太宰の落書き

カテゴリー:③番線:時間旅行、時刻表方面 2013年5月12日 05:17

太宰治が10代頃の落書きが見つかったそうだ。
旧制中学・高校時代のノートや日記など22点で、作家になる以前に太宰が何を考えていたかが分かる貴重な資料とのこと。

そのうち、ノートは10冊。
中でも、高校1年の時と見られる「地鉱」の科目名の書かれたノートには、当初は授業内容を丁寧に記していたが、次第に似顔絵などの落書きが増え、「芥川龍之介」の文字を無数に書いた箇所もあったそうだ。

また、太宰が高校時代に作った同人誌「細胞文芸」の目次案を書くなど、授業中も文学のことを考え、傾倒してゆく様子が分かるという。

ところで、授業中の教科書やノートへの落書きと言えば、車掌長は小学生の頃、時刻表で使われる記号を書いていたことを思い出す。
グリーン車の四葉のクローバーや、寝台車のグレードを☆の数で表したベッドのマークなど…

また、太宰が芥川龍之介の名前を書いたように、男子にしろ、女子にしろ、気になる異性の名前を何度も書いたという、甘酸っぱく切ない想い出をお持ちの方も多いことだろう。
そんな話を綴っていたら、こんな曲の歌詞を想い出した。

♪手のひらに あなたの名前を 何度も書いてみるの

そう、松田聖子の「旅立ちはフリージア」だ。

この曲は1988年秋にオリエントエクスプレス(パリ発東京行)が日本に上陸し、その後全国各地を走った時のテーマソングだった。
当時、JTB時刻表の表紙を飾ったことも想い出深い(1989年1月号)。

あの頃は大学3年生で、憧れの名車に乗る金銭的余裕もなかったが、いま思えばこのような二度とない世紀の大イベントは、借金をしてでも乗っておけば良かったなぁ…と振り返る。
日本のブルートレインとは全く違う"青"の車両
それは「青いプリマドンナ」と称される「ワゴン・リ」ならではの、近寄りがたい気品と風格…

太宰の落書きから、オリエントエクスプレスに憧れた頃への時間旅行を楽しめた。
 

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