いい日旅立ち・Twilight Express(第1章)

カテゴリー:①番線:鉄道(JR・私鉄)方面 2014年12月19日 05:26

切符が手に入ったからと言って、トワイライトエクスプレスに必ず乗車できる保証はない、

それは、「運休」への恐れと、車掌見習の体調への不安…
まず運休については、夏は台風、冬は暴風雪など、天候に大きく左右されるのが、トワイライトEXPに乗車する誰もが抱く悩みだ。

こればかりは、どんなにお金持ちでも権力者でも覆すことはできない。
まして、一市民がオークションで正規料金の3倍以上の高額な対価を払った際のダメージは計り知れない。
この辺りが「寝台券」という、乗車できて初めて購入の目的や満足が得られるモノの儚(はかな)さであり、オークションというシステムに出回る品としての妥当性にも抵触すると思ってしまう。

もちろん、オークションやツアー参加に限らず、正規購入した場合のいずれであっても、憧れの列車が「運休」になることは極まりない悲愴に違いはない。

次に車掌見習の体調。
風邪に始まってインフルエンザや思わぬ怪我など、2歳児ならではの心配は尽きない…

ゆえに、そんな事態となれば出発当日でも「中止」を決断せねばならないことは、常に頭の中にあった。

そんな不安要素は幾つかありながらも、切符が取れてしばらくは、乗車への夢と期待の方が大きかった。

そんな11月下旬、車掌見習が突発性発疹になった。
元気だった或る日、突如熱が39度近くまで上昇し、原因がわかるまで不安であった。
3日間ほど高熱が続き、座薬で熱を下げても再び上がることを繰り返した。

食欲も細くなり、機嫌も悪い…
医者にもかかったが他になす術(すべ)もなく、ただ辛抱強く回復を待つのみ。治るのに1週間程度を要した。
だが、これが出発直前でなくて本当に良かったと胸を撫で下ろした。

やがて12月に入り、本格的な寒気が列島を包んだ。
四国の山間部が大雪に見舞われ、トワイライトEXPも運休となった日がついに現れ始めた。

乗車1週間前からは、週間天気予報を見つめる日々…
トワイライトEXPの運行区間は、一道二府八県にまたがるので、チェックする範囲も広範だ。

乗車2日前、天候は問題なさそう。

このタイミングで乗車券を購入。
今回はレール&レンタカーという企画切符を利用し、札幌から大阪への乗車券を2割引きとした。

通常だと大人16,630円の運賃が13,300円になるので、随分おトクだ。
しかも、今回は4名分の切符を買ってコンパートメントを個室化したので、この2割引きは大きい。

12月10日、正午前後の便で空路札幌へ。
トワイライトEXP乗車に万全を期すため、札幌前泊とした。

最近は子連れの搭乗もだいぶ慣れ、毎回最後部の座席を指定することにしている。

14時前、ランディングした北の大地は、純白のヴェールに覆われていた。
 

いい日旅立ち・Twilight Express(序章)

カテゴリー:①番線:鉄道(JR・私鉄)方面 2014年12月14日 05:46

♪いい日旅立ちのイントロが車内に流れ響く
次第に胸が高まり、熱い想いが込み上げる…

「今日はトワイライトエクスプレスにご乗車いただきましてありがとうございます。皆様の夢を乗せまして、トワイライトエクスプレス、札幌駅を発車いたしました。」と、旅情たっぷりな素敵なアナウンス。

憧れの名列車、臨時寝台特急「トワイライトエクスプレス」の旅立ちは、いとも劇的であった。
それは、来春廃止されるという感傷的な心持ちも後押ししただろう…

また、乗車に必要な切符入手の困難さこそが、乗車の正夢の実感を増幅させたことは否めない。
この名列車は、まず乗車手段の確保からドラマが始まるのであった。

トワイライトエクスプレスは、1989年の運行開始から25年を経ても、寝台券が手に入らない列車として有名であったが、廃止が発表されてから、その困難さは異常なほど過熱していた。

