喫茶店

カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2015年4月21日 05:27

喫茶店…いい響きだ。

その店ごとに、個性がある。
それは、マスターの淹れるコーヒーへのこだわりや、時間や空間の「間」の魅力がある。

店に入るドアを開けた時の印象…
どの席に座るか選ぶ楽しみ…
注文までに迷うメニューとの出逢い
マスターの人柄やコーヒーを淹れる姿勢
インテリアの意匠やこだわり

などなど、喫茶店の魅力は沢山あるが、その店が客と共に育んだ「時」の面影を偲ぶのも良い。

いま、自分が座った席に、一体どれほどの客が座り、またどんな「時」を過ごしたのか…
窓際であれば、この風景を見て何を想いながら、一杯のコーヒ―を飲んだのか…

心ときめく相手との会話もあれば
別れや深刻な心苦しい話も、あったかもしれない

車掌長は、いわゆるセルフ形式のコーヒーショップやチェーン店は、ほとんど利用しない。
人との待ち合わせ等で、相手の指示で仕方なく入ることはあっても、自分の意志では入らない。

なぜか…
それは「間」を楽しむ魅力が、欠如しているからだと思う。

慌ただしい店員に笑顔で急(せ)かされながら、つい、本意ではなかったものを注文したり…
そもそも、ゆったりした時間を過ごしたくて入ったつもりが、隣席との間隔が著しく狭く、着席するのに脚や臀部(でんぶ)が隣のテーブルに粗相をしたり…

何よりも、店内に客の数が多すぎる…
効率よく稼ぐために、客を詰め過ぎだ。

肝心なコーヒーもマシンが淹れるため、いつ飲んでも誰が操作しても同じ味…
それでいて、そこそこ値段も高い。

しかしながら、銀座ルノアールは例外だ。

このチェーン店は、概ねどこもゆったりしていて、人との打ち合わせや、ちょっと時間を潰すには重宝している。
コーヒーの味は月並みだが、フルサービスの経営姿勢は、根強いファンも多そうだ。

車掌長は学生時代、喫茶王国とも称される中京地区で過ごした。
また、自らも喫茶店で2年半ほど働いた経験があり、そこで喫茶店への愛着が芽生えたと思う。

ほとんど喋らない、愛想のないマスターのいる店もあった。
だが、そのマスターの淹れるコーヒーは、とっても美味しかった。

そこには、一種独特な、客との無言のコミュニケーションが成立していたように思う。

今は東京で、ふと時間ができた際、チェーン店を素通りし、ひっそり佇む店を探すのが楽しみだ。
 

 

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