祝・CD発売30周年

カテゴリー:③番線:時間旅行、時刻表方面 2012年7月22日 05:39

19日から「ミュージック・ジャケット・ギャラリー2012」が行われている。
場所は高島屋新宿店1階の特設会場。

その一角に、CD草創期の展示コーナーがあった。
今年はコンパクト・ディスクが登場して30周年になるそうだ。

1982年10月1日
世界で初めて日本が世に送り出したCDは、CBSソニー(現ソニーミュージック・エンターテインメント)。
アーティストはビリージョエル
アルバムは「ニューヨーク52番街」
洋楽に詳しくない車掌長も、2曲目の「Honesty」は大好きな曲だ。

ちなみに、同時発売された世界初のCDプレーヤーも展示されていた。
SONY CDP-101 168,000円 7.6㎏

だいぶ大きく、今のミニコンポのような印象。
背面にある放熱用の「フィン」と呼ばれるギザギザの突起物も興味深かった。
再生等の各種スイッチ類は大きさや視認性に優れ、何よりも「DIGITAL」の文字が誇らしげだ。

車掌長が高校生の頃、CDプレーヤーは憧れの最先端技術であり「欲しいモノ」だった。
まだまだCDのソフトが少なく、プレーヤー自体が高価であり、LPレコードが主流であった。

近所のレンタルレコード店「友&愛」で、お気に入りのレコードを借りては、せっせとカセットテープにダビングをしていた。
その際、レコードを借りる時も返す時も、店員が入念にレコードの傷や埃がないかチェックしていた姿が懐かしい。

車掌長がCDプレーヤーをやっと手に入れたのは、1988年。
この年は青函トンネルや瀬戸大橋が相次いで開通し、日本全土が鉄路で結ばれた記念すべき年。

ちなみに最初に買ったCDは"THE SQUARE"の「TRUTH」。
ノイズのない、シャープな感覚の音に感動したことを覚えている。

時は流れて30年…
今やCDも「ダウンロード」の猛威にさらされ、衰退の一途を辿っているとのこと。

だが、車掌長は冒頭のイベントの趣旨でもある「ミュージックジャケット」の素晴らしさや「聴く手間」にこそ、音を楽しむヒントがあるように感じる。

何でも便利なるのは結構だが、便利さに甘んじると、かけがえのない価値を貶(おとし)めることにならないだろうか?
それは人やモノに対する敬意や扱いが「ぞんざい」になるとも言えるだろう。

ジャケットを手にし購入する。
アーティストの想いやメッセージを想像し、CDをジュエルケースから出す。
プレーヤーに乗せ、ローディングさせる…
そんな一連の「手間」をかけることが、一服の心地よい時間を紡ぐのだと思う。

実は車掌長は、今になって、レコードの傷や埃を拾う針の音が愛おしくてたまらない。
それは、人間も同じだと思うからだ。

生きてきた時間が長くなれば、それなりの傷や汚れがあるもの…
そして、そんな経年の宝物を自他ともに認め合うのが、時間旅行の味わいでもある。
 

コメント(10件)

希望者挙手さんからのコメント(2012年7月22日 23:16投稿)

長女の成績の悪さに、家内が激怒している今日この頃です(笑

旅と音楽はセットで思い出になることが多いですね。

車掌長と自動車で旅に出かけると、高速道路に入る時のテーマソングに「TRUTH」やTOP GUNの「DANGER ZONE」をかけていたことを思い出します(笑

「友&愛」懐かしいですね!今でいう「TSUTAYA」でしたね。

私は、今でも時々中古レコードを買っています。CD化されていない作品を見つけることも楽しみの一つです。

ジャケットのデザインも作品の重要な要素であり、歌詞カードの評論家によるライナーノーツを読んで、レコードを取り出して、クリーナーで埃を拭き取り、ターンテーブルに乗せ、針を落とすまでのドキドキ感、何よりもA面からB面にひっくり返すという、今では考えられない、面倒な一連の儀式が、何よりも贅沢な時間だと感じています。

