不便さが豊かさ
カテゴリー:⑥番線:温泉方面 2011年11月 3日 20:09
先日、温泉同好の仲間が年に一度集う「納会」が山形県の姥湯温泉で開かれた。
この一年、みなそれぞれの湯巡りを楽しんだことが、会話や会報の内容から伝わってくる。
会報は今号でvol.5となり、会員にとっても思いは一入であった。
姥湯温泉では、夜の露天風呂で久しぶりに満天の星空を仰ぐ湯浴みとなった。
日常では見られない星々の瞬きに、ただ、ただ心が洗われる。
翌日は滑川温泉に立ち寄り、途中新そばを食べて大平温泉に泊まった。
最上川源流部の谷底にある一軒宿。
車でかなり険しい道を登り、最後は徒歩で20分ほど急坂を降りやっと辿り着くことができる秘湯だ。
ここは宿までのアプローチも一苦労だが、テレビもないし、携帯電話の電波が届かないのも頷ける。
まさに外界から隔絶された感も否めない立地である。
しかしながら、こんな不便さが次第に豊かさに思えてくるから不思議だ。
「豊かさ」とは決して金銭的な裕福ではなく、心が満たされることに真の意味合いがあるのだと思う。
渓流の露天風呂に浸かり、時を忘れ、目を瞑る…
聴こえるのはやがて大河となる最上川の水が、生まれて間もないままの瀬音だけ。
日頃の喧騒も煩わしいことも、この大自然と温かな湯が浄化してくれるのを感じるひととき。
この時間や空間が、車掌長にとってのデトックスなのかもしれない。
この佳宿も11月5日の宿泊をもって今年の営業を終え、長い長い冬を迎える。
コメント(2件)
温泉おやじさんからのコメント(2011年11月 6日 19:39投稿)
納会お疲れ様でした。私もあの姥湯で見た満天の星空はたぶん生涯忘れることは無いくらいの美しさでした。
大平でみなさんとお別れした後、一人であの山道を歩いて戻るのが寂しいのとシンドイとの合わせ技で…ヒィヒィゼィゼィ…言いながら上がりました(泣)
オンボロ軽四号も何とか往復1400キロを耐えてくれ夜中でしたが無事帰還することが出来ました。
2日間本当にお世話になりました。またお逢いできる日を楽しみにしております。
車掌長さんからのコメント(2011年11月 6日 22:31投稿)
温泉おやじ様
このたびは「哲×鉄 ブログ本線」ご乗車ありがとうございました。
大平温泉でお見送りをする際は、あの登り坂を考えるととても酷な心境でした…
お仕事の都合が許せば、ぜひもう1泊ご一緒したいところでしたが、無事お帰りになったようで良かったです。
往復1400㎞の運転、本当にお疲れ様でした。
ところで、納会でご馳走になった温泉おやじさんご当地のお酒はとても美味しかったです!
どちらも希少な日本酒と焼酎を味わえて至福でした。
ありがとうございました。
またぜひ湯浴みをご一緒できる日を楽しみにしております。
よろしければ「鉄分」の多い温泉企画もありますので、そちらでもお会いできれば嬉しいです。
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