ジャンボジェット旅客機引退

カテゴリー:②番線:航空、船舶、バス方面 2014年3月24日 05:45

3月31日月曜日、ANAの羽田~沖縄線で唯一の満席便がある。

那覇12:35発のANA126便。
この便が日本のジャンボジェット旅客機のラストフライトであることを、ご存知の方も多いであろう。

ボーイング747は通称「ジャンボ」と呼ばれ、多くの人々に愛され親しまれてきた。
車掌長も数ある飛行機の中で、YS-11と並び大好きな機種だ。

車掌長が初めて飛行機に乗ったのは、高校2年の修学旅行であった。
鉄道好きが災いしたり、そもそもまだ航空運賃が高い時代背景もあり、搭乗デビューは遅かった。
そして、その時の機種こそがジャンボであった。

その時の記憶はいまだ鮮明だ。
横に3-4-3の座席配列の中央4席を、仲の良かった悪友と陣取り、離陸に向け興奮したのを覚えている。
その顔ぶれもみな飛行機が初めてであり、うち2名が吉川晃司の大ファンで、離陸の際は、当時流行っていた「You Gatta Chance」と決まっていた。

誘導路から滑走路へと機体は進み、カセットテープで聴くウォークマンを仲良く片耳ずつ分け合って、「初離陸」の瞬間を堪能した。

加速時に体が背もたれに押し付けられるようなGとは裏腹に、地上を蹴って飛び上がった瞬間が意外にあっけなかった印象がある。

しかしながら、生まれて初めて乗り物で地上を離れた感動は、今も色褪せることはない…

あれから、飛行機に乗る機会は幾度も訪れ、最盛期は仕事の出張やプライベートで年間70回(片道ベース)以上を、数年間乗ったクレイジーな時期もあった。

当時は座席指定など自分でできない時代であったが、予約時にオペレーターに座席番号で希望席を指名し、ひとときの雲上の旅を満喫した。

その際、ジャンボに乗る時は2階席の最前列、もしくは階段を昇りきってすぐの独立したような2席の窓側が「指定席」であった。この席は脇に荷物収容のボックスがあり、着陸後もスムーズに降りられるのが魅力であった。
それは確か89ABだったように記憶している。

ところで、このジャンボジェット機は、機体にクジラや海の生き物の絵を施した「マリンジャンボ」として、子ども達に空への夢も与えてくれた。

当時、公募で選ばれたお子さんの絵が採用されたものだが、そのANAの企画発案の柔軟性と、その産物であるクジラが空を飛ぶ姿には心から感動したことを覚えている。

他にもジャンボにはいくつも想い出はあるが、このたびの引退をつくづく残念に思いつつ、これまでの大活躍を労いたい。
どうもありがとう…

今後は、引退を見越して昨年購入した1/400及び1/500のディスプレイモデルで、その美しも飽きのこないスタイルを眺めながら、往年の時間旅行をともに楽しみたい。

 

コメント(2件)

希望者挙手さんからのコメント(2014年3月25日 01:32投稿)

こんばんは
皆様の夜間飛行のお供をするパイロットは私、希望者挙手です(ジェットストリーム風に・・・笑)

ジャンボもラストフライトとは、寂しいですね。

私は国際線に乗ると必ずしていたことがあります。
それは、CA(当時はスチュワーデスですね)さんに、ポストカードとレターセットを頂いて手紙を書くことです。
これまで頂いたポストカードは大事にしまってあり、ジャンボはもちろんMD11もありますよ。

私はポケモンジェットで苦い思い出があります。
大阪に住んでいた頃、家族で九州へ飛行機で旅行へ行くことにし、娘たちの飛行機デビューのためにポケモンジェットを指定したのですが、トラブルのため機材変更となりポケモンジェットに乗れませんでした。

それでも(敢えて)スチュワーデスさんは娘たちにポケモンのおもちゃをプレゼントしてくれて、楽しい初フライトとなりました。まあ、乗ってしまえば、機体のデザインもわかりませんし(笑

私も家内とハワイで結婚式を挙げた際に乗った「リゾッチャ」のミニチュアを眺めて時間旅行を楽しんでおりますよ(笑

車掌長さんからのコメント(2014年3月25日 05:28投稿)

希望者挙手 様

毎度ご乗車ありがとうございます。

「ジェットストリーム風」とは、なかなか粋なご登場で嬉しいです!

ポストカードとレターセット、確かに機内で頂けるグッズですネ。
国際線は飛行時間も長く、普段とは異なる非日常な時間・空間ですので、多少窮屈であったり揺れもありますが、葉書や手紙を書くということに共感します。

最近は世知辛いご時世のため定かではありませんが、一昔前は書いた葉書や手紙をスチュワーデスさんに託すと、切手を持っていなくても空港到着後に切手を貼って下さり投函までしてくれたように記憶しています。

ところで、ポケモンジェットのエピソード、苦くも想い出深いものですネ。

マリンジャンボやポケモンジェットの素晴らしいところは、特殊フィルムのラッピングではなく「塗装」であることです。

マリンジャンボは新造機であったため、始めから航空機メーカー側による全面塗装ですし、ポケモンジェットは、ANAの機体工場で通常4色の全日空機を、27色の塗料を使ってペイントしているそうです。

全面塗装はあれだけの機体の大きさになれば、ペンキ分の重量も馬鹿にならず、当然燃費にも影響するため、アメリカン航空やジャルカーゴなど、ほぼ無塗装のエアラインもありました。

しかしながら、一生の想い出にもなりうる「夢」の塗装コストについては、いつまでも寛大であり続けてほしいと願うばかりです。

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