A面B面がなくなり、ジャケットが小さくなってしまったCDさえも愛おしい時代になりましたが、私も「ダウンロード」には抵抗感を持っています。

ちなみに私が初めて購入したCDはEUROPEというスウェーデンのヘヴィメタルバンドの「THE FINAL COUNTDOWN」というアルバムでした。そして、最近購入したCDは、SHOW-YAの最新アルバム「GENUINE DIAMOND」です(笑

「ニューヨーク52番街」といえば、「MY LIFE」という曲も私は気に入っています。
この曲は、SONYの「XYZ(ジーゼット)」というラジカセのCMソングで流れていました。

実は私が今、一番欲しいものは昔のラジカセです。
東急ハンズ池袋でイベント開催中ですので、お時間があれば、こちらも覗いてみてください。
http://www.dug-factory.com/

ここでも、経済性、効率性至上主義で忘れてしまった、大切なものが見つけられるかも知れません。

車掌長さんからのコメント(2012年7月23日 05:30投稿)

希望者挙手 様

毎度ご乗車ありがとうございます。

ハンズ池袋のイベント、調べてみました!
思わず買ってしまいそうで、専務車掌に怒られそうな危険な雰囲気が漂っていますネ。

「ラジカセ」もよく旅に連れていきました。
今思えば、よくあんなに大きなものを持って列車に乗ったなぁと思います。

希望者挙手さんのレコードへの愛着、素晴らしいです!
針を落とし曲が流れるまでのドキドキ感、たまらないですよネ。
共感します。

今の時代は何事も「のりしろ」が足りなすぎると思うのです。
これらはすべて無駄なもの、非効率なものとして削ぎ落とされ、地に足の着かないような不安定な状況が多すぎます。

車のハンドルもしかり。
ある程度の遊び部分がないと、危険な挙動になりますよネ。

忙しい世の中だからこそ、自分自身で意識的に心の「のりしろ」や「遊び」を持っていないと…と感じます。

希望者挙手さんとのドライブも懐かしいです。
列車で行けないような秘湯や山道によく行き、その時々のシチュエーションに合った音楽も蘇ります。

あの頃は、カーオーディオもカセットデッキでした。
旅用に色々な曲を1つ1つ録音してつなぎ合わせ、INDEXを書くのが好きでした。
そして、頭出しができるように、長からず短すぎずの「間」を空けるのも一興でした。

希望者挙手さんが仰るように、同世代以上の者にとっては、過去の時間に存在する「忘れもの」や「落しもの」を探しに行く時間が贅沢であり、大切な気がします。

また、その時代を知らない若い皆さんにとっては、それらの時代を知ることが新しい発見につながると思います。

たくちゃんさんからのコメント(2012年7月23日 05:39投稿)

CDが登場したのは、ワタクシが小学生のときだったと
記憶しています。
当時、珍しかったプレーヤーを親にねだり
結局は買ってもらえなかったことを思い出します。

あれから30年ですか。
年を取るわけです。

車掌長のように、LPを聴ける環境がなかったワタクシが
初めて買ったのは「ミュージックテープ(合ってますかね?)」。
中学生のときでした。
今ではもう知る人もないであろう「The Power Station」の
デビューアルバムでした。

ご存知の方が聞いたら
「中学生で『Power Station』かよ!」という
ツッコミがくるところでしょうか(笑
実にませた中学生でした。

今になって改めて思い返すと
まったく畑違いの音楽性を持った4人が組んだ
当時としては実に画期的な試みでした。
就職や転居に伴い、テープもどこかにいってしまいましたが
今となっては失くしたことが悔やまれてなりません。

VAN HALENの「1984」、METALLICAの「MASTER OF PUPPETS」
テープはいろいろ持っていたはずなんですがねぇ。
実に、惜しいですな。

> 希望者挙手 さん

FINAL COUNTDOWNは、あのころの王道ですね。
僕も好きで聴いていました。
当時は1曲目の「THE FINAL...」ばかりが取りざたされていましたが
「Heart Of Stone」「Rock The Night」などを
好んで聴いていたことが思い出されます。