そんな憧れの寝台列車に、車掌長は哲×鉄車掌区で是非乗っておきたい…と、夏の終わり頃からその対策を練っていた。

旅行会社のツアーに申し込んだり、オークションで競り落とせば、比較的簡単に乗車の夢は叶うが、なにぶんにもそれは、高額であったり、本意ではないので、正規購入にこだわった。

ここで述べる正規購入とは、JR駅のみどりの窓口で発売1ヵ月前の10時ジャストに、希望する列車の予約を端末で叩いてもらうことだ。

よく2日前にキャンセルが出やすいと言われるが、その時点で車掌長の本来の仕事や、専務車掌のスケジュールなどを調整するのは100%不可能なので、1ヵ月前に賭けるしか方法はなかった。

11月に入り、仕事のいとまが取れそうな日を確認し、その1ヵ月前に駅へ通う日々が始まった…
と言っても、1ヵ月前の10時は仕事の真っ最中なので、事前申し込みが可能な駅に並ぶ。

某駅では7時に窓口が開く際、先着順で10時発売に対応してくれるので、毎回5時半頃に並んだ。
6時では先客がいるのを事前にリサーチした結果だが、幸いにもいつも「1番」を確保できた。

最初は個室確保を希望していたが、全くダメ。
勤め帰りに淡い期待を抱き、窓口脇にその日の予約結果が○×で示された表を見ては落胆した。

仕事が立て込み、事前対応の先着順に並ぶこともしばらくできなくなる日、或ることを試みた。

それは、個室ではない4名用のB寝台コンパートメントを取り、実質的に個室化すること。
4名分取れれば、通路と寝台区画とはガラス戸や、カーテンもあり簡易個室となる仕様であった。

そして、人気の高い下り(大阪発)と、下りよりは取りやすいと言われる上り(札幌発)の双方が運転される日の札幌発に、一縷(いちる)の望みを賭けてみた。

その日は急な仕事も入り帰宅が遅くなり、わざわざダメな結果を見に駅まで行くのも躊躇したが、しばらく並びに行けないので、けじめをつける想いで残念な結果を確かめに駅に行ってみた。

中に入らず、外から窓越しに表を見て目を疑った…
1番の欄に〇印!

慌てて、引換券と財布を取りに戻り、再び窓口へ向かった。

窓口の人に、その人が予約を取ってくれたわけでもないだろうが、二度三度、お礼を言った。
そして、端末から発券された4名分の寝台券を手にした時、あたかも床から数センチ浮上したような、リニアな不思議な気分になった。

トワイライトエクスプレスに乗るための大障壁を乗り越えた、大感動の瞬間であった…
 

首都高で季節を感じる

カテゴリー:⑤番線:feel the season方面 2014年12月 8日 04:59

師走に入り1週間、にわかに忙(せわ)しさも増してきた。

そんなことを実感できる光景の1つが首都高速。
年末に動くモノの多さを如実に語っている。

車掌長は仕事やプライベートを含め、首都高速を年間500回(片道ベース)程度利用する。
月によってかなりバラつきはあるが、多い時で4~6回/日、平均すれば40~50回/月になるだろうか。

この程度使えば、ヘビーユーザーと言っても構わないと思うが、今年はドライバーのマナーの悪さが著しかったと振り返る…

それは、積荷を急ぐトラックやダンプカーに限らず、乗用車にも当てはまる。

無理な追い越し、ジャンクション手前で車線が減少する間際での割り込みは酷過ぎる。
また、ハイブリッド車等のエコカーの普及で、省エネ運転を心掛けるドライバーも目の敵にされている印象を受ける。

首都高速は複雑な構造をしており、出入路が左側車線とは限らない。
他の高速道路であれば、右側車線は追越車線となるが、首都高速に限っては、右側車線の出入りが頻繁にある以上、それは当てはまらないと思う。

