Spur
カテゴリー:⑤番線:feel the season方面 2018年12月 8日 05:19
今朝、冬らしい冷たい空気を吸った。
ここ数日、季節外れの暖かさに慣れ過ぎたのか、忘れかけていた冬の朝の空気感であった。
そうそう、本来の師走はこんな冷たさだったなぁ…と。
いつも冬の訪れを感じると、ふと頭をよぎる言葉がある。
それはSpur…
「シュプール」という言葉を初めて知ったのは、中学3年の冬。
トシちゃんこと、田原俊彦が歌った「ラブ・シュプール」の流行った時だった。
彼のファンではなかったが、トシちゃんの曲では「ハッとしてgood」と「ラブ・シュプール」が、特別に好きだったことを思い出す。
♪青い空 光る そのほほえみは
真冬に咲いた花さ
白く咲き乱れ この僕待つよ
ふたりは 永遠の星さ
今でも時折、口ずさむこのサビは、車掌長が冬を好きになった原点があるように思う。
ところで、シュプールと言えば、もうひとつ忘れられないものがある。
それは、30年ほど前のスキーブーム。
国鉄末期に誕生し、新生JRに移行後、最盛期を迎えた「シュプール号」だ。
この列車が運行される頃の時刻表は、とても賑やかで、まさに冬の華であった。
まだまだ高速道路網も、現在ほど充実していない時代、冬の大都市のターミナル駅は、スキー板を抱えた若者が多く見られ、その光景は冬の風物詩でもあった。
今では、そんな時代もあったことを忘れさせるほど、駅を発着する列車に季節を感じさせたり、その目的地に想いを馳せらせるような、魅力ある鉄道の旅が消え失せてしまった。
それも時代の流れ…と、頭の中で分かっていても、心は感傷的になってしまう歳になった。
Spur…
車掌長の好きな言葉は、若かった頃に抱いた、「白銀」や「純白」という無垢なものへの憧れや妄想という前展望席の車窓から、いまや現実の生活の中、車掌長自身の足跡を振り返る後方展望のような意味合いにシフトしつつある。
それは、Spur本来の言葉の意味に近づいたのだと思う。