後にソロになったJohn Norumのギターが好きで
脱退した後は、それほど聴かなくなりました。

あとは…「Dokken」「Yngwie Malmsteen」「Racer X」…

…昔も今も「速いモノ」への憧れは少なからずあるようで…(笑

ずいぶんお会いしていませんよね。
今度是非、また、周囲が軽く「引く」ぐらいの
お話で盛り上がりたいですね。

車掌長さんからのコメント(2012年7月23日 21:00投稿)

たくちゃん 様

毎度ご乗車ありがとうございます。

たくちゃんさんが紹介して下さった曲やアーティストが全くわからず申し訳ありません!

しかしながら、きっと希望者挙手さんが、共感や持論を展開して下さると思いますヨ。

車掌長はこの哲×鉄ブログ本線の列車で、お客さん同士がご相席いただくことを嬉しく思います。
そして、そんな列車(話題)に乗務し、共に時間旅行が楽しめれば車掌冥利に尽きます。

どうぞ、狭い車内ですがご歓談を楽しんでくださいネ!

それにしてもたくちゃんさん、
30年という時間は、過ぎればなんともあっけないものですね。

車掌長も、人生の半分の時間を既に過ごしてしまったのが不思議です。

何歳まで生きられるかはわかりませんが、JTB時刻表愛読1000号が迎えられれば本望です。


匿名さんからのコメント(2012年7月24日 00:42投稿)

たくちゃんさん

ご無沙汰しております。

さすが、たくちゃんさん。「POWER STATION」わかりますよ!こう見えて私は「DURAN DURAN」好きですから(笑

ちょっと前のホンダのCMで「GET IT ON」が流れてましたね。(あえてT-REXにしないところがホンダらしい)
今はスズキがVAN HALENの「YOU REALY GOT ME」ですね。

「Dokken」あのジョージ・リンチは、ランディ・ローズ亡き後、ランディのギター教室を引き継いだんでしたね。
「Yngwie Malmsteen」は、高校生の時に「ALCATRAZZ」で初めて聴いた衝撃が今も忘れられません。
「Racer X」「セカンド・ヒート」はかっこいい!ポール・ギルバートの「Mr.BIG」もいいけど、スコット・トラヴィスの「JUDAS PRIEST」は最高!

すでに、鉄道ファンからは引かれるようなノリになってしまいましたが、車掌長のお言葉に甘えさせていただきます(笑


車掌長さん

ヘビメタにも鉄道の曲があるんですよ。
Ozzy Osbourneの「Crazy Train」です。

ドボルザークの「新世界」は鉄道の走る音をヒントに作られたと言われてますが(中学校の英語の教科書でそう紹介してた)、それ以上に鉄道っぽい曲だと思いますので、機会があれば、You Tubeなどでご覧になってみてください。

機関車が今から発車するようなイントロから疾走するサビまで、この感じは、実はヘビメタ・ファンよりも鉄道ファンの方が理解してもらえるかも知れません。

希望者挙手さんからのコメント(2012年7月24日 00:44投稿)

↑↑↑すみません。熱くなり過ぎて、名前を入力するのを忘れてしまいました・・・

車掌長さんからのコメント(2012年7月24日 21:00投稿)

希望者挙手 様

今日、所用で板橋方面へ行き、思わず途中下車でハンズ池袋に寄ってみました。

例のラジカセの展示イベント、こじんまりしたコーナーでしたが、置いてあるものはなかなか良かったです!
子供の頃、年上の従兄弟が持っていたものもあり、懐かしかったです。

整備済みのものも販売していましたが、5~7万円ほどと高価で、見るだけで楽しみました。

驚きだったのは、初代Macintosh(128kかな?)が置いてあり、何か映像が流れていたことです。
懐かしいデザインですが、今見ても新鮮でした。

「Crazy Train」もぜひ聴いてみたいと思います。

色々とご紹介いただきありがとうございました!


