にはそんな子供の夢は届かない…

最近、つくづく思うことがある。
世の中、なぜ富裕層ばかりを対象にした商習慣になったのかと…

正確に言えば「二極化」なのであろう。
しかしながら、殊に鉄道の寝台列車では「二極化」は当てはまらない。
なぜなら、純粋に夜間移動する安価な「夜行列車」自体がないからだ。

両方の選択肢がある中で「二極化」なら、まだ救われるが、九州に限らず全国的に寝台列車は消滅傾向だ。
故に、「カシオペア」以来、十数年ぶりに機関車も車両も新造される「JR九州版寝台列車」には期待していた。

鉄道好きな子どもや、親子連れが、楽しみや夢として「手の届く」列車こそ、活力のない日本に元気を与えてくれると考える。

長い目で見れば、その子たちの「感動」や「喜び」、「経験」が、大人になって新たな文化を築くのだと思う。

 

コメント(6件)

エリート街道さんさんからのコメント(2012年11月20日 14:16投稿)

貧乏人が乗れるくらい安くすると客層が落ちてしまいます。だからある程度値段を高く設定するのは当然かと。

そもそも飛行機や新幹線と違って、カシオペアやトワイライトEXP、ななつ星といった夜行列車は、目的地に早く着くためのものじゃないんだから、乗らなくても生活には困らない。

車掌長さんからのコメント(2012年11月21日 05:14投稿)

エリート街道さん 様

この度は「哲×鉄 ブログ本線」ご乗車ありがとうございました。

エリート街道さんの仰る通り、カシオペアやトワイライトEXPぐらいの料金設定なら良かったと思います。
これらは運賃や料金が明確ですし、少し頑張れば手が届きそうです。

先日、某百貨店の100万円の福袋の中身がこの「ななつ星」だったそうです。
ななつ星のツアーは、先月申し込みが始まり、6倍超えの競争率で予約が取れないことが背景にあるようです。
この福袋も僅かな数ですから、今度はこちらを買うのも大変かもしれません(笑)

このような高額な福袋を買える方々がいるのも、今の日本。

エリート街道さん、素敵なお名前ですネ。
その街道は歩道でしょうか、車道でしょうか。
どんな場所を通る道かなぁ…と想像します。
海沿いか、山中か、街中なのか、里山か、それとも天空か…
その沿道からはどんな景色が見えるのでしょうか。

そして、その道を往来する人々はどんな様子でしょうか。

大変興味がありますので、お時間があったら、ぜひお教え願います。

それでは、またのご乗車をお待ちしております。
ありがとうございました。

寝台好きさんからのコメント(2013年3月22日 22:05投稿)

私は車掌長さんと同意見ですね。
まだまだ寝台列車に対する需要はあるはずですし、JR側がきちんと掘り起こせていないと思っていますし、営業努力で安くすることも可能なレベルだと考えています。

ただ、分割民営化以降、社をまたぐ寝台列車が組みにくくなったこと、あまりに新幹線中心になりすぎてしまったことなど、厳しい状況は変えられないだろうなとも感じています。

子どものころの憧れだった寝台特急、次世代に残せるといいのですが。

車掌長さんからのコメント(2013年3月23日 00:00投稿)

寝台好き 様

この度は「哲×鉄 ブログ本線」ご乗車ありがとうございました。

「子どものころの憧れ」…素敵なその言葉に心から共感いたします。
いつの時代であっても、子どもの憧れるモノがある世の中であってほしいと車掌長も考えます。

憧れがあるということは、言い換えれば、それを手にするための努力や工夫をすることでもあります。

そして、想いが叶った瞬間の充足感やそうした体験の積み重ねは、必ずやその少年を心身ともに逞しくし、自立への歩みを援助するように思うのです。

車掌長も「寝台特急」は憧れであり、高嶺の花でした。
急行や各駅停車の夜行列車の座席から、追い抜かれたり、すれ違うブルートレインを見送っては、いつかは自分もあちらの窓から景色を眺め、横になってぐっすり眠りたい…そんな想いを抱いていました。

