クルーズトレイン

カテゴリー:①番線:鉄道(JR・私鉄)方面 2013年6月 7日 05:29

先日、JR東日本が豪華寝台列車を新造するとの発表を新聞で知った。
3年後の2016年春、東日本エリアを皮切りに営業運転を開始するそうだ。

今秋デビューするJR九州の「ななつ星in九州」の二番煎じは否めないが、車両の外観や内装を手掛けるデザイナーも異なるし、将来的には自社エリアに限らない運行を予定している点は評価したい。

ちなみにデザイナーは奥山清行氏。
カーデザイナーとして有名な御方だが、どんな車両になるのか楽しみだ。

そもそも、日本ほど世界に誇れる観光資源や四季折々の美しさを堪能できる「箱庭的な国」は希少であるのに、江戸時代のような自藩事情に囚われて世界にアピールできない点はもったいない。
本気で観光立国を目指すなら、「オールJR体制」で運行するくらいの気概が必要だろう。

また、この新造列車は10両編成で架線からの電力以外に、ディーゼル発電機による自家発電でも走行できるシステムを国内で初めて採用するという。

これは風光明媚だが、非電化のローカル線を走れることを意味する。
この走行システムこそ「ハイブリッド」だと言える。

路線の保安システムや路盤の強度の点で、どんなローカル線まで入れるのかわからないが、とても魅力的だ。

しかしながら、「クルーズトレイン」と名乗るのであれば、そもそも本家である"クルーズ客船"に倣うのも一興であろう。
つまり、寄港地の沖合でテンダーボートに乗り換えて、大型船が直接接岸できない魅力的なスポットを訪れるように、ローカル線との分岐駅で実際に走る魅力的なローカル線に乗り換えるということだ。

これは、"盲腸線"と呼ばれる行き止まりの路線でなければ、ローカル線の旅を終える駅まで回送し、乗客を待ち受けるという、鉄道ならではの技も活かせる。

豪華な車両も贅沢さを味わえて良いかもしれない。
しかしながら、「本当の豊かさ」とはテレビCMではないが、"プライスレス"なところに存在するのだと、車掌長は考える。

つまり、どのような「心の満たし」を得られるか…ということだ。
高額な料金設定をして、その価格に見合った納得感を演出をするために、いかにもお金がかかっている見栄えにこだわったり、コテコテの人的サービスをアピールしたり提供するのは、時代遅れだと思う。

一言で表現すれば、「さりげない癒し」。

そのクルーズが、その人の人生にどんな喜びや発見、出逢いをもたらすのか…
JR東日本の企画力に期待したい。

余談ではあるが、このクルーズトレインにしても、ななつ星にしても、時刻表上にそのダイヤを掲載されたら素晴らしいなと思う。

定期列車でも臨時列車でもないので難しいかもしれないが、時刻表愛読家としては、今後このような列車の需要が増えることを想定し、誌面上でも机上旅行が味わえたら…と考えてしまう。
 

コメント(2件)

たくちゃんさんからのコメント(2013年6月10日 05:41投稿)

ずいぶんお久しぶりなたくちゃんでございますよ。
本日も満員電車でGOでございます。
で、出勤前に。

奥山清行さんですか。
車掌長はご存知でしたか?
彼はワタクシの車のデザイナーでもあることを…。

いや、実に楽しみです。

車掌長さんからのコメント(2013年6月12日 19:29投稿)

たくちゃん 様

毎度ご乗車ありがとうございます。

ただいま茨城県内陸部の或る町で短期滞在しておりまして、お返事が遅くなりました。

目の錯覚か、その町に向かう途中、筑波山がハワイのダイヤモンドヘッドに見えるような地域です。

さて、もちろんながら奥山氏がたくちゃんさんの愛車のデザイナーであること、存じておりましたヨ。
(正確に申し上げますと、いつでしたかたくちゃんさんにお聞きしたことがあります。)

その奥山氏が手掛ける鉄道車両というのも、大変興味深いですネ。
ぜひ、そのクルーズトレインは時間を忘れさせるような魅力的な列車であることを期待します。

個人的には、携帯やスマホetcの電子通信機器は持ち込み禁止くらいの拘(こだわ)りがあっても良いと思います。

これからの時代、そんな時間を所有できる人が本当に豊かなんだと感じます。

たくちゃんさんの方も、お忙しいこととお察しいたします。
またぜひ、そちらのお話も聞かせてくださいませ。

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