しかしながら、右から合流して右側車線を走っていたり、右側出口で降りるために右側を走っていると、後の車間を詰められ煽られている車をよく見かける。

すると、前述のマナーの悪い車は左側から無理に追い越そうとし、招かざる事故を起こす一因にもなる。

ところで、さきほどは一部のトラックやダンプカー、乗用車としたが、リムジンバスの横暴さも見逃せない。

空港利用者のために定時性を確保したいのは、重々承知しているが、ジャンクション合流間際で割り込みまがいの運転は、プロとしてどうなのか?と思う。

緑ナンバーの営業車、プロのドライバーがそのような運転をするなら、一般のドライバーが「自分も」と真似したくなるのは否めない。

これは、リムジンバスの運転手各自の判断でやっているのか、もしくは、会社としての「方針」や「指示」としてやらせているのか、大変興味深い現象だ。

もちろん、そうした行為は白の破線区間での出来事だから違法ではない。
だが、ジャンクションの手前からきちんと合流に備え車線変更をして列を守っている車を追い越し、車線が減少する間際でウインカーを出され割り込まれる時の不愉快な心情を察してほしい。

そして、そうした割り込みが絶えないから、渋滞が無意味に延びる悪循環になっている。

やはり、緑ナンバードライバーたる者、他者の手本となるプロ魂やプライドを示してほしい。

皆、急ぎたいから高速を使っているのに、マナーの悪い一部のドライバーの存在で、渋滞という社会的な時間損失を被るのは甚だ不愉快だ。

そんな不愉快な渋滞の中、ラジオを聴いていたらお馴染みのイントロがかかり、思わず音量up!
山下達郎の「クリスマス・イブ」だ。

時代を超えて、毎冬多くの人に愛されている名曲を耳にして感じる季節感は素敵だ…

温泉達人会 volume08

カテゴリー:⑥番線:温泉方面 2014年12月 6日 05:47

今年も温泉シーズンがやってきた

そして、この時季に発行され一部の有名書店にも置かれる、知る人ぞ知る小冊子がある。
温泉達人会の「会報」だ。

今季で8年目、すなわち8冊目となった。
回を重ねるごとに頁数も増え、128ページとなった。

温泉達人会の会員は現在33名。
うち今回は17名が寄稿し、車掌長も稚拙ながら毎回掲載していただいている。

温泉同好の仲間が、この1年間に訪れた温泉についての報告や紹介が楽しみで、今年はどんな「湯」を味わえるかワクワクしてしまう。

自分自身ではなかなか行くことのできないような温泉が多く、それぞれの会員の独特な角度・視点から発せられるコメントも大変興味深い。

どの年の会報にも言えることだが、各会員の文章は、まさに個性豊かな「源泉」そのもの。
各自の温泉への想いや慈しみ、楽しみ方のツボまで、掛け流しで惜しみなく注がれ溢れている。

また、この小冊子の特筆すべきは、ビジネスが第一の大手出版社では、まず掲載されることのない温泉や旅館がふんだんに掲載されていること。

このような温泉の存在を知ると、本当に温泉が好きな人であれば、きっとすぐに訪れたくなる所ばかりだ。
または、今まで訪れていた温泉の「価値観」が180度、540度転換する契機になるかもしれない…

特に、今回の会報で車掌長が行ってみたいと思ったのは、某金融機関で温泉の広報係(!?)をなさっているT氏の紹介してくださった伊豆の秘湯。

あえて、その内容はここで紹介しないが、湯の国「伊豆」にもこのような秘湯があったことを知り、とても新鮮な清々しい想いを読後に抱けた。
ここはぜひ、近々訪れたい。

ところで、今回車掌長が掲載した温泉地・宿は、乗鞍高原温泉の某旅館。
昨年の№7から子連れで楽しめる(楽しめた)旅館を、昔の当該温泉地の想い出も含めて紹介している。

なお、温泉達人会の会報はどこでも簡便に手に入るものではない。
そんな入手の不便さも、アクセス困難な「秘湯」に似ており、書店で巡り逢えたり、手にできた時の感慨は一入(ひとしお)だ…

もし、興味のある方は、温泉達人会のホームページをご参照願いたい。

定価:700円+税