しかしながら、実際に乗れた時は寝台車でありながら、眠るのが惜しかったことを覚えています。

寝台好きさんが仰る通り、寝台列車の需要は確実にあるはずです。それは、1月6日付の乗務日誌でも綴りましたが、サンライズ出雲・瀬戸が既に実証済みです。

確かに昔と違って、ビジネス客の利用を望むのは難しいかもしれませんが、快適で旅情を味わえる車両を新造したり、走行ルートや目的地にこだわりを添えれば、新たな需要を掘り起こせると思います。

新幹線中心の営業方針も、JRの経営戦略としてはよく理解できます。
「ひかり」よりも数百円上乗せできる「のぞみ」主体のダイヤを組み、折り返し時間を短縮し、本数を増やせば笑いが止まらないドル箱商いが可能です。

しかしながら、その引き換えとして、食堂車やビュッフェ、個室、ダブルデッカー、こだまの車内販売等が「効率」の名の下に消えていきました。
新幹線にも僅かながらに存在したそんな「旅情」の隠し味を、最近はことごとくファーストフード化させてしまい、国際的には日本の鉄道の醍醐味として大きな損失だったと思います。

せっかくの「旅」も「人生」も、その道中(プロセス)も楽しめた方が、より豊かなように感じます。

そして、誤解を恐れずに申し上げれば、一見「無駄なこと」や「余計なこと」と思われがちな「遊び」や「のりしろ」の部分に、大人が真剣に取り組んだり楽しむ姿勢こそが、子どもの憧れをより広く育む社会だと思うのです。

そうすれば今流行りの「さとり世代」も少なくなるかもしれません。
やる前から結果のわかることには関わらない…という風潮は寂しい限りです。

長々と綴り申し訳ありませんでしたが、寝台好きさんの再びのご乗車を心からお待ちしております。

また、ぜひ懐かしいエピソード等ありましたら、この場でご披露いただき、ともに「時間旅行」を楽しめれば嬉しいです。

本日はご乗車ありがとうございました。

higonokazeさんからのコメント(2013年9月29日 11:41投稿)

肥薩沿線をルートに選んでくれた・・隼人駅から真夜中に阿蘇まで突っ走るんだから三大車窓の景観も三大急流の球磨川も見られず・・
鹿児島本線はオレンジ鉄道へ売り飛ばしたからルートにできない必然がある。
それに気付かず能書きとは。

車掌長さんからのコメント(2013年9月29日 16:55投稿)

higonokaze 様

このたびは哲×鉄「ブログ本線」ご乗車ありがとうございました。

higonokazeさんの仰ることに、全く同感です。
せっかく肥薩線を走るのに、あのダイヤは惜しいと思います。

しかしながら、たまたま手元にあった1971年1月の時刻表の肥薩線の頁を開いてみましたら、その当時は夜行列車が健在でした。

あいにく、今回のななつ星は車窓こそ楽しむことはできませんが、星空の下、ループ線やスイッチバックを走るのも夢がありますネ。
乗車は叶いませんが、もしそんな列車の光跡を俯瞰できたらロマンチックだと思います。

また、肥薩オレンジ鉄道も「ななつ星」の走行ルートに入っていれば良かったとつくづく思います。
たとえ、JRから切り離されたとしても、北斗星やカシオペアは青い森鉄道やIGRいわて銀河鉄道を走っています。

来月からの運行を皮切りに、年々ルートの選定や通過時間帯にアイデアを凝らすと、より良いクルーズが楽しめることでしょう。

きっとリピータも増えるでしょうから、常に新しい魅力が提供されることに期待します。

話は変わりますが、「higonokaze」というお名前、とても素晴らしいです。列車の名前にあればぜひ乗ってみたいです。

それでは、またのご乗車をお待ちしております。
ありがとうございました。

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大人の超合金「新幹線0系」

カテゴリー:③番線:時間旅行、時刻表方面 2012年6月17日 05:56

発売開始から約4か月。
本当に欲しいものか、幾度となく自問自答し、ついに手にしたものがある。

大人の超合金「夢の超特急・新幹線0系」だ。

バンダイ「大人の超合金」シリーズは、これが第4作目。
他にアポロ11号、スペースシャトル・エンデバー号、小惑星探査機「はやぶさ」がある。

このシリーズのコンセプトは、"世に感動を与えたものを再現する"こと。
なるほど、どれも世界中の注目を集め、人類の「英知の結集」といえる顔ぶれ…
第1作から3作まで宇宙開発に関わるものばかりの中、4作目が新幹線だったことは嬉しい限りだ。

