カテゴリー:③番線:時間旅行、時刻表方面 2014年7月12日 05:32

土・日の新聞は、各紙別刷りの特集を組んでおり、週末の朝に自宅や出先で過ごす朝の楽しみが倍増する。

某紙では、毎週様々なテーマで実施している読者アンケートを基にしたランキングが楽しい。
今週は「訪ねてみたい日本の岬」であった。

1位の宗谷岬(北海道)から、20位の長崎鼻(鹿児島県)までが掲載されていた。
このランキングの中で、車掌長が訪れたことのない岬が2つあった。

それは、6位の竜飛崎(青森県)と9位の納沙布岬(北海道)。
どちらも、何度か訪れる計画を立てては、予定が合わなくなったり、天候が優れずに断念した岬だ。

車掌長は、「岬」好きだ。
子どもの頃から、地図帳や時刻表の地図頁を眺めては、この「突起部分」や「端っこ」はどんな場所なのか、興味津々であった。

一人旅で列車やバスを乗り継ぎ、徒歩で辿り着いた岬に感慨深いものを感じたこともあったが、飛躍的に訪問数が増えたのは、車の免許を取って自由自在に好きな時間帯に行けるようになってからのこと。

岬に立つのは、早朝や夕暮れが美しい…
有名な岬は、観光地化して興醒めな面も否めないが、人の少ない時間帯は、ゆっくりと自然美を鑑賞できる。

今回のランキングには当然載るはずもないが、車掌長が学生時代を過ごした愛知県の半島の先端にある小さな岬も大好きであった。

ここは何度訪れたかわからないほど行ったものだ。
向かいの半島や伊勢を結ぶフェリーや、沿岸の小さな島々の日常を紡ぐ船が港を出入りするのを眺めるのが好きであった。

人はなぜ、岬に誘われたり、魅せられるのか…?
そのアンケートの中でも、読者の言葉としてあったのが、「地図上の先端に立っている実感」や「ここからは先がない、結局元の場所(現実)で暮らすしかないと悟る」等々のコメントがあった。

それらも確かに共感できる…

車掌長は「達成感」が得られるのが大きな理由だ。
それは、登山の醍醐味が「垂直の頂」を制覇した喜びであるように、岬は「水平の頂」として、そこに立った喜びがあると思う。

また、それは地図好きならではの感触かもしれないが、地図上だと山々の頂は実感できないが、岬の頂は一目瞭然。
子ども心ながらに、その突起部分の好奇心は、大人になった今も健在なのであった。

ところで、車掌長が訪れた無数の岬の中でも特に気に入っている場所がある。
そこは、「馬ケ背」という宮崎県北部にある岬。

薄暗い木立の中を歩き、岬の尾根に出て突端へ向かう細い道が、気に入っている。
名前の通り、馬の背中の上を歩くような感覚だ。

先端に辿り着けば、日向灘を一望する圧巻の眺めが出迎え、己に「何か」を問いかけてくれるだろう…

この夏、そちら方面へお出かけの方がいれば、ぜひ足を延ばす価値があると思う。
あまりガイドブックに載っていないが、そういう場所こそ、素朴で雑音のない素晴らしさがあると感じてしまう…

ちなみに、名前で好きな場所は「地球岬」だ。
北海道にあるが、その近くには「地球岬小学校」もあり、そのような名称を母校に持つ卒業生は羨ましい。

ところで、岬とは、観光バスなどで訪れ、分刻みの僅かな滞在時間で終わらせてしまうのは、モッタイナイと思う。

メインとなるべき自然の芸術観賞もおざなりに、月並みなにわか名物の飲食や購買に興じ、さほど感慨に耽(ふけ)ったり印象に残らずして去ってしまうのは、多くの人が陥りやすい消費的観光の盲点かと思う…
 

コメント(2件)

希望者挙手さんからのコメント(2014年7月13日 21:33投稿)

こんばんは

その記事では、我が故郷に近い犬吠埼が8位に入っていて、ちょっと嬉しくなりました。

中学1年の時、美術の授業で切り絵版画に押すための落款作りというのがあって、その落款を砂岩で作るため、材料となる砂岩を拾ってくるという宿題がありました。
その砂岩を拾いに、自転車で犬吠埼に行ったことを思い出しました。

その落款を押した切り絵版画の題材は「竜舞崎(たつまいざき)」、母の実家のある気仙沼市大島にある岬でした。その頃から岬好きだったのかも知れません(笑
その時に作った落款は、今も大事に持ってます。

ところで、岬はライダーも好きですよ。基本的に”端”が好きなんですよね。岬とか、最●端とかを目指すんですよ。

私もバイクで岬巡りを楽しんでます。その時は決まってヘルメットの中で「岬めぐり」を唄ってます(みさきぃ~めぐりのぉ~♪バイクぅ~ゎはしるぅ~♪・・・笑)

私も車掌長と同じく達成感が得られるというのが大きいですね。それに、端に立つと目の前に未来や希望が広がっていくように感じられるのがいいんですよね。(海のトリトン世代だからでしょうか・・・笑)

車掌長さんからのコメント(2014年7月14日 05:20投稿)

希望者挙手 様

毎度ご乗車ありがとうございます

落款(らっかん)、良いですネ!
車掌長も大好きです。
それを押すと、全体が引き締まるというか、完成の実感が湧く気がします。

それにしても、美術の課題でそのような貴重な体験をしたことは素晴らしいことだと思います。

きっと、そのご担当の先生の授業に向き合う熱い想いや、感性(センス)も秀逸だったのだとお察しいたします。

余談ですが、車掌長は角印も好きです。
篆書体(てんしょたい)と呼ばれる書体で彫られ、中でも吉相体(きっそうたい)という、迷路のような文字で隙間なく埋め尽くされるのが魅力的です。

角印好きになったきっかけは、志賀島(福岡県)で出土した「金印」です。

歴史で必ず勉強する、漢委奴国王(わのなのこくおう)と記された印ですが、実物を見たくて福岡市博物館に行ったものです。

ところで、岬と言えば、世界地図上でいつか行ってみたい場所があります。

アフリカ大陸南端の「喜望峰」です。

そこに立って、世界地図の「ここ」に、今この足で立っている実感を味わってみたいものです。

その時は、ぜひ南アフリカの「ブルートレイン」に乗ってケープタウンへ向かいたいです。

しかしながら、18歳以上の成人という乗車制限がありますので、車掌見習を連れてゆくにはまだまだ先の、夢の話です。

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