国富とは

カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2014年5月28日 05:24

「経済より安全」と、言い切った判決が先週あった。

福井地裁における、原発訴訟での判決だった。

これまでの原発訴訟は、原告が負け被告(電力会社)が勝つのが「パターン化」していた。
判決はなぜこうも、電力会社やその時の行政・政府の意向に沿ったもの、偏ったものになるのか…素朴な疑問であった。

しかしながら、今回の福井地裁での判決は、久々というか、おそらく初めて心の奥底まで響き落ちる、本当の「国富」の意味が貫かれていた。

判決理由の最後の部分が新聞に掲載されていた。
あまりにも感動したので、乗務日誌にも残しておきたく、抜粋しておきたい。

「当裁判所は、極めて多数の人の生存そものに関わる権利と、電気代の高い低いの問題等とを並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的には許されないことであると考えている。」

「このコストの問題に関連して国富の流失や喪失の議論があるが、原発停止で多額の貿易赤字が出るとしても(それは国富の流出などではなく)、豊かな国土とそこに国民が根を下して生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失である。」

司法判断として、経済性よりも国土や国民の生活の安全の方が、何よりも勝る財産であると位置づけたことを、尊く想い、その言葉を噛みしめる…

 

 

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