雲沢ドライブイン(哲×鉄車掌区慰安旅行①)

カテゴリー:③番線:時間旅行、時刻表方面 2016年9月 9日 05:11

今夏の哲×鉄車掌区慰安旅行の行先は、秋田!

昨夏は高知だった。
理由は、車掌見習が夢中だった「アンパンマン」に因んだため。

アンパンマン列車乗車や、アンパンマンミュージアム訪問を旅程の軸とし、車掌長の目的である温泉や観光は後付け的に散りばめた。

今年の行先を考えるにあたり、「いま何が夢中なのか?」を、6月頃専務車掌と話し合った。
行き着いたモノは、ブルートレイン「あけぼの」であった。

BS12chで放映中の「記憶に残る列車シリーズ」が、車掌見習のお気に入り番組。
トワイライトエクスプレスや北斗星、カシオペアなど、今は走っていない列車が走る風景や車両形式を淡々と紹介する内容。

この手の番組は、車掌長が夢中になってしまうものだが、専務車掌がたまたま録画したものを車掌見習に見せたところ「ド・ハマリ」で、その後、車掌見習が繰り返し見ていて車掌長もその番組を知った由。

アンパンマンは昨年で早々に卒業!?し、他のアニメや戦隊ものは興味がない様子…
昨年、興味が最高潮のときに、高知に行っておいた良かったと実感した。

前述の番組で、車掌見習は「あけぼの」が特に好きだった。
ならば…「あけぼの」を見せたり、乗せてあげたいと思うのが親心。

だが、「あけぼの」は既に廃止されて久しく、どこかで保存されていないか…と探した。
すると、秋田県の小坂町に、保存どころか宿泊できる「あけぼの」の存在を知った。

「即予約を!」と、ネット上の空室状況を見たら、既に8月最後の日曜しかなかった。
A寝台個室を1室確保でき、この時点で今夏の行先と日程が定まった。

8/26~29の3泊4日で、まずは空路ANA便で大館能代空港に降り立った。

今回の旅行は、週間予報が出た時点で台風の影響で芳しくなく、初日は大雨。
しかしながら、今日の旅程は雨でもさほど影響のない内容で、一路角館駅へ向かった。

お昼過ぎに角館駅到着。
駅隣接のホテルで、稲庭うどんをすすった。

食後、先ずは車掌見習を喜ばすために、秋田新幹線「こまち」乗車を企んでいた。
角館から大曲までを往復するだけのことだが、初体験としては充分。

今まで本やビデオ、東京駅等で見るだけだったが、片道10分ほどの乗車でも、「乗る」体験は大満足だったようだ。
大曲駅は、明日の花火大会に訪れた人々で早くも賑わっていた。

再び角館駅に戻り、車で今日の宿泊地である男鹿半島へ向かった。
その途中、今度は車掌長のお目当てスポットを仕込んでおいた。

今春、NHKのニュースでも話題になった、秋田港にある昭和レトロの「うどん自販機」はご存知の方も多いだろうが、調べたら秋田には他にも貴重な昭和の自販機が棲息していることがわかった。

その存在を知ることができたのは、有名な"味わいの昭和レトロ自販機コーナー「懐かし自販機」"さんのサイトであった。

盛岡から秋田を結ぶ国道46号。その仙北市内でいまやバイパス開通で交通量も減った道沿いに現れる「雲沢ドライブイン」に、名機は佇んでいた。

コンビニやファミレス繁栄の陰で、ドライブインという名前自体が、記憶の奥から萌芽のように"トキメキ"を感じさせてくれた。

高速道路が今ほど発達していなかった頃、日本中の国道にドライブインは存在し、トラック運転手たちに愛されてきたのだろう。

それを裏付けるように、この雲沢ドライブインの駐車場も広々として、24時間営業の大きな看板が往時の栄華を偲ぶに十分な風格を醸していた。

店内に入ると、10台以上の自販機が整然と並び、その真ん中ほどに、お目当ての自販機は鎮座していた。
チョイスは「天ぷらうどん」か「ラーメン」だが、迷わず後者のボタンを押す、250円也。

すると25秒のカウントダウンが表示され、これがまた懐かしく味わい深いひとときであった。

定刻に取出口から差し出されたラーメンは、まさしく子どもの頃に食べた記憶そのまま。盛り付けという言葉が当てはまらない無造作に混入されたメンマと葱、ナルト、薄っぺらいハムが、「昭和の自由」な愉悦を感じさせてくれた。

これぞ、車掌長が存分に吸って育った「自由」な昭和の空気そのもので、アッパレ、感服!

今日の見た目や人目ばかりを気にし過ぎてみな平均的、面白味の薄く、息苦しい、個性を失った社会を一蹴するような清涼感に包まれたひとときであった。

ドライブインの外は土砂降りの雨だったが、世代を超え、車掌見習とすすったラーメンの味は、佳き想い出となった。

食後、ふと店の奥に目をやると、更に薄暗いコーナーがあった。
怪しげな雰囲気に誘われ奥地へ踏み入ると、昭和のテーブルゲームが並び、現役で稼働していた。

思わず着席し、インベーダーやギャラクシアンに興じてしまった。
各1ゲームずつ行い、まだまだ遊び続けたい未練を残しつつも、なんとも言い知れぬ、「昭和」への郷愁を味わい、素敵なドライブインを後にした。

今日の宿泊地、男鹿温泉郷には夕方早目に到着。
時間旅行を堪能した慰安旅行一日目であった。

 

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