ROSE CHAMPAGNE
カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2018年12月21日 04:56
ロゼのシャンパーニュ…
今頃の季節、年末に向けて慌ただしくも、クリスマス商戦で賑わう街の浮かれ華やいだ雰囲気は、それが儚い泡沫であることを、グラスに注がれた液体は教えてくれる。
しかしながら、そうであったとしても、その一瞬の魅惑に満ちたサーモンピンクとも、ローズカラー、ルビー色とも例えられる液体から、無数に立ち上がる微細な気泡の列を目で追うと、何かを期待したり、朧(おぼろ)ながらも心が満たされてゆくのだから、不思議な飲み物だ。
車掌長もお酒は大好きだ。
晩酌も毎日だ。
そして、何か特別な日はロゼのシャンパンを奮発する。
正確には、シャンパンではなく安価なスパークリングワインだが…
それはさておき、微細な泡が立ち上る飲み物と言えば、思い出すのはソーダ水。
子どもの頃、かき氷のシロップにそのまま炭酸水を混ぜ合わせたような飲み物が、喫茶店で出されていたが、その味わいはいまやノスタルジーを感じる。
また、喫茶店とソーダ水とくれば、ユーミンの曲が頭の中でゆったりと流れ始めてしまう。
「海を見ていた午後」だ。
♪ソーダ水の中を 貨物船がとおる
もう30年以上も前になろうか…
この歌詞と自身を重ね合わせるような、そんな午後の昼下がりを思い出す。
学生時代に過ごしたその土地も、海がきれいに見える喫茶店があり好きだった。
今頃の季節は、海を渡る冷たい西風の頬に吹き付ける痛さが、なんとも懐かしい。
あの頃はまだ「昭和」という元号だった。
そして、いま「平成」という元号の最後の年の瀬を迎えている。
「平成」もさまざまな事があったが、車掌長は「いま」を大切に過ごしたい。
ところで、車掌見習は、スパークリングワインのことを「ポン」と呼ぶ。
それは、開栓時の音であり、華やかに奏でる祝砲にも聴こえるが、車掌見習はいつも、その様子を手で両耳を覆いながら興味津々に見ている。
毎年のクリスマスも、「ポン」を買って食事を楽しむのだが、今年は平成最後もさることながら、車掌見習の幼稚園時代最後のクリスマスでもある。
今年は、ちょっと背伸びをして、スパークリングワインではばく、「シャンパーニュ」にしてみようと思う。
ピンク色の液体に、健やかな成長の願いを込めて…