リベンジ・カシオペア(哲×鉄車掌区慰安旅行)

カテゴリー:①番線:鉄道(JR・私鉄)方面 2014年8月16日 19:25

8月8日(金)15:35分、上野駅13番線。

札幌行の寝台特急カシオペアが、展望スィート室を先頭に推進運転で入線した。
客車編成の列車ならではの、このような入線光景も、いずれ見られなくなってしまう…

それはそれで誠に残念であるが、目下(もっか)のところ、その姿を確認できた喜びの方が大きかった。
何故ならば、昨夏に大雨の影響で函館本線が不通となり、乗車当日直前に乗れなかった雪辱が晴れる想いに包まれたからだ。

今回も嫌な予兆はあった。
台風12号の影響で2日前のカシオペアや北斗星、トワイライトエクスプレスが運休…
その後、台風11号がゆっくりと日本に近づき、前線を刺激するような予報もあった。

念のため、今回もカシオペアが運休になった時に備え、乗車前日に羽田発新千歳行の飛行機を予約した。
この時点で予約できるのは普通運賃の席しかないため、購入さえしなければ搭乗当日の直前に取り消しをしても、キャンセル料はかからないという普通運賃の利点を、安心のために担保とした。

カシオペアの出発時刻は16:20。
それまでの45分間に、やりたいことは幾つかあった。
最後尾、最前部での記念撮影、シャワーカードの購入など。

しかし、ここで想定外のことが勃発!
3号車でのシャワーカード購入に長蛇の列ができ、購入するのに30分も費やしてしまった…
これは痛いロスタイムであった。

そして、最後尾での記念撮影は諦め、先に今晩利用する個室へ入っていてもらった専務車掌のいる号車へ急いだ。
せめて、先頭機関車での記念撮影だけでも、と思って個室に入ったら、ブラインドが降りて室内が薄暗かった。

専務車掌に理由を尋ねると、なんと!
車掌見習の「電車嫌い疑惑」が浮上した…
電車が見えると、怖がるというのである。

そういえば…自宅最寄駅から上野駅へ向かう際、車掌見習を抱っこしてホームで電車を待っていた時のこと。
電車が入ってくると、車掌見習がパッと車掌長の手を自分の目のところへ持ってきて、目隠しのような状態にする仕草を目の当たりにしてしまった。

専務車掌に聞くと、電車で出かけると「いつもそうヨ」とのこと…

仕方なく、電気機関車のみを撮影に個室を出た車掌長であった。

16:20、定刻発車。
まずは、上野駅で購入したスパークリングワインで、専務車掌と乾杯!
電車では味わえない、「客車」の独特な乗り心地を楽しみながら、出発の余韻に浸った。

今宵は、ダイニングカーでの食事も予約してあった。
カシオペアの運命がもっと長ければ、今回は車掌見習も幼いので、慌てて利用することもなかったが、北海道新幹線開業と共に廃止となれば、乗れた時に食堂車も利用しておかなくては…と考えた。

ディナータイムは20:10スタート。これがまた、微妙な時間であった。
日常、車掌見習は20:30~21:00頃に寝るからだ。

ダイニングカーで眠くてぐずられたら、せっかくの時間も台無しになってしまう。
打つ手はディナータイムまでに眠らせることしかないと、専務車掌と事前に業務確認を行っていた。

かくして、先頭12号車のラウンジカーで、沢山歩かせたり、遊ばせることに時間を割いた結果、20時前に無事就寝。車掌長が抱っこ紐姿で粛々と、ダイニングカー入室を果たすことができた。

案内された席は、最奥の2名向い合せの窓側席。
メニューは二人とも「カシオペア懐石御膳」。

いまや日本で食堂車を連結する列車は、他に北斗星とトワイライトエクスプレスのみ…
この列車内で食事を楽しむという時間、シチュエーションが、JR民営化以降に廃(すた)れてきたのは、日本の鉄道文化の損失だと痛感する…

スピードや効率性、合理性、汎用性を追及しすぎた副作用だろうか、日本人の心に「遊び」や「余裕」といった「のりしろ」が、随分と擦り減ってしまったように思う。
食堂車での食事など、面倒で無駄な行為なのだという考えの人の方が多いのであろう。

食事を終えると仙台辺りのはずだが、ふと停車している駅を見ると、福島駅であった。
福島県内の大雨の影響で、先行列車が安全確認をしているとのこと。

無論、急ぐ旅ではないのでNo problemである。

 

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