ナロネ22 153(哲×鉄車掌区慰安旅行)

カテゴリー:①番線:鉄道(JR・私鉄)方面 2013年8月18日 19:53

北広島クラッセホテルでの目覚め、部屋のカーテンを開けると鮮やかなグリーンのゴルフコースが眼下一面に広がっていた。時計を見ればまだ6時頃だったが、もうコースに出ている人もいた。
今日も天気は良さそうだ。

のんびりと9時半にチェックアウトし、一路帯広を目指した。
目的は世界唯一の"ばんえい競馬"だ。

通常の第1レースは11:30出走とのこと。
12時に到着し、第2レースから楽しもうと思っていたが、なんか場内が静かでレースを行っている様子が伺えない。すると、この日はグランプリがあり14:30からが第1レースとのアナウンスがあった。

せっかく来たのに、あと2時間余りをここで過ごすわけにもいかず残念に思っていたら、別のアナウンスが流れた。
今日は特別に12:20から模擬レースを行うとの内容。
馬券を買うことはできないが、ばんえい競馬を観賞することはできる!
何はともあれスタンドへと向かい、2つある障害のうち、大きな2つ目の山の中央部前に陣取った。

間もなく、5頭のばん馬がゲートインし、いざ出走!
土埃を巻き上げながら、第1障害を乗り越え、眼の前にやってきた。
人馬一体の駆け引きが、1分半のレースに凝縮されているのを実感できた。

お昼は隣町の芽室で「コーン炒飯」を賞味。
手持ちの資料によると、十勝芽室はスイートコーンの生産が日本一とのこと。
そのスイートコーンをたっぷり使ったバター味の炒飯は、確かに美味しかった。

午後は次の目的地を目指し、国道38号線を富良野方面へ走る。
途中、狩勝峠の3合目で左に折れ、旧狩勝線の新内駅に到着。

ここは、昭和41年まで根室本線の難所"狩勝越え"の拠点になった駅。
今ではNPO法人の「旧狩勝線を楽しむ会」の皆様が、献身的な活動を通してユニークな取り組みや、貴重な車両の保存を行っている。

まずユニークなのは、トロッコ鉄道を敷設して体験乗車ができること。
具体的には、保線用軌道自転車でペダルを漕ぎながら、レールの上を走る趣向になっている。
車掌見習は専務車掌に抱っこ紐で抱っこされている状態で乗車。車掌長と専務車掌は並んでペダルを漕ぐ形だが、そこは車掌長が一人で頑張って漕ぎ続けた。

短いコースではあるが、トンネルや踏切、信号もあって本格的。
木立の中を風切りながら進む爽快感を味わった。

トロッコの後、日本で唯一現存する貴重な車両「ナロネ22」を含む寝台車3両とSLを保存しているホームへ向かった。

ここは以前SLホテルとして営業していたが、廃業後荒れ果てていた車両を前述のNPOの皆様が保存活動に立ち上がり、今もこうして昔の名車両に出会えるスポットになっている。

車掌長はこの20系車両が大好きだ。
1958年にデビュー。特急あさかぜ用に開発された固定編成の美しいフォルムと、全車冷房化等の豪華な車両設備は「走るホテル」と形容された。

中でも、ここにある"ナロネ22"は現役時代に8両しか製造されず、1人用個室は当時の総理大臣も乗車するほどの贅沢さであった。
車掌長はこの車両をぜひ一目見たいと、ずっと思っていた。

そして、その時がやっと訪れた。
同じ車両の半分が「開放型」と言われる上下2段のA寝台、もう半分が1人用個室という造りだ。
車両の中央に通路があり、その両側に開放型の寝台と個室が並んでいた。

1人用個室は、現在の北斗星のロイヤルなどに比べれば遥かに狭い。
しかも、座席状態からベッドにすると、そのベッドの上しか居場所がない状態となる。
それでも、お湯と水が別々に出るステンレス製の洗面台や、給仕係を呼ぶボタン、冷房を思うままに調整できるダイヤルを見ると、これらがいかに贅沢な装備であったかが偲ばれる…

手書きの説明が付してあったが、この個室で東京~博多間を乗車するには、サラリーマン1ヶ月分の給料に匹敵する運賃料金が必要だったそうだ。

外観の"青15号"と呼ばれる塗装は剥げた部分も痛々しいが、徐々に修復もされている様子がわかる。
今は北の大地で静かに余生を送っている名車両だが、いつまでも大切に保存されることを願う。

車掌長も何かできることを探して協力したいと思いつつ、今日から3日間滞在する"星野リゾート トマム リゾナーレ"へと車を走らせた。
 

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