10月2日の想い出
カテゴリー:③番線:時間旅行、時刻表方面 2017年10月 2日 05:26
小学5年生の10月2日は想い出深い日だった。
当時、「ごお・さん・とお」と呼ばれた国鉄のダイヤ改正が実施された日。
それは昭和53年10月に因んだ、関係者や鉄道ファンらによる通称だった。
車掌長はその9月末、書店に並んだ日本交通公社10月号の時刻表がわからなかった。
それは、毎月楽しみにしていた表紙の意匠が、180℃変わったからだ。
「哲×鉄」の時刻表アーカイブをご覧いただければ一目瞭然だが、9月号までは国鉄の優等列車が日本の四季を感じる風景と織り交ぜて表紙を飾っていた。
しかしながら、10月号は真っ黒の表紙の中心に、女の子がアメを舐める姿を列車から撮影した構図になっており、主役が列車から人へと代わっていたのだ。
ジャンルは違うが、航空旅行パッケージツアー商品の「ジャルパック」が、「アイル」へと変わった際も、同様の驚きを抱いたものだった。
この10月ダイヤ改正以降、同一名称の特急・急行の列車が日に複数本運転される際に使われる○号という数字が、下りは奇数、上りは偶数となった。
そして、車掌長が好きな「あずさ2号」も、8時ちょうどの新宿発ではなくなった。
また、特急のヘッドマークも新設され、それぞれの列車愛称名にちなんだイラストが、その特急の顔として子ども達の人気を集めたものだった。
一方、急行列車が減り特急列車が増えたことは、当時の単に鉄道好き少年だった車掌長には嬉しいニュースだったが、その陰で国鉄衰退の歯止め策として取られた幾つもの合理化の影響など、幼い自身には未だ知る由もなかった。
昭和53年10月号の時刻表表紙の想い出から、平成3年に「ジャルパック」から「アイル」へと変わったパンフレットデザインの激変も思い出した。
どちらも共通するのは「黒の変化」だった。
降って沸いた衆院選も、緑色が急遽現れた。
しかしながら、その旗印も色合いも、なにやら斑模様になりつつある印象は否めない。
いっそ、裁判官が着衣する法服のように「何色にも染まらない」、黒色を旗印にした政党が出てくるかもしれない。
それは、時代の変わり目を暗示するような…
10月2日の時刻表の想い出から、そんな連想がふと浮かんだ。