いい日旅立ち・Twilight Express(第2章)

カテゴリー:①番線:鉄道(JR・私鉄)方面 2014年12月21日 05:18

この時期、札幌の街はイルミネーションで彩られる。

札幌の「ホワイト・イルミネーション」は、今年で34回目にもなるそうだ。
また、仙台の「光のページェント」も調べたら、今回で28年目と札幌に次ぐ積み重ねがあった。

車掌長がイルミネーションと聞いてイメージするのは、神戸のルミナリエ…
阪神・淡路大震災の起きた年に、犠牲になった方々への鎮魂と追悼、街々の復興を願い、激減した観光客を呼び戻す目的で開催され、いまに至っている。

いまやLEDの普及と省電力の恩恵で、各地で隆盛を誇るイルミネーションだが、あまりに商業的で大規模過ぎてケバケバしさを感じるのは、車掌長ぐらいかもしれない。

まさに経済優先思考で、人が集まりカネが儲かるなら、どこもかしこも「バスに乗り遅れるな」とばかりに、有名デザイナーに頼む人任せのワンパターン。

札幌や仙台、神戸のように歴史や趣旨が明確な「光のイベント」であれば、年ごとに訪れる人が増え、それに比例して電球の数も増えてゆくなら好ましいが、山奥の丘をいきなり電飾の海に変えてしまうような節操の無さには閉口してしまう。

この手のメッキ的なイベントは一過性で終わり、長続きさせて人々の心を癒し、愛されながら歴史を積んでゆけるような施設や場所はごく僅かだと予想する。

しかしながら、言い方を変えれば、その「一過性」なモノを消費者が望んでいるのも否めない。
大規模な敷地を埋め尽くすほどの数千万もの電球を用い、見た目の派手さを競い会わないと集客できないのは、見る側の感度や感性も鈍ったり曇ったりして、表面的かつ打ち上げ花火的な驚きにしか反応できないのかもしれない。

イルミネーションブームに水を差す気はサラサラないが、原発事故とそこで決意したはずの節電意識は、被災された方々以外の人々には、もはや忘却の彼方の出来事になったと認めざるを得ない…

繁華街を避けた中島公園の傍らで宿泊し、「トワイライトエクスプレス・イブ」は静かに更けていった…
 

コメントお待ちしてます!

コメントはこちらからお願いします

名前

電子メール

コメント