50年後の東京

カテゴリー:③番線:時間旅行、時刻表方面 2014年10月14日 04:39

三連休の前半、専務車掌の母上と叔母様が上京した。

発端は、数年前から母上が「一度でいいから歌舞伎を観てみたい」という希望を知ったこと。
その後、父上が他界し、母上もなかなか仕事の休みが取れない等々、実現できずにいた。

しかしながら、これはこちらで全てお膳立てをしないと実現できないと、専務車掌と画策。
いよいよ今年の夏から、その夢の実現に取りかかった。

先ずは何と言っても、歌舞伎のチケット入手。
せっかくだから歌舞伎座で観てもらいたいと調べ始めると、土・日はなかなか難しそうなことがわかってきた。
しかもどの土・日でもというわけでもなく、歌舞伎観賞とセットで東京案内もするため、車掌長が勤務日でない土・日に限られた。

そこで割り出せられた日程が、10月11日(土)午前の公演であった。
歌舞伎座の一般発売は1ヵ月前だが、某クレジットカード会社の月刊誌を見ると、たまたま希望日時の枠があることを発見。
専務車掌が、1ヵ月以上前となる8月下旬の発売日の受付時間を狙って電話予約し、事なきを得た。

軸となるチケットが入手できれば、あとはその前後の旅程の肉付け作業。
その際、同行してくださる叔母様は、上京は中学の修学旅行以来50年ぶりと知り、気合が入った。

まだ先の予定と思っていたが、あっという間にイベントが近づいた先週、天気予報を見て唖然…
台風19号が三連休を直撃とのこと。

どうか前半の2日間だけでも、雨が降らずにいてほしいことを願いながら当日を迎えた。

当日、お天気は良好だったが、ハプニングは出鼻から起きた。
母上と叔母様が某駅で合流し、東海道新幹線に乗るべく名古屋へ向かう列車が、鹿に衝突し遅延とのこと。

なんともローカルな事件だと思いつつ、名古屋駅での乗り換えは余裕をもって20分とっていたが、それも危うい事態に…
しかも、母上は足があまりよくないので、無事に乗り換えができるか、本部はソワソワした。

乗車予定の時間が過ぎた頃、無事に乗ることができたとの一報に胸を撫で下ろした。

東京駅の到着ホームで、専務車掌、車掌見習の3人で出迎え、ハプニングの珍道中を労いつつ再会。
だが、よくよく母上の話を伺うと、乗り換えで急いで足にかなり無理をかけたことが判明した。

東京駅のデパ地下で昼食を調達し、そのまま歌舞伎座へ車でお送りした。
ほどなく着いた歌舞伎座は大勢の人で賑わっており、「ハレ」の場所であることを感じた。

初日は歌舞伎鑑賞後、当車掌区に来ていただき宿泊。
夕食の際、念願の歌舞伎鑑賞も叶い、「冥土の良い土産話になった」などと冗談も出たが、大変喜んでいただけた様子であった。

翌日もお天気はまずまず。
いよいよ東京観光のスタートだが、長くなってきたので、ポイントを羅列したい。

①東京タワー大展望台
②車窓観光(築地市場、両国国技館、秋葉原、上野)
③スカイツリーを見ながら昼食
④人力車体験で浅草散策
⑤スカイバスで皇居・銀座周遊

③は浅草ビューホテルの26Fレストラン。
3席しかないスカイツリーを真正面に眺めながら食事ができる席をサプライズで手配し、その景観に圧倒していただいた。
たしかに、この場所がスカイツリーを見るには距離的にバランスが良く特等席だと思った。

④は食後、ホテル玄関前に人力車を待機させて2度目のサプライズ。
まさかこの歳になって、このようなものに乗れるとは…と、恐る恐るながら踏み台を使って乗車し、下町情緒を味わっていただいた。

⑤のスカイバスは、オープントップの2階建てバス。普段見られない視点の高さや風を切って走る爽快感を味わっていただき、50年前にも見たであろうスポットを次々と通過した。

テンコ盛りの東京観光であったが、全て時間通りに予定を無事にこなせたのは、車で走るルートと全ての駐車場を事前に入念に調べ、頭に入れておいたことが奏功した。

東京を出る新幹線の見送りの際には、お二人から何度も何度も礼を述べてくださり、それで十分報われた心地になったと同時にホッとした。

50年ぶりに訪れた東京の風景は、叔母様の瞳にどのように映ったのだろう…
また、母上もだいぶ足腰が弱ってきたことを目の当たりにし、専務車掌と今回実現して良かったことを共感。

何事も、元気なうちに楽しめた方が良いなぁ…と痛感した。
 

 

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