どれも精密・精巧に再現されているが、0系はひときわその完成度が高いそうだ。
それは「実物」が存在していたことだという。
(確かに、他のものは実物が既になかったり、機密事項に関することが多いので、取得できる情報に限りがあるだろう。)

これは直接見て制作に反映できるという点で、非常に意義深いことだ。
更に、設計に関わった星晃氏の監修、開業初日一番列車運転士の大石和太郎氏の取材もポイント。
それらが結集され、細部に渡り緻密な作り込みが実現した。

しかしながら、このシリーズはどれも「高嶺の花」だ。
税込希望小売価格で、アポロ11号(52,290円)、エンデバー号(47,250円)、はやぶさ(24,150円)!
新幹線0系にいたっては、ナント78,750円…

いわゆる「超合金世代」の40代男性が好むテーマや意匠、価格設定が心憎いところだ。
可処分所得の低い車掌長には、「大人の超傲慢」シリーズ的な商品に位置づけられた。

負け惜しみではないが、昨年8月の発売発表時は欲しいと思わなかった。
しかし、今年2月下旬に発売され、雑誌での紹介、バンダイのHPで見るうちに食指が動き始めてしまった。

そして、決定的だったのはやはり実物を見てしまった瞬間だ。

そこには定価より2万円ほど安い値札が付いていた。
その時、「大人買い」の衝動に駆られたが、すぐさま脳裏に専務車掌の顔もチラついた。

それから時は流れ、6月。
久々に実物を鑑賞したく、某カメラ量販店で尋ねたら「売り切れ」とのこと。
直感的に他店も同じ状況かと案じ、後日何店か尋ねたら案の定…

先日、秋葉原の数店で在庫を発見。
専務車掌同行の下、一番安かった某店のプライス(感謝セールで半額)を見ていただき、念願成就!

家に戻り、梱包を開けることから楽しみ、ディスプレイ完了。
個人的にも思い入れのある「新幹線0系」を、飽きずに眺めたりいじったり…

眼前の造形美から、幾つもの想い出が「時間旅行」として出発した。

 

コメント(2件)

希望者挙手さんからのコメント(2012年6月19日 21:33投稿)

車掌長の気持ち、痛い程わかります!

私も3年前にバンダイS.I.C.フィギュアの「自分魂」仮面ライダー(THE NEXT)をオーダーメイドしたことを思い出しました。

仮面ライダーのマスクを取った顔を自分の顔にできるという、高さ18cmほどの精巧なフィギュアで、可動域も広くS.I.C.サイクロン号にも乗れます。
もちろんサイクロン号(THE FIRSTバージョン)も買って、合わせて2万円弱でしたね。

1,000体限定の3回で計3,000体限定発売でしたが、3回とも即日完売でした。もちろん、私は初回に申し込みました。

大人の超合金シリーズはいいですねぇ。私も0系は欲しいと思いましたが、趣味の多い私には我家の財務大臣から許可がもらえませんでした(笑

車掌長さんからのコメント(2012年6月19日 22:45投稿)

希望者挙手 様

毎度ご乗車ありがとうございます。

♪男には自分の世界がある…と、ルパン三世の歌にもあるように
「男」というのは、人それぞれに「美学」「ロマン」「収集」「習癖」etcがありますネ。

希望者挙手さんの仮面ライダーも共感しますヨ。
オートレーサーの「本郷猛」、懐かしいです。
バイク屋のオヤジさん(名前は忘れました)も、いい味出してましたネ。

しかしながら、そのバンダイのオーダーメイド・フィギアは知りませんでしたが…

それにしても希望者挙手さんは趣味が広くて驚きです!

