サンライズ出雲の旅

カテゴリー:①番線:鉄道(JR・私鉄)方面 2013年1月 6日 06:44

今朝の新聞に嬉しい記事があったので一筆。

「幸せの女子会寝台」という見出しの記事。
内容は「寝台特急サンライズ出雲」が、若い女性の間で人気だという。
その行先が、一夜明ければ良縁を叶えるという出雲大社のお膝下であるのも一理あるようだ。

記事によれば、旅行情報誌るるぶの2013年版「松江・出雲・石見銀山」の編集長は、この列車を「縁結び寝台特急」と紹介したそうで、とても素敵なネーミングだ。

サンライズ出雲は東京駅を毎夜22:00出発。
仕事を終えてからでも乗れるダイヤが功を奏し、金曜日は昨今の女子人気もあやかり乗車率が99%にもなるという。

また、全車個室(ノビノビ座席を除く)の安心感と、内装が住宅メーカーとの共同開発による居住性の快適さも人気の秘訣だろう。
寝るまではどちらかの部屋で酒や肴、スィーツを持ち寄って女子会に興じ、就寝時はそれぞれの個室に戻れるのも使い勝手が良いと思う。
また、ベッドの向きがレールと並行しているので、寝心地も自然な感じであろう。

サンライズ出雲はサンライズ瀬戸との併結運転。
岡山で分かれそれぞれの目的地である出雲市と高松へ向かう。
以前は多客期に、広島や下関、松山までの臨時運行もあった。
電車であるため、機関車の付替えや方向転換の問題もないので、行先の運用は色々考えられる。
あとは、運行のためのJR各社間の調整が壁かもしれない。

車掌長は、昔ながらのブルートレインの客車寝台の乗り心地が好きだが、このような電車寝台列車の需要や人気が高まって、新たな定期運行や車両の新造につながれば夢のようだ。

寝台列車の旅は、高速夜行バスの安さや、飛行機の速さにはかなわないが、自分の自由な「時間」と「空間」がある。安さや速さをよりも、上質な時間の「豊かさ」を求める人が増えることを願う。

また、寝台列車には独特な旅情があるのも、多くの方々に体験してもらいたい。
窓に流れ去る見知らぬ街の灯や、規則正しく刻むレールの音。
何よりも、自分自身の内面と向きえ合える時間が担保された乗車時間に価値がある。

急ぐ旅ではないがゆえ、その列車に乗っている間は、物思いに耽(ふけ)る思考の自遊空間だ。

考えてみれば、列車での移動時間というものは、日常から非日常への心を切り替えるための「所要時間」なのかもしれない。
夜行列車であれば、一夜明けることが絶妙な演出となる。

飛行機であれば切り替わる間もなく目的地に着いてしまい、心は日常の延長ままのような気もする。
夜行バスは渋滞で時間通り到着しないこともあり、日常のストレスが更に溜まりそうだ。

寝台列車の旅には、巧みに非日常へと誘う心理的な仕掛けがあるのだと思う。
 

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