ゆく河の流れは絶えずして

カテゴリー:③番線:時間旅行、時刻表方面 2012年1月 1日 20:12

新たな年を迎えた。
今年が天災等のない、平穏な時間が送れることを願ってやまない。
そして、皆様はじめ、日本中の方々と僭越(せんえつ)ながら車掌長にとっても最良の年となりますように。

ところで、今年は鴨長明(かものちょうめい)が方丈記を著してちょうど800年の節目にあたる。
「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」の冒頭はご存知の方も多いだろう。

流れる河の水が二度と戻らないという事象は、「過ぎた時間」も二度と取り戻せないことを悟らせる。
そして、物事が長くそのままの状態であることはなく、変わりやすく儚(はかな)いものであると前置きし本題へと入ってゆく。
この冒頭だけで読む者の心をグッとつかむ不思議な力を持った文章だ。

偶然かもしれないが、今日の日本の状況と、方丈記に記された約800年前の日本は酷似している。
鴨長明が若き頃、平安末期の京都では度重なる大火、竜巻、飢饉、大地震などの天災・人災に見舞われた。
そして、そこで自らが目撃・体験した天変地異のありさまを、ドキュメンタリーのように詳細に綴ったのが方丈記の前半だ。

「歴史は繰り返す」「歴史から学ぶ」ということの大切さを、今日ほど痛切に感じることはない。

スケールは違うかもしれないが、この「哲×鉄」も過去のJTB時刻表をめくることで、個人の歴史やついこの間過ごしていた社会を振り返り、今後の方向性を見つけたり、二度と同じ失敗を繰り返さないことに気付く契機になればと願う。

あらためて、この年が日本にとって良い年でありますように…

 

コメントお待ちしてます!

コメントはこちらからお願いします

名前

電子メール

コメント