希望者挙手さんからのコメント(2012年7月25日 01:25投稿)

「ラジカセのデザイン」に行かれたのですね。
小さなスペースではありますが、当時のラジカセがきれいにオーバーホールされて展示されている様子は、楽しかったのではないでしょうか。

私はAIWAのCS-85Xというラジカセが欲しいのですが、ラジカセ貯金でもしなければという感じです(笑

MACもありましたか?私が初めて買ったパソコンがMACのPERFORMERという機種でした。懐かしいです。

そうそう、「CRAZY TRAIN」は、こちらがおススメです。

http://www.youtube.com/watch?v=6aS3WKckqKM

たくちゃんさんもご一緒に、ヘビメタ列車をお楽しみください。

ヴォーカル:オジー・オズボーン
ギター:ランディ・ローズ
ベース:ルディ・サーゾ
ドラムス:トミー・アルドリッジ

私にとってOZZYバンドの最高期です。

たくちゃんさんからのコメント(2012年7月26日 06:07投稿)

たくちゃんでございますよ。
ワタクシのしょうもないコメントに再三のお返事
まことにありがとうございます。

> 車掌長 さま

いや、懐かしいですね。
古い機械は、見ているだけで楽しいものです。

僕が一番初めに親に買ってもらったラジカセは
カセットテープも1本しか入らない
シンプルなものでした。
その後、初めて自分でラジカセを買い換えたとき
「これでCDのダビングもできる」と
うれしかったのを思い出しました。

今ではカセットテープも「昔懐かしい」時代になってしまいましたね。
CDのデータ保存年数は、大体20年と聞いたことがあります。
アナログのよさも認めていいと思いながら
お客様のデータのバックアップを
DVDに取り続ける毎日です。
こんなバックアップを毎年のようにしています。
データが消えてしまっては、洒落になりませんので…。

> 希望者挙手 さま

初めてのPCがPerformerだったとは!
希望者挙手さんの「通」な一面がもうひとつ
垣間見えたような気がします。

我々(ワタクシと相方)が、初めて買ったPCは
「Power Macintosh 8600-200-zip」でした。
ワタクシがデザインやグラフィックの仕事に
初めて就いたとき、
編集マシンといえば「Mac」があたりまえでした。
会社では「Power Macintosh 9500」が
鎮座していた記憶があります。
15年前としては破格のメモリ768MB搭載可能マシンに
少なからずあこがれていた覚えがあります。

> 車掌長 さま
> 希望者挙手 さま

Crazy Train 見てみましたよ。
以前はよく聴いていた曲でしたから
いや、懐かしいですなぁ。

この時期のOZZYバンドのメンバーは
確かにとんでもないですな。
ルディー・サーゾはWhitesnakeなんかでもやっていましたし、
トミー・アルドリッジは、まさに言うに及ばず。
こうなると、ランディが亡くなってしまったのは、
まことに惜しい。
今はタッピングといえばエディーやVaiなど
すごい人が多いですし
特に取り上げられることも少ないものですが
初めて表に出たのがランディだったと思います。
いや、そういった意味でも、まことに惜しい。

…ますますサイトの趣旨からかけ離れていってしまっています。

> 車掌長さま

こんなんでいいんでしょうか…(笑?

車掌長さんからのコメント(2012年7月26日 22:25投稿)

たくちゃん様

こんなんで良いのです!
もちろん、サイトの趣旨からも脱線してませんヨ。

哲×鉄ブログ「乗務日誌」は、ご乗車(コメント)いただいた方やご相席いただいた方と、共に目に映る車窓の景色(世の中の諸々etc)を楽しむのが趣旨です。

入口こそ時刻表(鉄道)のサイトですが、時間軸を羅針盤として、その時々の列車(話題)に乗り、自由に過去に戻ったり未来を見据えたりすることを楽しめればと思っています。

車掌長もたくちゃんさんや希望者挙手さんをはじめ、今までご乗車いただいた方々の想い出話を疑似体験させていただき、共感したり、新たに知ることの多さを新鮮に感じ、日々楽しく乗務しております!

今度、ぜひ3人で本当の旅に出るのもきっと楽しいですネ!
そんな日を楽しみにしています。

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