パーフェクション
カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2012年12月22日 07:04
子どもの頃「パーフェクション」という玩具があり、よく遊んだ。
形状の異なる30個近い駒を、その形通りの穴に収容する単純なゲームだが、制限時間60秒以内に達成しなければならない。
不覚にもコンプリートできなかった場合、全ての穴が勢いよく持ち上がり、星一徹のちゃぶ台返しの有様となる。
いかにもアナログで昭和の遊びだが、とてもスリリングであり、複数名で囲んで遊べる共有感があった。
趣向は異なるが、黒髭危機一髪ゲームも誰の刀剣で黒髭の海賊が飛び跳ねるかが、無性に楽しかった。
さて、そんなパーフェクションの60秒なら、失敗しても笑える話だが、某ハンバーガーチェーンが先日発表した「60秒」には辛辣な心苦しさを感じた。
それは会計を済ませて60秒以内に注文した品が揃わなければ、次回使用できるハンバーガー無料券が貰えるというサービス。
そんなことをしなくても、今でさえ十分な速さで注文した品を出してもらえていると思うが、わざわざ時間制限を導入したのは、他社との差別化か、一時の話題性を狙ったのか…
来月4日から31日までの期間限定とはいえ、こうした過剰なサービスは後々標準化する懸念がある。
また、そのサービスを遂行するスタッフのストレスも相当なものであろうし、できない者は職場から排除されないか心配だ。
標準化と言えば、ふと別のシーンが頭を過(よぎ)った。
自動車の運転で車線変更する際や右左折時に相手が譲ってくれた場合、ハザードランプを点滅させることがある。
車掌長の記憶だが、25年以上前の学生時代には、これができると「ちょっと気の利く人」的なお礼の意思表示であった。
しかしながら、今や標準化され、これができないと「気の利かない奴」「無礼者」と受け止められてしまうようだ。
最近は街中を走る教習車でさえ、車線変更の際にハザードランプを点滅させたから、教習項目にもなっているのだろうか…
初めは「気の利く」サービスや仕草が、いつの間にかそれが標準化してしまう。
本来であれば、注文の商品をきちんと提供する、或いは運転の基本操作に専念すれば良いことを、制限時間への過度なプレッシャーや軽微な気遣いのために、ミスや事故を誘発すれば本末転倒だ。
また、そうしたことができないスタッフや運転者も、社会で働くし公道を走っていることを忘れてはならない。
もし、そのような人々は「働くな」「運転するな」といった排除論になれば、非常に悲しい社会だ。
前述の話に戻るが、もしも時間通りに商品が揃わず、ハンバーガーの無料券を渡されても
「No problem」と言って、心優しくお返しできるような人が一人でも多くいると、世の中とてもHappyな気分になれると思う。
また、そうした仕草や心持ちは「カッコイイ」「クール」なことだと思う。
コメント(3件)
たくちゃんさんからのコメント(2012年12月23日 05:31投稿)
僕もそのニュースを、ネットか何かで見ました。
サービスの標準化、という言葉に、以前あったことを思い出しました。
以前、人からの紹介で、初めてお仕事をさせていただいたお客様のことです。
まだ仕事になる前、つまりは見積もり段階で、
詳細な見積もりを出して、お持ちしたところ、
「で、おたくはこれからいくら引いてくれるの?」
仕事もしていないうちから、値引き交渉です。
こちらが何も提供していないうちから
サービスを求めるあつかましさ。
何より、こちらの技量も何も知らないのに
「こちらの要求どおり、やっておけばいいんだ」的な要求。
知り合いからの紹介でしたから、その場は適当な返事をしておきましたが、
それからそのお客様とは、お仕事をしていません。
いくつか引き合いはあったのですが、
あえてとんでもなく高い見積もりを吹っかけて
自然消滅させました。
商習慣といってしまえばそれまでですし、
それが駆け引きという方もいるとおもいます。
ですが、相手との信頼関係が成り立たないうちから
そのようなことをしてくるっていうのは
どうなんでしょうかねぇ。
ハンバーガーチェーンのトップの方々も
自分たちのスタッフが以下に優秀かを理解できていたら、
自分たちの提供する商品に誇りを持てているなら、
そんなことを軽々しくできるものではないと
思うんですがねぇ…
たくちゃんさんからのコメント(2012年12月23日 05:35投稿)
自分たちのスタッフが以下に優秀かを
→自分たちのスタッフが如何に優秀かを
…文章の確認をせずに投稿すると
このようなことになります。
まったく、プロとして恥ずかしいことで。
皆さんも、自分の発言にはくれぐれもお気をつけください。
インターネットは「メディア」です。
発言者には、責任がついてくるものです。
匿名性が高いからといって、
「ばれないからいいだろう」っていうのは
どうかと思いますねぇ…。
車掌長さんからのコメント(2012年12月23日 07:34投稿)
たくちゃん 様
毎度ご乗車ありがとうございます。
たくちゃんさんのエピソード、共感しました。
仕事とは、上下関係で位置づけられるものではなく、お互いの信頼関係で成り立つものだと考えます。
また、言い方を変えれば「パートナーシップ」とも言えます。
これは両者が対等の立場で同じ方向性を確認し共有することです。
そしてその信頼によって、双方に良い果実が実り、収穫ができるとイメージします。
車掌長の好きではない言葉に「下請け」というのがあります。
いかにも日本独特かつ固有な、マイナス志向の商習慣用語です。
この言葉を使い続けているうちは、日本は経済的にも精神的にも豊かにはなれないと思うのです。
リーディングカンパニーと呼ばれる、どの業種や分野にも君臨してきた大企業と、その傘下にいれば安住と思えた裾野の下請け業者が、今や壊滅状態です。
高度経済成長期なら成り立ったその親子関係も、いまはその親に体力がありませんから、子や孫はおろかグループ企業という、親類縁者まで、その親の介護や援助になけなしのお金や体力を消耗しています。
グローバル経済とは、大企業の傘下に長居すればするほど、或いは依存すればするほど、体力も情熱もストローのように吸い上げられ、弱体化を招いたように思います。
つまり、大企業が風邪をひいたり病気になれば、その親分を支えている中小零細企業は、もっとひどい症状を患い、見舞いに来てもらえるどころか、もっと忠誠を示せと言わんばかりの仕打ちを受けているように見えます。
結果、製品のクオリティを維持できず、リコールを頻発するような商品しか世に送り出せない有様です。
また、世界的なニーズに合わない不必要な高機能ばかりを開発することによって、エンジニアを疲弊させ、優秀な人材を国外へ流出させています。
しかしながら、今の世の中を肯定的に捉えれば、これまでは難しかった個人や中小零細企業の素晴らしい技術や魅力を、容易に自ら日本国内や世界に発信できることは良いことです。
某ハンバーガーチェーンの話に戻りますが、60秒以内に出すためには、常時全商品を一定数以上ストックしておかなければなりません。
つまり、作り置きです。
回転の良い集客規模の高い店舗ならまだしも、そうでない店舗ではアツアツのポテトは食べられないのでは…と気になります。
時間が経ってカラカラに乾いた固いポテトなら品質は落ちますし、作り立てをキープするために在庫を廃棄するなら、リーディングカンパニーとして、全くエコではないことをしていることになりますネ。
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