別件ですが、人造人間キカイダーも良かったです。
どちらも石ノ森章太郎の作品です。
彼の作品では「サイボーグ009」も大好きでした。

東日本大震災前、石巻にある「石ノ森萬画館」に行ったことがありますが、サイクロン号に乗るバーチャルゲームがあり、夢中になって跨りました。

40代半ばになっても、子供っぽい車掌長です。

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正嗣とカシオペア

カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2012年6月 9日 22:25

 

今週は出張で茨城県西部のとある町に滞在していた。
筑波山が美しく見える町で、この方向から眺める山容はハワイの「ダイヤモンドヘッド」にも似ていると思った。

日々の午後は時間に余裕があり、近郊の漫(そぞ)ろ歩きを楽しんだ。

天気が良かった日は筑波山のケーブルカーに乗り、女体山の頂に立った。
関東平野を一望する眺めは、3年前の大河ドラマ「天地人」のオープニング曲の最後に登場する、直江兼続の気分がした。

いまやどこに行っても「安全」のために柵やロープで立ち入りを制限し、せっかくの眺めを堪能できないご時世にあって、ここは思う存分に足がすくみそうなワイルドな眺めを我が物にできた。

昨日は宇都宮の餃子が食べたくなり、念願の「正嗣」(まさし)宮島本店を訪れた。
前回、栃木へ出張した際、営業時間をよく調べずに行き、閉店直後に涙を飲んだリベンジだ。

PARCO界隈の路地裏にある店に、17時ちょっと前に到着。
既に満席に近い状態だったが、ちょうど1人分の席が空いており「2人前!」と注文。

そう、ここは餃子専門店なので、何人前であるかを告げるだけだ。
ビールもライスもない。
あえて言えば、「焼餃子」か「水餃子」の別を言う時があるが、何も言わなければ「焼餃子」と解釈される。
(昔、喫茶店を「純喫茶」と称する店が多かったが、さながらここは「純餃子」だ。)

1人前6ケ×2皿を美味しくいただいた。
皮がパリパリ、中はシャキシャキな感じ。
先日、鬼怒川温泉駅前で食べた「八海山」という居酒屋の餃子も美味しかったが、こちらに軍配が上がる。

宿泊先にもどるため、JR宇都宮線上り列車に乗ろうと思ったら、次の下り列車案内に「カシオペア号札幌行」の表示を発見!
そうだ、今日は金曜日だ。
乗るつもりだった列車を1本遅らせ、カシオペアの到着を待った。

今や寝台特急はおろか、長距離列車を見ることが本当に少なくなった。
ホームの行先表示の「札幌」という文字に心が奪われ、そのまま乗り込みたい衝動に駆られる。

短いホイッスルを奏(かな)で、貫録の入線…
一見したところ、満席のようだ。
いまの札幌は「よさこいソーラン祭」をやっているから、それを観に行く人も多いことだろう。

宇都宮からの乗客はゼロだった。
12両の長い編成がゆっくりと、優雅に目の前を過ぎてゆく。

3号車のダイニングカーでは、1回目の予約客の食事が供されていた。
1回目はフランス料理コースはなく、カシオペア懐石御膳(5,500円)のはずだ。

ちなみに、さきほど車掌長が食した正嗣の餃子は2人前で420円…

味の満足は値段ではない。
しかしながら、車掌長もいつか、あちらの窓からの景色を眺めながら食事を楽しみたいと感じた。

 

コメント(2件)

希望者挙手さんからのコメント(2012年6月10日 15:07投稿)

私も餃子は断然、正嗣派です(勿論、焼きです)。
私は栃木方面へツーリングに行った際には、必ず正嗣で餃子を食べます。ルートや駐輪・駐車の都合上、今市店に立ち寄ることが多いですが。

私もいつか妻と二人でカシオペアに乗って北海道へ行きたいと思ってます。

車掌長さんからのコメント(2012年6月10日 17:37投稿)

希望者挙手 様

毎度ご乗車ありがとうございます。

希望者挙手さんは以前から「正嗣」をご存知のようですネ。
車掌長は今回が初でした。

色々な餃子が出回る中、やはりシンプルなものが「王道」だと実感しました。

そして、当たり前のように餃子しかないのが良いですよネ。
食べたら、変に長居しないでさっさと出る。
次に待っている人に席を譲るのが、この店ならカッコイイと思いました。

最近もツーリングは行きますか?
きっとあちこちに、希望者挙手さんならではの立ち寄りポイントがあるのだろうなと察します。
また何かの機会にぜひ教えてください。

カシオペアもお互いに、乗れる日を楽しみに日々頑張りましょ!

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