蝉しぐれに想う

カテゴリー:⑤番線:feel the season方面 2012年8月25日 06:54

日本の夏の風物詩とも言える蝉しぐれ。
朝から宵の口までシフト勤務のごとく、時間帯によって種類の異なる蝉たちの大合唱が聴こえる。
クマゼミは午前、アブラゼミは午後、夕方はヒグラシ…

猛暑の折、この大合唱にイライラが募ることもしばしば…
しかしながら、蝉の一生を思い出すと、その活動に耳や心を傾けるのも味わい深いものがある。

正確ではないが、蝉の一生を象徴的に表すものとして「幼虫7年、成虫7日」という言い方がある。
つまり、幼虫として土の中で7年もの歳月を過ごし、成虫として地上に出現後、7日という短い時を過ごし生涯を終える…

そう思えば、7年前に幼虫として土中に潜り、今年になって現れた「生」の営みを、単に「ウルサイ」と片づけられない時間旅行的な想いが募る。

7年前の自分と、今の自分。
7年前の社会と、今の社会。

この時の流れの中で、自分や社会が得たものや失ったものは何か?
また、変わったことや変わらないことは何であったか…

人は誰しも、その日その日を生きるのに精一杯だ。
ゆえに、関心ごとも目先のこと、身近なことが中心となって当たり前だ。

だが、たまに、立ち止まり振り返ることも、この先を見据えて生きる上では大切なことだと思う。

歴史も未来も、全てが連綿とした「時の道」の上に存在する。
特に、隣国が突発的に起こした出来事には、一過性や部分的な感情で左右されない冷静さが必要だ。

蝉を引き合いに出しては蝉に申し訳ないが、残り少ない寿命を己の保身のために声高に叫ぶ姿は哀れに映る。

そんな想いを抱いた、晩夏の朝…
 

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