幸福駅(哲×鉄車掌区慰安旅行)

カテゴリー:①番線:鉄道(JR・私鉄)方面 2013年8月24日 08:49

哲×鉄車掌区慰安旅行の記録も、これが最終回。

4泊5日の最終日は、早起きして「雲海テラス」にチャレンジした。
これがトマム滞在中の2つ目の楽しみであった。

いまやトマムと言えば、この「雲海テラス」をイメージするほど有名になった。
もともと雲海の発生しやすい地形や、気象の条件が重なった時に、神秘的な自然の芸術を目にすることができる。

しかしながら、毎日見られるわけではないし、ついさきほどまで見えていたのが一瞬で見られなくなってしまうなど、自然相手だけにまさに運次第…
実際、前日もチャレンジしようと早起きしたが、未明に雷注意報が出たとのことで、ゴンドラ自体が運休であった。

この日は定時(5:00)からゴンドラこそ運行していたが、部屋で確認できるインフォメーションでは「雲中」とのこと。つまり、上がっても雲の中で何も見えない状態…

しばらく、タイミングを見計らっていたが、せっかく来たのだし、ダメならダメでも良しとして6:15頃にシャトルバスでゴンドラ乗り場まで行ってみた。

既に乗車待ちの行列ができていたが10分ほどで乗れ、7時前に山頂駅到着。
この時点でも「雲中」に変わりはなかった。

山頂駅付近は眺望を楽しめるカフェやデッキが整い、大勢の人で賑わっていたので、別の展望デッキへ続く山道を歩き始めた。
しかしながら、しばらく待っても「雲中」で視界ゼロ…

今回は諦めかなぁ…と思っていた。
ツアーで来ていた人は、バスの出発時間があるようで、早々に帰路のゴンドラ乗り場へと向かっていた。

こちらは、今日は帯広空港に行くだけなので、チェックアウトも特に決めていなかったが、さすがにお腹が減ってきたので、8:00にはここを出ると決めもう少し待つことにした。
幸い車掌見習も眠り始めたので良かった。

間もなくして、誰かが発した「あっ!」という声につられ、その方向を見ると、雲の合間からリゾートの施設群が見え始めた。
高層タワーのホテル棟や、周囲の山々が顔をのぞかせた。
イメージしていた"雲海”とは違うが、これはこれで幻想的な光景であった。

森の中のレストランで朝食を済ませ、ノンビリ10:30にチェックアウト。
3日間の快適な滞在は、あっという間に過ぎ去った。

それにしても、この星野リゾート・トマムは、宿泊した部屋はもちろんだが、レストラン他どこの施設も子供連れを意識したハードやソフトが整っていた。
例えば、この日の朝食をとったレストランでは、乳幼児連れの場合は専用の靴を脱いで入る個室があり、その中央で子どもが遊べるスペースや絵本、おもちゃが置かれ、大人はその周囲に配されたテーブルで遊ぶ姿を見守りながら食事を取れるスタイルだった。

このあたりは、全国各地にある星野リゾートの「大人の寛ぎ」をコンセプトにした経営とは違い、良いなと感じた。

名残惜しいトマムに別れを告げ、帰路の飛行機に乗るため帯広へと向かった。
時間に余裕があったので、空港近くにある「幸福駅」に立ち寄ることにした。

ここはJRへ民営化される直前の1987年2月に廃線になった、旧国鉄広尾線の無人駅。
そして、ここを全国区で一躍有名にしたのが、40年前に放映されたNHKの番組「新日本紀行」であった。
駅名の縁起の良さが着目され、近隣の愛国駅とのカップリングで"愛国から幸福ゆき"の乗車券が爆発的に売れた。

車掌長も中学1年の頃、郵送で上記の乗車券や入場券の購入をこの駅にお願いしたことがある。
今思えば、この幸福駅が「縁起切符」の先駆けであったと思う。
当時は他にも、四国に「学」という駅があるが、そこの入場券を買うと券面に「入学」と印字される部分があり、受験生に大そう喜ばれた。

話を戻すが、この幸福駅も今では恋人の聖地として認知され、この日も多くのカップルを目にした。
車掌長にとっては、残された木造駅舎やレール、ディーゼルカーが往時を偲ばせてくれる聖地に他ならない。
一面一線の単式ホームに置かれたキハ22が、なんとも愛らしい…

賑わう駅前の売店で、その日の日付の入った「愛国から幸福ゆき」の切符を購入し想い出の品とした。

 ここから空港までは10分足らず。
復路は13:45発のJAL1154便。

東京から到着した同機は、お盆の帰省客で満席のようであったが、折り返しとなる東京行きの搭乗便はガラ空きであった。
これもイメージ通りで良かった。

往路同様、搭乗前に離乳食を済ませ、待合室のイスでさんざんハイハイをさせて、専務車掌と共に難関への準備を整えた。

羽田と違い地方空港は、ターミナルを離れればすぐに飛び立つので、タイミングを見計らってミルクを飲ませた。やがて、車掌見習の眼がトロォ~ンとし始め、専務車掌と顔を見合わせてニンマリ。

だが、事は起きてしまった…
離陸後、水平飛行に差しかかったタイミングで、なんか異臭が…
もしやと思い確認すると、紙オムツからハミ上がらんばかりの軟便が目に飛び込んだ。

すぐさま、専務車掌とともに最後部のトイレへ駆け込み、オムツ交換へ。
だが、このトイレに設置された交換台の向きが非常に使いづらく難儀であった。
しかも、手間取っているうちに車掌見習が大泣き状態…

キャビンアテンダントのお姉さんも、「危ないですのでドアを閉めさせていただきます」と物腰柔らかに言ってくれたが、相当泣き声がうるさかったのだと思った。

ドアを閉められると、ただでさえ狭い機内トイレに大人2人と乳児が閉じ込められ身動きもままならず、汗も吹き出し始め、それはそれで地獄絵巻の様相であった。

やっと落ち着き、席に戻ろうとすると、間もなく着陸とのこと。
往路便で経験したが、着陸の方が耳が痛くなるだろうと思い、周囲に誰もいない席を探して車掌長が車掌見習を預かった。

だが、いざシートベルト着用サインが出て身構えていたが、もともとの飛行高度が低かったのか、耳への違和感がなく、陸地が見えてきた。

かくして、北海道旅行4泊5日の珍道中は無事終えることができた。

末筆ながら、5回に渡る全くプライベートな旅行記にお付き合いいただき、お礼を申し上げます。
どうもありがとうございました。

今後、乳幼児を連れて旅行をされる方々に、どこか部分的にでも、少しでも参考になれたなら幸いです。
 

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