AM5:00発 ひかり322号

カテゴリー:③番線:時間旅行、時刻表方面 2012年12月 2日 07:40

師走に入り暦も残り1枚となった。
年末年始に公共交通機関で帰省される方は、往復の席の確保に真っ最中の頃であろう。

とはいえ、今は一昔前に比べ切符(予約)はネットの普及もあり遥かに確保しやすくなった。
また、飛行機をはじめ、新幹線や夜行高速バスなどの利用交通手段の選択肢も多くなった。

さて、タイトルの新幹線の出発時間に「おや?」と思われた方がいらっしゃると思う。
よく新幹線を利用する方なら、「そんな時間に列車は走ってないはず…」と気付かれるだろう。
もちろん現在は存在しないが、1960年代後半から70年代前半までは運転されていた。

鉄道に興味がある方は、この列車は末尾が偶数なので上り列車であることがわかる。
このひかり322号は、新大阪5:00発、東京駅8:10着。
これなら大阪から東京での会議に、余裕で間に合うダイヤだと思われるかもしれない。

しかしながら、この列車のお客はビジネスマンではなく、九州方面からの年始の帰省客だ。
この新幹線に接続していた列車は、臨時急行「筑前」&「ぶんご」。
両列車とも始発駅である博多と大分を午後の昼下がりに出発。
途中で両者は合流し、新大阪へは翌4:21着というダイヤだ。

なお、このひかり号は年末の下りにも設定がある。
東京21:30発のひかり329号が、新大阪に0:40に到着後、同急行に接続し九州へと出発する。

ちなみに、この話を綴る際に車掌長が手にしている時刻表は1967年12月号(通巻第502号)。
この号のグラビア特集は、当時の年末年始の帰省がいかに過酷であったかの一端を垣間見ることができる。
みな遠い故郷へ「座って帰る」ことに血眼になっていたことと察する。

年明け1月からは、「哲×鉄アーカイブ本線」の各駅(各号の読みどころ)の工事を再開予定。
今回のように、昔の時刻表でしか味わえない時代への時間旅行をお届けできれば…と思う。

(追伸)
今回の話は車掌長は生まれて間もない頃のため、その様子を知る由もありません。
当時の帰省のエピソードや状況を体験したり、ご存知の方はぜひコメントとしてお送りいただけるようお願い申し上げます。

そして、当時の帰省旅行の大変さを知らない世代が、追体験の「時間旅行」をご一緒させていただければ嬉しく思います。
 

 

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