時刻表好きな者が、輸送障害に思うこと

カテゴリー:①番線:鉄道(JR・私鉄)方面 2019年5月 3日 05:02

今日の朝刊、国交省がJR東に対し、輸送障害を警告と…

空前、未曾有の10連休となった初日の4月28日、上越新幹線が停電の為、最大4時間もの長時間、運転を見合わせ、大勢の観光や帰省を楽しみにしていた利用客を大混乱に陥らせた。

この件に限らず、JR東は近年、利用客への影響が多大な時期に、送電や車両トラブルによる重大な輸送障害を相次がせ、今回の警告に至った模様。

しかも、この警告は形式的なものではないようで、明日4日迄に今回の上越新幹線のトラブル原因に加え、輸送障害を防ぐ体制の検証と改善策を報告しなければならないとのこと。

この記事を読み、送電や車両トラブルが多発している原因について、一般的にすぐ思い浮かべるのは、保守業務における「人手不足」や「人材育成未熟」、「設備更新不備」、「過度なシステム依存」…

と、推測できるが、経営的な意図もあって、本来最も重点的に投入すべき、輸送安全確保・保守点検への人的・物的配置、更新を存分に行えない事情もあるのかもしれない…と、穿(うが)ってしまう。

それはさて置き、まずトラブル発生時、一般の利用客が為す術もなく、駅で途方に暮れている様子をTV等で見ると、いつもながら大変気の毒に思う…

そして、一時刻表好きな者からすると、目的地へ辿り着くための別の「選択肢」や「ヒント」は、スマホでのルート検索ではなく、全て「時刻表にある」と助言したい。

時刻表は解決策を導くための「俯瞰する」思考をアシストしてくれるし、それを裏切らない。

とは言え、車掌長は遠出をする際も、およそ1㎏ある大型時刻表を鞄に偲ばせているが、一般の方々には現実的ではないだろう。

しかしながら、トラブルや災害の「現実」というものは、何の前触れもなく、心やモノの準備の有無も厭(いと)わず、襲いかかってくるもの…

備えあれば憂いなし…とはいえ、いつでも何かに備えていられる人は、ごく少数だろう。

では、そういう視点に立ち、JR東が取る対策としては、今回の多客期における輸送障害の改善策も、直接の原因に関する手立てはもちろ必要だが、トラブルが起きたとき、否、「起きる前提」で代替列車を運行しておくことが有用なのではないか…と、考えてしまう。

つまり、新幹線は多くの場合、在来線と並行しているが、多客期における新幹線輸送障害に備え、臨時列車としてきちんとダイヤを組み、長距離輸送が可能な特急列車等を、マニア向けのイベント目的ではなく、本来の「輸送」を目的に、一定数運行してはどうであろうか…

今回も、足止めを余儀なくされた人の一部は、上越線の普通列車に乗り換え、目的地を目指したというが、時刻表を開けば一目瞭然だが、トラブル発生時にそれを可能とした上越国境を超える在来線のダイヤは、上下ともに2本程度であったと思われる。

それも、9時台の後は12時前後という過疎ダイヤであり、1列車における車両数も、おそらく3~4両編成で大混雑したのではないだろうか。

時刻表好きな者の勝手な妄想であったり、言い分ではあるが、多客期は新幹線輸送を補完する意味合い、或いはポジティブなリスク管理の視点からすると、たとえ結果として輸送障害が起きず、空振りに終わったとしても、備えとして、上野発新潟行、同仙台、青森方面行、或いはもっと絞って在来線運転本数が減少する、高崎発長岡行、宇都宮発仙台行などの優等列車を一定数走らせておくことも、ご一考いただければと願う。

とは申せ、JR東の圧倒的多くの社員の皆様は、日々の輸送業務に10連休も関係なく、真摯に取り組まれていることは、重々承知しております。

ゆえに、勝手な戯言(たわごと)を申し上げ、失礼いたしました。
 

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