世界名作劇場40年

カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2015年7月 6日 05:25

新聞で世界名作劇場が誕生して40年になることを知った。

車掌長と同世代以上であれば、日曜の夜7時半から放映された同名のアニメ番組をご存知だろう。
どのシリーズも1作あたり1年間というスパンで放映されていた。

最近のテレビ番組は、大河ドラマを除いて1年という期間を持続できるものは稀有だ。
むしろ、3ヵ月ごと10話程度でコロコロ変わってゆくドラマが多いのは、移り気な持続性のない世相のよう…

記念すべき世界名作劇場の第一作は、1975年の「フランダースの犬」とのこと。
車掌長が7歳の頃になるが、これは毎週観ていた。

なお、その前作は「アルプスの少女ハイジ」で、この成功を受け、スポンサーの意向を受けて方向性が定まり、日本アニメーションという、制作会社がシリーズを手掛け続けたという。

紙面には世界名作劇場の歩みとした作品の一覧が載っていたので、車掌長も毎週観たものを中心に、懐かしみながら下記に列挙してみたい。(※印は毎週観たものではない)

1975 フランダースの犬
1976 母をたずねて三千里
1977 あらいぐまラスカル
1978 ペリーヌ物語※
1979 赤毛のアン※
1980 トム・ソーヤの冒険※
1981 ふしぎな島のフローネ
1985 小公女セーラ

小・中学生の当時、まだビデオなどなかったので、観たいテレビ番組の時間を軸に生活が回っていたように思う。

1985年は高校3年生で、そんな歳になって世界名作アニメというのも…を思われるかもしれないが、その頃はNHK朝の連続テレビドラマで「おしん」が爆発的に流行った直後で、苦労したり、虐げられたりしながらも、健気(けなげ)に生きる主人公に共感したものだった。

また、当時旅先で出逢った方と文通をしている折、この番組を共に観ていたことも、視聴に熱心になった理由かもしれない。

話が脱線してしまったが、そんな想い出深い世界名作劇場も、視聴率低下とともに、知らない間に地上波から姿を消してしまった。

昨今の殺伐とした映像や音響のアニメが多い中、世界名作劇場のような良識ある教育的な着地点がある番組は心からホッとできる。

また、手書きのアニメーションの温かみは、今のコンピュータグラフィックの綺麗すぎるというか、鋭すぎて気が休まらない映像よりも、穏やかな心持ちになれる。

主人公の青春期における成長過程で体験する心情の機微や、他人との関わりや摩擦で生じるお互いの痛みやいたわり、問題解決のステップなど…

そんなことを1年かけて、自分自身の成長とも重ねて視聴できた子ども時代は幸せだったと思う。

もちろん、その良さを知っている世代だから、今の子ども世代にも見せてあげたいが、地上波ではスポンサーがつかないだろうから、結局はそのような意識を持つ親が、DVDをレンタルするなどしてという方法になろうか…

いつでも好きな時に視聴できるツールが増えたことは、確かに便利だと思うし否定もしないが、決まった曜日や時間までに食事などの用を済まし、テレビの前で始まる時間をワクワクして待ったような体験も、金銭に置き換えられない心の成長には必要な気もしてしまう。

何はともあれ、世界名作劇場誕生40年を心から祝福するとともに、それを記念して新作される映画「シンドバッド」は、ぜひ劇場に足を運んで観てみたいと思った。
 

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