旅の日に想う
カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2013年5月16日 19:25
今日は「旅の日」。
なぜ?という方もおられるかと思うので、手短に説明する。
5月16日は、1689年に俳聖「松尾芭蕉」が奥の細道に旅立った日。
これを日本旅のペンクラブが、1988年に記念日として制定した。
松尾芭蕉は車掌長が尊敬する人物の一人。
中学時代の国語の教科書で習って以来、師の旅を通じての人生観に魅了され続けている。
特にその足跡を辿って訪れた山寺や松島、平泉、最上川などは想い出深い土地だ。
車掌長が芭蕉から学んだことは「変わらぬ本質」と「変わりゆく人の心」…
変わらぬ本質とは、言うなればどんな時代にあってもブレない「不変の法則」や「普遍の原理」など。
変わりゆく人の心とは、世の中の利害やしがらみでブレる心の流動性など。
芭蕉はそれらを僅か17文字で、季節や風景の美しさの中で表現してきたと思う。
この忙(せわ)しない今の世の中、「旅」の本質に目を向けて見るのも意味深いことだ。
ガイドブックに載っていたことを見たり、食べることを通してナゾルのも、一つの旅の味わいであろう。
しかしながら、車掌長の描く「旅」とは、自分と向き合うイメージだ。
偶然だが、松尾芭蕉が奥の細道に旅立ったのは45歳。
そう、いまの車掌長と同じ年齢…
奥の細道の冒頭は、こんな書き出しで始まる。
「月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也」
月日というのは、永遠に旅を続ける旅人のようなもの。来ては去り、去っては来る年もまた旅人である、という趣旨だ。
漂泊の想いを胸に、これからの人生を淡々と歩んでゆきたいと思った。