2時間59分

カテゴリー:①番線:鉄道(JR・私鉄)方面 2012年9月 5日 05:28

 

表題の時間は来春のダイヤ改正で、東京と新青森が結ばれる所要時間だ。
JR東日本の「はやぶさ」が試運転を重ねた結果、当初予定の3時間5分から6分以上短縮させることを可能とした。

最高速度は現行の300㎞/hから、320㎞/hへ引き上げられ、国内最高速度となる。

青森まで3時間を切ることは、鉄道事業者として切実な壁であったことだろう。
それは航空機との競争があるからだ。

「6分」のインパクトは、単なる「6分短縮」ではない。
「2時間台」という表現ができる大看板だ。

航空会社にとっては脅威だ。
このダイヤ改正によって、東京~青森間で飛行機を利用する人は、時間に余裕がある人か、マイルを貯めている人になるかもしれない。
まして、青森便は気象状況による「欠航」も多い路線として有名だ。

それにしても、航空機利用者が車掌長の言う、「時間持ち」のカテゴリーに入りつつある現象も面白いことだ。
飛行機は純粋な飛行時間こそ短いが、出発空港及び到着空港のアクセス、搭乗時間、欠航のリスクを含めれば、実はかなり面倒な乗り物だ。

車掌長はその面倒な時間も旅情と感じ、飛行機も大好きだが、出発時間ギリギリに飛び乗れる簡便さや、本数の多さという融通性から言えば、新幹線に軍配が上がるのは明白だ。
 

しかしながら、東北新幹線の速度向上もここまでにしてほしい。
この先は、東海道新幹線のように、1分という時間を縮めるために莫大な投資を必要とする領域に入る。

車掌長は、その1分のために回す資金よりも、被災地の鉄道復興や災害で不通となっているローカル線の1日も早い復旧を切に願う。

儲かるところに投資をするのが「経済社会」だが、鉄道には「公共性」の使命があることを忘れてはならない。

また、これは余談であるが、青春18きっぷでのんびりと旅を楽しむ人が増えていることに喜びを感じる。
しかし、最近は多くのローカル線での慢性的な車内の混雑が気になる。
旅行者だけでなく、日頃利用している方々も、都会とさほど変わらないのでは…と感じる。

これは、1本の列車の編成が短すぎるのが原因だ。
ワンマン運転の多い路線は、運転士が車掌の役割を担っていることもあり、1人の目が届くのはやはり1両かせいぜい2両編成であろう。
何でも効率を求めればこうなるのは仕方がないことか…

また、地方の中都市間を結ぶ近郊列車も、概ね車両数が短めの傾向にある。
たしかに見た目の「乗車率」は良い数字を弾き出すが、利用者にしてみれば「受難」だ。

特に、東海道本線を東京口から熱海などで乗り継ぐ場合、10数両あった列車から、その半分以下の両数しかない列車に乗って閉口した人も多いのではないだろうか。
青春18切符愛用者も、せっかくの鈍行旅行なのに、のんびりと車窓など楽しめず、座ることが旅の目的になるかもしれない。

何でも「儲け」や「効率」ばかり追いかけると、貴重な鉄道の魅力を失いかねないであろう。
 

コメント(2件)

匿名さんからのコメント(2012年9月 5日 20:27投稿)

東北新幹線は、その先の北海道新幹線と繋がっているので
更なるスピードアップをせざるをえないのです。

匿名様さんからのコメント(2012年9月 5日 21:21投稿)

匿名様

このたびは哲×鉄ブログ本線ご乗車ありがとうございました。

匿名さんの仰る通り、東北新幹線は北海道新幹線へと繋がっていきますので、更なるスピードアップは使命だと言えます。

特に、青函トンネルは新幹線が走ることを見越した規格になっていますので、宝の持ち腐れとならないようにすることも理解できます。

また、青函トンネル内は、速度の違う貨物列車運行との兼ね合いで、どこまで新幹線のスピードを確保できるかが課題だと言われています。

そうなれば、東京から函館までの所要時間を短縮する要は、既存の東北新幹線内でのスピードアップとなることでしょう。

それにしても、新幹線で函館まで行ける日も近いことが夢のようです。

青函連絡船で青森から函館まで3時間50分かけて旅した時間に、少しプラスするだけで東京から函館に着いてしまうのですから…

末筆ながら、コメントをいただいたお礼を重ねて申し上げます。
ありがとうございました。

ところで、匿名さんはどんな旅がお好きでしょうか。

よろしければ、またのご乗車の際に教えてください。

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