二季

カテゴリー:⑤番線:feel the season方面 2015年5月15日 05:06

昨日、都内では真夏日となる地域があった。

つい先月、桜が咲き春を感じるのも束の間で、みぞれが降り、今月は一気に夏の陽気…
日本には四季があると言われるが、最近は「二季」のような感が拭えない。

四季を実感させる俳句の季語も、そぐわなくなってきた。
実生活ではなかなか実感できない、或いはピンとこないことに、温暖化の影響が危惧される…

車掌長は、四季のある日本を愛おしく思う。
それは、春夏秋冬という寒暖のサイクルが、緩やかに絶妙に移行していくからだ。

それは、自然景観や食の多様性、人々の暮らしに根付いた情緒の趣きや移ろいにも彩りを与えてくれた。
四季はまさに、日本人の価値観や文化の醸造には、なくてはならない自然の恩恵であった。

翻って、二季的なシーズナリティは好きではない。
暑いか寒いかのような極端な気候は、なんだか、0か1かのデジタル的で肌に合わない。

四季であれば、その0と1の間にある小数点の世界に、白や黒だけでは判別や解決できない、答えや道筋があったように思える。

今の世の中は、気候と同じく両極端な思考や物事の進め方、結果が蔓延していないだろうか…

生死、勝負、善悪、白黒、正負、有無、陰陽、昼夜、天地、貧富、左右、上下etc…
何かと、オールオアナッシングを素早く決めることが、賞賛される社会なのかもしれない。

しかしながら、そこに熟慮や配慮と言った0と1の間を埋めるものが欠ければ、人間本来の持つ個人の多様性や少数意見の尊重と言う、四季的な世の中の美しさは紡げないように思う。

日本ではまだ早すぎる季節外れの台風も、近づいたり、上陸する昨今。

世界中で吹き荒れる嵐に巻き込まれないためにも、一人一人の大切にしたい心や価値、物事を明確に持ち、意志表示することが、二季的な世の中を過ごしたり、禍根なく生きてゆく上で求められているように感じた。
 

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