愛用コートとの別れ

カテゴリー:⑤番線:feel the season方面 2014年3月28日 05:41

春は別れの季節…

今春は、先日の寝台特急「あけぼの」廃止や、来週に迫ったのジェンボジェット旅客機の引退…
両者とも華やかな時代を経て多くの人々に愛され、惜しまれながら姿を消すことは或る意味幸せなのかもしれない。

そんな折、車掌長が長年愛用してきたものとの別れもある。
それはAustin Reed(オースチンリード)のハーフ・コートだ。

毎年、初冬から春先にかけて、20年にわたって車掌長と付き合ってくれた冬のパートナー。
しかしながら、さすがに全体的にくたびれてきたのと、綻(ほころ)びも幾つか出てきた。

出逢いは地元の老舗の紳士服店であった。
店内で一目惚れし、身の丈に合わぬ値札であったが、思い切って購入した。
ネイビーブルーで襟が濃い緑茶のような色合いで、形も気に入っていた。

春になって個人経営のクリーニング店に持ち込むと、良い仕立てのコートですねと言われ、頼まなくてもボタンの1つ1つや金具部分にアルミ箔を施し、丁寧にクリーニングをしていただいたものだ。

車掌長の喜びも悲しみも、甘美も辛苦も、寄り添ってくれたコート…
買った当時とは体型も体重もだいぶ違うのに、これ1着で20年を共にできたことにも感謝。

惜しんでも惜しみきれぬコートとの別れに、万感の想いが募る…

そんな車掌長の別れの春である

 

 

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