今月のJTB時刻表

カテゴリー:③番線:時間旅行、時刻表方面 2018年9月20日 05:38

 今月のJTB時刻表(2018.10月号)は、大変面白かった。

表紙に大きく「よん・さん・とお」大研究と書かれ、興味をそそられた。
数字を3つ並べたようなこの独特な言い方は、今からちょうど50年前、国鉄が昭和43年10月1日に行なった白紙ダイヤ改正にちなんだ名称だ。

JTB時刻表は、創刊93年。
今号のように、50年前に発行された時刻表を現在と比較し、わかりやすく解説してくれるのは、JTB時刻表にしかできない芸当だ。

巻頭グラビアを読み進めると、50年前の伝説の大改正のあらましが、興味深く蘇る。

車掌長も大好きな表紙である1968年10月号は、東北本線全線電化複線化を機に同時デビューした583系が、その構図も恰好よく表紙を飾っているが、今号もそれを彷彿させる583系を登場させているところは、心憎い演出だ。

先日の乗務日誌で、最近の時刻表はダイヤに面白みがないと綴ったが、それと反比例するように、最近のJTB時刻表の巻頭特集は、面白味を増し続けている。

時刻表編集者皆さんの時刻表を愛する気持ちが、伝わってくる。

時刻表はそもそも、最新のダイヤを調べるための媒体・手段であり、本来の使命。
そして、実用性や一覧性、視認性の高さが追及され、幾度となく改良も重ねられてきた。

それらの点において、時刻表は「芸術品」の域に達していると、車掌長は認識している。
そして、このような芸術品が、毎月安価に発行され続ける文化も、世界に誇れることだ。

車掌長は最近の「日本スゴイ」的な、何でも日本を持ち上げるのは、肌感覚としてちょっと過剰だなぁ…、違和感があるなぁ…、ホントのところどうなのかなぁ…と、少々胡散臭さを感じていた。

そして、それらのスゴイと発信される話題は、それらサービスやモノを提供する人々本人にとって、ハッピーなことなのか…と心配してしまう。

そうした話題が利用され過ぎて、実は働き手としては過度な負担を強いられたり、ストレスだったり、自身が充分に休めなかったり…

日本自慢について、少し悲観的なことを言い過ぎたかもしれないが、殊、この時刻表については、世界に誇れる一品であると思っている。

きっと、想像にも及ばない大変さもあると察するが、このような素晴らしい書籍を、ごく少数の方々の尽力によって編集・発行されていることに敬意を抱くとともに、感謝している。



 

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