SEIKO Silver Wave

カテゴリー:③番線:時間旅行、時刻表方面 2012年12月24日 07:05

昨日、腕時計の電池を交換した。
ここ6年ほど、仕事の都合で腕時計が使えず外して久しかったが、別の探し物をして出てきた。

いつの時点で電池が切れたかは不明だが、前回電池を替えた記憶は10年近く前だと思うので、外すようになって間もなく切れていた可能性が高い。

この時計はセイコーの「シルバーウェーブ」。
中学卒業時に、高校進学のお祝いにと父が買ってくれたものだ。

当時車掌長は、本来の志望校であった公立高校を、自分の強い意志で急遽、私立高校へ進んだ。
この選択には当時の担任教諭も、もっと偏差値の高い学校に進めるのにどうしたの?…と、突然の進路変更に驚いていた。(この偏差値という言葉自体、当時から好きな言葉ではなかったが)

何はともあれ、その学費を心配して、車掌長は店頭に並ぶ数千円のデジタル時計を所望した。
すると父は、「節目の時は永く使える良いものを買った方がいい」と言ってくれた。

店内に入り、ショーケースの中で綺麗に輝いて並ぶ時計から、「セイコー」のブランドを探した。
セイコーは昭和初期に鉄道時計として指定され、その正確さが魅力的だった。
そして、シンプルなデザインと防水性を考慮して、気に入ったものを選んだ。
値段は3万円近くにもなってしまった。

そんな大切な想い出のある時計の電池を、長い間切らせてしまい悔やまれた…
すがる思いで、近所の時計店に入り結果を待った。

預けて間もなく、電池交換をしてくれた初老の男性が一言。
「大切にお使いですね」と…。
受け取った時計は、息を吹き返したように時を刻んでいた。

車掌長にとって、その一言が素敵なクリスマス・プレゼントとなった。

折しも、年が明ければこの腕時計を買ってもらい30周年。
この再会に感謝し、ふたたび、これからの人生を共に歩んでゆきたい…

 

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