decide

カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2019年1月11日 04:57

「ボクがきめる!」

それは数日前、夕食後の他愛ない会話の中で、車掌見習が発した言葉だった。

会話の内容自体は、ここでご紹介するほどではないので、割愛させていただく。
しかしながら、初めて耳にしたその言葉に、車掌長はとても嬉しい思いが湧き起った。

自身で決める…
これは、車掌長が人生で大切にしてもらいたい…と願う、「生きる力」のひとつだ。

もちろん、いまの車掌見習には、そのような「力」は、まだ微塵もない。

ただ、「ボクが決める」と、その意思を表出したことは、大いに意義がある。

自分がどうしたいのかは、たとえ車掌区内の上司・部下(世間では家庭内の親子)であっても、なかなかわからないことが多いのも事実だからだ。

あとは、その意思の根拠を「言葉」で上司に対し説明したり、理解を得られなければ、それは単なる「我がまま」や「独りよがり」で終わってしまう。

また、その「決める」ための選択肢や判断材料を、日々の生活にある体験や経験から増やしていってほしい。

更に、旅という人生経験の縮図のような時間の中で、問題や課題にぶつかり、考え、選び、実行する一連の行動を繰り返しながら、磨いていってもらいたいと願う…

そして、その一助となるのは、当車掌区においては「時刻表」だ。
車掌見習も、だいぶスジ(各列車のダイヤ)を追えるようになってきたが、それはもちろん机上の話であり、実行に移すにはまだ拙いし、一定の時間を要する。

ある程度の年齢に達するまでは、その援助は惜しまないが、いずれは「見習」という立場から巣立たなければならない。

その時期は、上司が思っているほど、そう遠くない時に突然、訪れるかもしれない。
こちらの心の準備も整わないうちに…

そんなとき、嬉しい反面、寂しい思いをするのも、また上司なのであろう…

【以下、車内放送】
今回の「decide」をもちまして、乗務400回を迎えられましたこと、ご報告いたします。

2年ほど前から、急に車掌長の本来の仕事内容が変わり、なかなかダイヤ復旧に時間を要してしまいましたが、やっと通常運行のリズムを回復しつつあるように感じております。

どうぞ今後とも、当乗務日誌を気晴らしに時折覗いていただければ、幸甚に存じます。
 

コメント(2件)

希望者挙手さんからのコメント(2019年1月25日 21:28投稿)

こんばんは。
遅ればせながら400回乗務おめでとうございます。
この記事を拝読し、車掌長にぜひ聴いて欲しい曲を思い出しました。
それは先日、車掌長もご覧になった「ボヘミアン・ラプソディー」で話題沸騰中のQueenの「Father to son」(邦題は父より子へ)という曲です。
曲はYou Tubeで聴けますが、何よりも歌詞が車掌長と車掌見習いのお二人にぴったりだと感じました。歌詞もインターネットで色々と検索できますので、お時間のある時に調べてもらえたらと思います。

この曲は映画でもほとんど触れられていない、クイーンのセカンドアルバム「Queen Ⅱ」に収録されています。
このクイーン・ブームにおいて、あまり注目されていないアルバムです(車掌長が買われたベストアルバムには一曲も入ってないかもです)が、中学生だった私は、友人から借りたこのアルバムに衝撃を受けて、当時、とても高価だったCrO2(クローム)テープ、ソニーのJHFにダビングした程です。
当時、ダビングといえば、ほぼBHF、お気に入りは少し奮発してAHFでしたので、この力の入れようは車掌長ならご理解頂けますでしょうか?(笑)

きっと車掌長にも気に入って頂けると思いますので、お時間のある時に聴いてみて下さい。


車掌長さんからのコメント(2019年1月26日 05:15投稿)

希望者挙手 様

毎度ご乗車ありがとうございます

今朝早速ながら、「Father to son」拝聴いたしました。
曲も歌詞も、何とも荘厳であり、壮大かつ神々しさを覚えました。

「父より子」へ…という粋を超え、「神から人間」へとさえ思えるスケール感でした。

そして、想いを込めた言葉に宿る「命」が、世代を受け継ぎ、継承されてゆく不変的な法則性を教えてくれているように思いました。

更に、人はその伝承という行為において、受ける側は、なかなか素直にそれを持ち得ようとはしませんが、自身がその立場になったとき、結局、同じような境地に立ち、親や前世代から教わったり、無意識に感じ取った「バトン」を、子や次の世代に残そうとするのかもしれません。

このたび、希望者挙手さんからご教示いただいた曲は、車掌長にとりまして、Queenが放つ世界観を遅まきながら享受できたと思います。

また、歌詞は最初、日本語を見てから英語も見ました。

車掌長は、常日頃、日本語は美しい言語だと思っていますが、外国の曲を翻訳したものを目にすると、どうしても、日本語が「表意文字」であることを認識し過ぎてしまいます。

表意文字とは、言葉どおり、ひとつひとつの文字が意味を持つものです。

したがって、或る一文字を見れば、それだけで意味さえ伝わる場合があります。

一方、英語は「表音文字」であり、ひとつひとつの文字が持つ「音」の組み合わせが音節を構成し、意味を成し、人々が理解するものと言われています。

車掌長は、Queenの曲を、作ったアーティストの想いのままに、美しい曲に乗った「表音文字」のままに、世界観を感じ取れるようになりたいなぁ…と、希望者挙手さんのご紹介を機に感じてしまいました。

さきほど、「遅まきながら」という言葉を使いつつも、何か始めることに「遅い」も「早い」も、そもそも無いのかもしれません。

「五十の手習い」という言葉があったか、それは不確かであり我流かもしれませんが、もう一度、英語を勉強してみたくなりました。

末筆ながら、「父より子」へという言葉に触れ、希望者挙手さんのご尊父様には、是非一度お会いしてみたかったです。

数々の伝説をお持ちの父上に、お会いすることは叶いませんでしたが、車掌長が抱く父上のイメージの片鱗は、希望者挙手さんご自身の行動や考えから、お見受けできるように思います。

そのように、第三者が感じ取れることも、DNAというものの「伝承」なのかもしれません。

追伸
クロームテープ、とっても懐かしいですネ!
HFシリーズのラインナップだった、AHF、BHF、CHFの各色ラベルを思い出しました。
AHFも高価だったと思いますが、更に上位のJHFでダビングとは!
希望者挙手さんの思い入れを、ヒシヒシ感じます。
もしや、INDEXカードもかなり凝ったのでは…?!
なんだか、つい最近のような気もしますが、とても懐かしく、愛しく感じます。




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